8、いっときの休息
午前4時半を回った頃のホテルの305号室。私が部屋に入ると既に4人の友達が揃っていた。
ピンク髪の明莉、黒髪ボブの凛、金髪でセンター分けの祐輝、そして黒髪で姫カットの美羽。
テーブルの上にはセブンイレブンのレジ袋が3袋積み上げられていて、横にはポテチにパイの実、大量のストロングゼロが置いてある。
私はベッドに腰を下ろすなり、祐輝からストロングゼロを手渡された。缶を開けて一気に半分以上飲むと、プハァッと爽快に息が漏れた。
「今日マっっジでエグかった〜」
明莉がその言葉に反応し隣に寄ってきた。
「な〜に?どしたの?話してちょ!」
私はポテチの袋を引き寄ながら天井を仰いだ。
「40代くらいのおぢだったんだけどさ、外では真面目ぶってんなぁって思ってたんだけどホテル入ったら急に態度変わって〜、」
ポテチを2、3枚口に入れてストゼロで流し込む。
「『中に出したいよぉ…いい?』とか言われたし、イくときゴム外そうとしてきてさ」
凛が眉をひそめてストゼロを飲み、私にツッコんできた。
「は?マジきっしょ!」
「外す寸前に気付いて、『何してんの!?』ってキレたら『”サキ”ちゃんホントはこういうのが好きなんでしょ?』ってさ。まぁ結局中に出されたけど…」
私は自虐風に言いながらパイの実を1つ食べた。
「…。」
それを聞いた美羽は何のリアクションも返さない。
明莉が私の肩をぎゅっと抱き寄せた。
「え、咲優ピル飲んだ?」
「一応飲んだ。でも安全日だったし大丈夫っしょ」
私はそうあっさり答え、ストゼロをもう1缶開けてグビッと飲んだ。
強い炭酸が喉に刺さる。
祐輝以外の3人はそれぞれ「いるわ〜そういう奴」や「私もこの前似たようなおぢの相手したわ!」と愚痴を漏らした。
皆同じような経験を重ねてきている。それを笑い話に変えたり酒やクスリに頼ったりすることでなんとか心を正常な形に保っている。
それに私に関しては、ここにいる友達と酒とタバコとお菓子だけが救いなのだ。




