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5,事件思ったより深刻そうです


 「はぁぁぁぁ…エリーゼちゃん……君は一体何に好かれてるの」


 開口一番、そんな言葉を投げられた。私にもわからないんです。何で面倒なことを引きつけるのか。二度目の人生歩ませてもらったからこの程度我慢しろとのことでしょうか。



 生まれてすぐ母親を亡くしかけて、婚約者を亡くしかけて、夏祭りに行けば誘拐に遭遇して、2人の王を助ける代わりに声を失って、入学したら逆恨みされて殺されかけて、ハッピーセットで呪い付き。


 覚えているものを整理しただけで凄い肩書きだなと思う。しかも私、まだ12歳。一生のうちに経験するかしないかの事件をたった12年で経験した。この分だとまだまだこれからもあるんだろうな。



 「今回のこと、リスト殿下は関係ないと思う。エリーゼちゃんを殺してもデメリットしかない。激怒した精霊に国を滅ぼされて即位どころじゃない。

 特別な力も手に入らない。コネクションも手に入らない。良くて廃嫡悪くて死だ」


 〈そうですよね。でも、逆恨みであそこまでする理由がわからないんですよね。別の理由があったんじゃないかって。それに操られていたとも思えません。操られたならブレスレットが壊れることは無かっただろうから〉


 「ん〜。何か怪しい動きがあったらわかるだろうし、裏で手を引いた人間がいるなら本当に自然に男達をその気にさせたんだよな」



 うーん。わからんな。高位貴族とのコネが欲しいなら逆に必死こいて媚売ってきそうだし。純粋に私が邪魔で排除したかったのかな。


 「その可能性はあるね。エリーゼの仮説が本当ならかなり影響力のある人間が裏にいるはず」

 またキースに心を読まれた。ほんと特殊能力。

 「シルス兄さん、今回事件に関わった人達ってどういった処分にするんですか。僕としては半端な処分じゃ納得できない」



 エルシーが拳を青くなるほど握りしめて言った。血が出ていてもおかしくないくらいに。寧ろ無傷だったら凄いレベルで。声には怒りが滲んでいた。


 「他国なら死刑だろうね。でもこの国は死刑制度がない。執行する者の精神面を考えたら当然だと思ってのことだ。


 一つ、本人は終身刑、家族は爵位剥奪。これは何があっても永遠に取り戻せない。


 二つ、本人は無賃で強制労働、家族は爵位剥奪。これに関しては取り戻すことはできる。有能だと判断できればね。


 そして、最後に戸籍から排除して家族もろとも国外追放。親戚も継がず、空になった領地は分割して合併になるね。



 当主、嫡男が有能なら無賃で死ぬまで徹底的に使い潰せば良いさ。ま、飼い殺しだね。女は修道院送りでも良い。国境の守り手は国としても大切なんだ。多少酷く扱っても黙認してあげる。僕の国で好き放題しやがって」



 シルス様の口から次々に吐かれていく毒。今までにないくらいに怒っている。多分、私でなくても国民が殺されそうになったり実際、実行に移されたなら被害者が貴族でも平民でも同じやり方で鉄槌を下すだろう。


 クソ野郎。


 その言葉は辛うじて飲み込んだようだ。

 「明日から更に忙しくなりそうだ。皆、覚悟しておいて」



 ほぼ休みなしで容赦なく仕事を押し付けるよということは誰もがわかった。そして来る前にわかったのだが、私が抵抗できたもう一つの理由は髪留め。

 ライの加護が付いていて攻撃はできないが攻撃に対して多少の防御や抵抗ができるみたい。



 翌日から学園は休みになった。恐らく体育祭も中止。他の科は決まったようだが流血騒ぎで騎士科は決まらずあの場で一番身分の高かったレイ様とイナ様が仮で就いた。

 まあほぼ確定だろう。因みに魔法実習棟はエイ兄さまとエルシー。会長は最高学年の人なので私にはわからない。



 学園が休みになって数日。エイ兄さま達はバタバタしているが相変わらず私は引き篭もり生活をしている。


 朝、起きて全員分の3食を作る。ほぼ監禁状態なので配達員はヒスイ。魔力で抵抗しているのでその量を増やす練習。あとは趣味のピアノと絵。


 昼、ご飯を食べ終わったら剣の練習。今回みたいに複数人に囲まれる可能性を考えてヒスイとキースに相手を頼んだ。微妙そうな顔をしながらもヒスイは剣で、キースは魔法で攻撃してきた。大怪我は負わないだろうがもし怪我してもキースかコーリッシュが魔法で治してくれるので最悪の事態にはそうならない。

 戦闘用スイッチをポチッとした状態で戦ったのであの時より格段に体が動く。まあそうなったところで王2人組に勝てる訳はないが。


 夜、風呂と食事を済ませてアリアが洗ってくれた綺麗な布団にダイブ。と同時にスヤァ。



 こんな生活だ。エイ兄さまは帰って来てはいない。ユリウスも心配していたがこちらからは何もアクションを起こせない。もし城に行っても首根っこ掴まれて屋敷に連れ戻されるのがオチだ。それなら大人しくしておいた方が仕事を増やさなくて良い。ということで、寝る。


 寝る暇もなく事後処理やら何やらに追われている人達を想うと申し訳ないが仕方ない。夢の中で謝っておこう。


今回の登場人物


・エリーゼ・ガーナメント(12歳)

・エリオット・ガーナメント(15歳)

・エルシー・ウォルフラン(15歳)

・シルス・ウォルフラン(22歳)

・精霊王キース

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