第37話 大事なのは内側?それとも外側?
結局、友情なんてあってないようなものだ。漫画とか、アニメとかにあるような感動シーンなんてただの日常の中で起こるはずもない。非日常になって初めて大きな意味を持つのだ。だから、俺は変な期待を抱くべきではなかった。
「悪かったよ、大橋。ちょっとしたネタ、ジョークのつもりだったんだよ」
「ネタと思えない大橋……。真に受けてしまう大橋……。なんかピンと来ないな。今日、調子悪かったりしないか?」
「何の話?」
筋肉くんこと、伊藤響と眼鏡くんこと、眼鏡くん。二人は俺の友人だった。過去形なのは第36話を読んでくれ。それ見ればわかるから。
●読者に少しでも読んでもらい、閲覧数を稼ごうとするあくどい所業。作者の最近の悩みとして、閲覧数、思ったより伸びないなー。なんでかな?結構自信あったのにー。と口には出さないものの、心の中で叫んでいる今日、この頃。なら、小説書いて更新頻度を上げろと言いたいところであるのは置いておくとして。
色々あって、大橋は左手を骨折している。それをネタにされたことに腹を立てているというのが今の状況である‼
教室に着き、俺は右手でリュックを机の横についている取っ手にかけると、伊藤と眼鏡くんの方に向かう。なんやかんや友人は友人だ。一度の過ちを責め続けるのは人としてどうなのかと思う。ここは広い心で受け止め、まあ、誰しも間違うことはあるよね、しょうがないなー許してやるよ。こんなノリで先ほどのことを水に流すのがイケメンのやることだろう。
「大橋、今日って部活休みか?」
「休みだけど、一応、病院行くことになってる」
「病院かー………ちなみにだけどそこの病院に美人のナースっていたりしねぇかな?」
やっぱ、許すの止めようかな。全然、反省の色が見えねぇよ。
「そんな主観的な話はあまり意味はないと思うかな。大橋、ナイスボデーのナースはいたか?」
「結局、同じこと聞いてんじゃねぇか‼」
やっぱ許さねぇ。期待は全く関わりのない人に対して抱くべきものだ。今分かった。だって、全く関わりがなければ裏切られたなんて思わなくて済むから。
「同じではない。ナイスボデーであるかは主観によらずに客観的に判断できる。つまり、ボンキュンボンであるかを判断するだけだ。この世の中のナイスボデーはこのように定義、いやデフィニションされている」
もういいや。面倒くさい。
「そんなこと、覚えてないよ」
「はあ……覚えていない=印象にない=ナイスボデーのナースはいない、ということか。大橋、悪いことは言わない。行く病院を今から変えるべきだ」
「失礼なことを言うんじゃない‼そんなにスタイルを気にしてたら何もできないだろ‼大事なのは中身だ」
「いや、外側も大事だろ‼胸小さかったら、どれだけかわいくても『胸ちっさ』って思うだろ?どれだけぶっさいくでも胸が大きかったらちらっと胸に視線がいくだろ?世の中、そういうもんなんだよ」
「さっきから世の中、世の中って主語デカくするな。お前らは神様か?」
「神になりたいとは思う」
「そんなこと聞いてねぇ‼」
「良太」
「なんだよ」
俺は後ろに振り返ると、加藤が立っていた。いつの間にか伊藤と眼鏡くんが黙り込んでいる。あれだけ騒いでいたのに加藤が来た途端これだ。
「どうかしたか?」
「その……左手、大丈夫かなって気になって」
「問題ないよ。ほら」
俺は左を加藤に見せつける。見せつけるといっても包帯巻き巻きの状態で見せても不快な気分を与えそうだけど。
「なにか不自由はない?手伝うよ」
「いいよ。風呂のとき、ちと物落とすくらいだから」
「そ、そう。何かあったら言って。手伝うから」
「わかった。そのときは、頼む」
「うん」
加藤はそれだけ言って、自分の席に向かった。俺は伊藤と眼鏡くんの方を向くと、
「よ、よく女子としゃべれるな」
「とてもではないけどできないスキルだ。まさか大橋はトークスキルをカンストしているのか?」
「マジでなに言ってんの?」
非日常から日常。骨折したけど、俺の日常はこんなもんだ。
●続く。
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