第38話 たまにテンションがおかしくなることってあるよね?
放課後。俺は、部室へと向かっている。教室を出るまでに伊藤響や眼鏡くんとひと悶着あったのだが、それは割愛する。まあ、なんか大変だったんだなあと思ってくれたらいい。話の腰を折るみたいでアレだけど。骨折だけにね。
●大橋は大いに疲れていた。それはもう疲れていた。なぜ疲れていたのかだけでアニメ1話分ぐらいできそうなくらい長いストーリーがあるのだが、それはそれ。本編ではばっさりカット。もしかしたら、【没案】ということで掲載されるかもしれないが、現時点ではその時間帯は平穏な学生ライフを満喫していたと考えてもらいたいという作者からの強い願いが込められているのである‼
俺は廊下を歩きながら、先ほどのひと悶着を忘れようとする。こういうときに何か別のことに熱中できたらいいんだろうけど、あいにく今は骨折している身だ。実際、手ぶらだし。
俺は隣を歩く加藤を見た。加藤は放課後になるやいなや俺のリュックを颯爽と背負い、『部室行くんでしょ。すぐに行きましょう』とイケメンが言うようなセリフを言って、廊下に向かってしまった。そのせいで、俺と加藤が付き合っているのではないかという根も葉もない嘘が広がりそうになったのだ。あれ、なんかしゃべるつもりがなかったのにしゃべっちゃったぞ。誰に?誰かに。
「良太、なんか疲れてる?大丈夫?」
「問題ないよ。それより、加藤」
「……ん?」
「荷物は自分で持つよ」
「いや、それはダメ。だって、これは立派な凶器になり得るから」
「……いや、なるわけ……いやなるのか?」
鈍器としてならリュックも使えるのか?でも、使う前に気づかれないかな?ミステリでリュックが凶器になったなんて話を聞いたことがない。でも、世界で出版されているミステリのどこかにもしかしたら、リュックが凶器となった話があるのかもしれない。知らんけど。
「あんまり気を遣わなくていいからな。加藤だって、やりたいことがあるだろうし」
「ううん。私はこれがやりたいことだから、良太は気にせず私に甘えて」
「……」
俺、もしかしてモテ期来ちゃった?もしかしなくても、加藤は俺のことが好きなのでは?まあ、確かにあのとき、とっさにかばってしまい、それによって俺に惚れるというストーリーも……ありだな。テンプレ最高‼
「なあ、加藤。もしかして、俺のこと……」
「……何?」
「……なんでもないです」
やっぱ、気のせいだ。あの加藤だぞ。雪女と呼ばれ恐れられている加藤が俺のことが好き?そんなわけないわ。今は、『私のせいでケガさせちゃったかも。看病しなきゃ』みたいな感じに決まってる。きっと、そうだ。ああ、なんだモテ期来たわけじゃないのか。残念だ。
●鋭いのか、鈍いのかよくわからないが、大橋は良いところをついていた。しかし、素直になれない加藤によって、加藤が抱く想いに気づくことができなかった。二人の関係は一体どうなるのか‼なんて、次回予告っぽいことを言ってみたが、次回もこれまでと変わらぬ日常回になるであろう。続く‼
よろしければブックマーク、評価ポイント、感想をくれると非常にうれしいです。また、こういう話を書いてほしい!というものがあれば感想欄に書いてください。
そして、この話が良かったぞ!と思っていただけた方はいいね!をポチッと押してもらえると励みになります。




