鬼王VS悪魔〈中編〉
悪魔は翼を力任せに引きちぎり、ちぎった翼を適当に投げ捨てる。
「何を?」
『ぐぅ、ぐっ、がはあ』
翼を失った悪魔は翼の根元の再生を止める。
「再生力を翼に回さないようにしたのか?」
『そうだ。それに、地上戦で翼は邪魔なのでな。これで、お前に勝ち目はないぞ!』
「またそれか?何回も言うがな、お前みたいな雑魚魔王の部下なんて俺の敵にはならないんだよ」
『貴様!貴様!きさまー!またしても魔王様を馬鹿にするのかぁぁあああ』
「喚くな、ゴミが」
『しねぇ』
悪魔は地を蹴って鬼王に肉薄する。
悪魔は魔力を右手に集中させて打撃で鬼王に攻撃するが、鬼王は血気丸を悪魔の拳の盾にするように構え、血気丸にもう片方の拳を刀身を抑えるように添える。
ズドォォォオン
衝突音が響き渡り、鬼王は近くのビルに飛ばさせる。
ビルのガラスは既に衝撃波によって割れており、鬼王はビルの中を転がる。
ビルの中に設置して会った物を次々に破壊していく。
「翼の再生力のエネルギーを使わなくなったぐらいでここまで攻撃力上がるか?くっそ!痛てぇ」
『ぐばぁああああ』
「ありゃあ獣だな」
さすがに煽り過ぎたと後悔する鬼王。
鬼王はさっきの打撃で痺れて少し硬直し動けないでいた。
「まあ、殺されても死なないから良いか?」
鬼王は少しの悪足掻きをするために体内の魔力、『気』を掻き集める。
一点に集めた魔力や『気』を爆発させて自爆をするためだ。
「そんな事はする必要はない」
「なっ!」
悪魔が高速で鬼王に向かって来たがその進行を『人狼』が止める。
「動けるなら場所を変えるぞ」
「ああ、上に行くぞ」
鬼王は血気丸を杖変わりにして立ち上がり動き易いであろう屋上を目指す為に動き出す。
「バーサーク」
バーサークを使用して能力値を上げる。
「⋯⋯今の身体に血なんて無いけどきちんと使えるんだな。⋯⋯一体何を触媒にしてるのやら」
そんな事はどうでも良いと思い頭を振って、鬼王は上を向く。
「切り裂け!」
特に技を発言させる訳では無いが掛け後は必要かと思った鬼王は気合いと共に叫ぶ。
血気丸を振るって、屋上までは届かなかったが13階ほどまでは切り裂き道を作る事が出来た。
「人狼、後でこい」
「いや、先に行く。俺一人では奴の相手は無理だ」
「え、ちょ、ちょっと待てよ!速いな!いつから来てたし!」
置いて行かれる前に鬼王も跳躍して各階層の地面の切れ目を足場にするようにぴょんぴょん飛んでいく。
勿論、悪魔も追いかけて来る。
悪魔は足に力を入れ、魔力を込めて跳躍する事によってすぐに追いつく。
鬼王は斬撃を飛ばしながら悪魔の進行を妨害しながら階段の方に向かっていく。
今はバーサークを解除した状態だ。
エレベーターなんて使えない。天井を切るにしてもその前に悪魔に追いつかれる。
なので、階段を目指している。
ここのビルはどこかの会社だったようでパソコンが並んでいる。
しかし、パソコンの画面は割れ、配線はちぎれ、中には人だと思わしき『物体』や赤い水、阿鼻叫喚の絵図となっていた。
そんな事に構っている暇はなく、鬼王達は苦虫を噛んだような顔をしながら階段を目指す。
悪魔は当然追いかけるが、知性が無いわけではなく、足に力を込めて駆ければ追いつく事は容易だが、その前に床が崩れて落ちてしまうので普通に走っていた。
前にあるのがパソコンだろうと『物体』だろうとなんだろうと関係なしに突破していく。
その所為で破壊音や骨が折れるような音まで響いてくる。
「ぞんざいに扱うなよ。全く」
「悪魔だからそこら辺の感性が無いのかもな」
鬼王達は次の階層に行ける階段を見つけ、すぐさま登っていく。
「階段は切っておくか」
階段を登り、1階登ったら階段を破壊していくのを繰り返していく。
「くっそ、なんで最後まで繋がってないんだよ」
「知らん!急ぐぞ」
階段は20階までしかなかったのでまた、違う階段を探す事になった。
廃ビルと成っていているところに『人型の狼』と『角の生えた青年』が一緒に走っているのはとても、シュールだ。
悪魔の破壊音が響いているのでどこら辺にいるのか予想が建てやすかった。
「大ビル貸し切り鬼ごっこかよ。豪華だな。⋯⋯せめて、楽しければな。⋯⋯後、綺麗な状態だったら良かったのに」
「無駄口叩くなよ鬼王よ。それに、鬼が逃げてどうする」
「はは、確かにな」
「そろそろ来そうだな」
「ああそうだな。あいつ、壁を登っているのか?スーパーヒーローかよ」
「俺達もやろうと思えば出来るけどな」
「まあな。と、そろそろか」
鬼王は1度止まり、後ろを振り返って両手を通っときた道の方へ掲げる。
「炎よ、塊と成りて、燃やし尽くせ、【爆炎弾】」
極大の炎の球が辺りを溶かしながら進んで来た道を戻っていく。
「これで足止め出来たら良いんだがな。あいつ、怒りであそこまでパワーアップするのかよ?それとも元々力を隠していたのかな?」
「それよりも行くぞ、あの魔法はシステムの魔法か?」
「違うな。システムにもある魔法だが、システム外の魔法として使っている。システムによって進化しているであろうあの悪魔にシステム由来の魔法を使うのは特作じゃないからね」
「理由は分からんが、分かった」
鬼王達は再び走り出す。
今の鬼王には走っている方向と真逆に階段がある事を知る訳がなかった。
一方鬼王達が階段を登り終えた時の悪魔は、壁を走って登ろうとしているが、階段が適当に破壊されただけだったので階段の残りが壁にあり、登る途中途中で足止めをくらっていた。
時には登るのに失敗して1からやり直した事もあった。
何時もは飛んでいるので走る事には慣れていなかったのだ。
(クソクソ、あの雑魚が!面倒臭い真似をしよって!あまつさえ、魔王様の侮辱を!許さんぞ!絶対にだ!)
悪魔は敬愛している魔王が侮辱された事を自分の事のように怒っていた。
否、自分が侮辱されるよりも魔王が侮辱された方が怒る。
それ程までに忠誠心が高いのだ。
しかし、悪魔は心の何処かでは今の魔王は違うと思ってしまう時もある。
『魔王様の、『本物』はどっちなのだ』
今の魔王か、違う魔王か、どっちが正しく、どっちをは数回頭を振って、迷いを取り払い。
『どちらでも良い!我は魔王様に忠誠を捧げるのみだ。その為にも、魔王様を侮辱した低脳で無能で、雑魚の「鬼」を殺すッ!』
鬼王の事を勝手に『低脳』『無能』『雑魚』と決めつけている悪魔で会った。
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