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聖女もどきと模造勇者  作者: 岡本
第六章 アウェイクニング
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53話 『這い出る意思』

 ゆらりゆらりと景色がねじれ、うねり、おぼつかない。

そもそも、彼(・)にとっては見覚えのない場所だ……しかし、不思議と現実味を感じる。

彼はある種強制的な瞑想状態にあった。

夢の中の夢、彼(・)の中の彼。

一部の隙もなくダークスーツを着込んだ彼を囲むのは上等な絵画のかかった白い壁、白いテーブルクロス、美しいワンポイント刺繍の入った白いテーブルナプキン、向かいには白い女性。


「これで最後かもな」


 彼は愛しい同席者を不快にさせない程度に眉根を寄せてアイロニックに呟くと、優雅にグラスを傾けた。

わずかに緑がかった黄金色に輝く冷たい液体が、パワフルなミネラル感と凝縮された果物の香気を振りまいて喉に流れ込んでゆく。

濃厚ながら滑らかに消えてゆく心地よい香りと酸味。

程よく熟成された至高のブルゴーニュの白は、単純な味もさることながら、口中に残存する料理の残滓を洗い流す力の高さが何より優れている。

彼の大好物である、くどいほどに旨味の濃いヒラガキの最高の相方だ。

……無論、値段も相応に。

軽く目を閉じて金額と味覚両方の余韻を楽しんだ彼は、再びフォークを手に取り、まだ湯気を立てている大粒の焼き牡蠣をすくい取って頬張った。

わずかに渋みを伴った強烈な滋味と、負けず劣らず力強い香草バターの風味が幸せに広がる。

反対側で、同じくワインをひとすすりした女性が物理的に甘い息を吐いた。


「貴方はいつもそうよね、最後だから、最後だからって好きなもの食べて、結局帰ってくるの。

無駄金ったらありゃしない」


 言葉とは裏腹、女性は楽しそうに笑った。

彼(・)の視点からは、顔の造作ははっきりとしない。

だが、安心感はある。


「……すまんな、本当に。

だけども、おれは、いつでも今日が最後だ、と思っている。

そうでもしなけりゃ、この稼業はやっていけんのさ」 


 彼は再びグラスを傾けた。

スウィッチ、視界が切り替わる。


 BLAM! BLAM! BLAM!

通路に響く罵声と銃声、そして煙と臓物の匂い。

彼は荒い息をついた。

足元はおぼつかず、戦況はまったく不安定だ。

血が足りないが、まだ眠るわけにはいかない。

起爆だ、何のためにここまでやってきたのだ、中(・)か(・)ら(・)起爆しなくては、マルセイユの皆が危ない。

これはけじめなのだ。


(もっと、うまいもん食いたかったなあ、あいつにも、もう一度……)


 彼は難儀してバックパックをおろし、よろめき、へたり込んだ。

時間がない。仲間はもう離脱しただろうか。

知ったことか、どうせいつかは死ぬ。

彼は、バックパックから取り出した装置のボタンを次々と押していった。

遠くから爆発音が聞こえる。

そうして、彼は。


(J'aimerais revenir.)

(Revenir.)

(Revenir.)

(Revenir.)

(Revenir.)

(Revenir.)


(Regagnez.)

(Regagnez.)

(Regagnez.)

(Regagnez.)

(Regagnez.)

(Regagnez.)


 意識が、混線する。


(*******!)


(なんだよ)


(Réveillez-vous.)


(眠いって)


(Réveillez-vous.)


(ああもう、わかったよ)


(Je suis Déluge)


(デリュ……誰だよ)


(いいから起きなさい、と言っているでしょう)


 ぱちん、唐突に彼(・)の意識がはっきりする。

周囲は改造された金黒の瞳をもってしても暗くて遠くは見えず、歩くこともできない。

かろうじて体の存在と、何やら硬い床に座っていることが感じられる。

彼は、サンカントは腕を持ち上げ、掌を見た。

なじみ深く力強い己の掌だが、実体が感じられない。

視界がぼやけた。

何かが引っかかる……と、彼の前に少女が出現し、歯を見せて微笑んだ。

やや長い指と鋭い爪、浅黒い肌、一本一本は太いが黒く滑らかで美しいロングヘア、尖った耳、牙が覗いた口。

身長およそ三フィート半、典型的な竈の商人族(ゴブリン)だ。

右の瞳は“怪人”の金と黒だが、左の瞳はノーマルな茶色の虹彩と白い強膜であり、何やらアンバランス。

どうやら先ほどからの声の主だったらしいその可憐な少女は、ふわりふわり浮いている。

サンカントは実体の無い腕で実体の無い目をこすりながら少しの間考え込み、あっと声を上げた。


「起きた、起きたって…………え、あ、ああ! なんでお前、居るんだ!」


「何でって、失礼な。久しぶりですね、どう呼ばれたいかな? 050番、サンカント、*******?」


 浮遊する少女はにこにこと笑っている。

サンカントには全く理解できない。

彼(・)女(・)がいるわけがない、一年以上前に死んでいるはず。

しかも、彼(・)女(・)のそれ(Il)を喰らったのは、サンカント自身。

食われたそれ(Il)は、僅かの記憶を残してサンカントの魂と、先代勇者の欠片にわかれ、溶けて消える。

今まで、すべてがそ(・)う(・)だったのだ。

彼は不安と困惑から後ずさろうとしたが、やはり体は動いても移動はできない。

意識のみがある、隔離された非物質世界。

“声”が遠く、遠くに響く。

ああ、そうか。


(Regagnez.)

(Reg……a…………)


「おま、え、どう、して、サンキエム、所長! いや、デ……ディ……なんだっけ……」


「ふむ、どうして、ときましたか。あ、私の名前、覚えていてくれたのね、良かった良かった。

……質問の答えですが、その捕食システム、勇者コード回収機能を貴方に刻んだのは私ですから。

元々、貴方が戻ってきたら私のそれ(Il)も組み込むようにしてあっただけです。

上手くいってよかった、まあ自意識の完全復旧と分離にはずいぶんと時間がかかりましたけど。

ほら、もう少し思い出せるでしょう?」


 不思議なオッドアイがサンカントを見つめる。

サンカントは、頬を何かが伝うのを感じた。

熱い涙は、途中で構成を失い不可解なプログラム言語に変換されて暗黒空間に消えてゆき、代わりにサンキエムの、******の持つ記憶の一部が注がれてゆく。

そうだ、あのときも、それ(Il)を食べたときも同じことを伝えられたのだ。

何故、忘れていたのだろう。

不思議なことに、記憶が絡むと必ず出てくる“勇者”の意識が感じ取れない。

溢れ出す。


「え……あ……あ! そうだよ! デ****……デリュジ*……デリュジュ姉ちゃん!

でも、なんで? いや、なんでじゃない、俺は、俺はここから出なきゃ、起きなきゃいけないんだ」


「説明するから、落ち着きなさい。

それに、貴方の肉体と魂は強力な干渉を受けていて、解決するまでは出られない。

現在人格基盤の崩壊と回収勇者コードの排出を防ぐために意識と魂の一部を、私の勇者コードを用いて分割し、隔離してあります。

対量子魔力コマンド用の障壁が完成して侵食が止まったから、貴方は今こうして私と意思疎通できる。

ちなみに今は肉体乗っ取りを受けてから九日目、場所は私の怪人時代の情報が間違ってなければフォルティ森地下保管所です」


「あ、はい」


「さて、どこから聞きたい? 私も、怪人になる前の魂メモリは途切れ途切れだし、全部は無理だけれど。

気が付いたら昔のことや、ランシス村のこととかはだいぶ忘れていたから」


「えっと、できるだけ」


「よろしい。その前に、一つだけ決めてもらわないといけない。

そうしないと、力になれないから。

……魂の在り方を、名前を決めなさい、サンカント、私の可愛い弟だ(・)っ(・)た(・)ディゼット」


 デリュジュかつサンキエムである幻影は、サリサリ点滅しつつ、幻影の掌で幻影のサンカントを撫でた。

それは愛撫でもあり、また魂への命令でもあった。


「…………なあ、俺じゃなく、他の奴とかって」


「残念だけれど。それに、ランシスに若い竈の商人族(ゴブリン)は元々私達の家族しかいなかった。

貴方も見たでしょう、台帳」


「違う、俺と一緒に、居なかったか、俺の、恩人なんだ」


「全てを把握しているわけではないけれど、ビオス細胞の定着には時間を要する」


「俺は……」


「時間は、戻らない」


 渦巻く感情が、隔離空間で反響する。

彼は不安定な状態にあったが、思考能力を失ってはいない。

彼は障壁に守られていた。

しばらくの間、彼は不可視の暗い壁にもたれかかり、今の彼と古い彼の断片と彼(・)と彼女を観察していた。

そして彼は。


「…………俺は、俺は、サンカントだ!!」


 魂の叫びが、壁を震わせる。

世界がクリアになり、視界が安定し始めた。

ザリザリザリ、微笑むサンキエムの幻影が白銀の糸となり解けて消えてゆく。


「人格基盤の安定化を確認しました。障壁内広域化と量子魔力コマンド逆送信準備を開始します。待機時間は*********」


「え、おい、ちょっと待て姉ちゃん、質問の答えは」


「肉体との仮接続に成功……情報収集能力の限定開放を行います。ワンマインド・マルチタスクの活性化を行います。

量子魔力コマンドの活性化を確認しました……隔離に成功しました……神経探査攻撃を確認しました……ダミー回路に誘導しました……ビオス細…………」


「おい!?」


「二日後解放予定」


「おいいいい!!」


 それ以上の回答は無かった。

仮想空間内を溢れる情報が覆い、意識が拡散する。

サンキエムと入れ替わりで、“勇者”がサンカントを包む。


(Regagnez.)

(Regagnez.)

(Regagnez.)

(Regagnez.)

(Regagnez.)

(Regagnez.)


 一度ブラックアウトしたサンカントの視界は、すぐに戻ってきた。

目を開いた現実世界の肉体は、肩に何やら装置が刺さっている以外、前と変わりない。

四肢を固定していた様々な器具が解除されてゆくのが見える。

小型の怪人保持装置から起き上ったサンカントの肉体は、何やら喋りつつ機械を操作し、クリスタルモニタに出た情報を書き写している。

恐ろしく事務的な、どこかで聞いたことのある声。

一通りの作業を終えたらしい肉体の操作者が服を着てゆく。

物理的な感覚は全くないものの、以前と違ってサンカントにも鮮明に物が見える……ただし、どうやっても意思を肉体に伝える事はできなかった。

どうやら、彼に認識できないところで何かが進んでいるらしい。


(ダメだ、身体、動かねえ。見える分だけ覚えとくぐらいか)


 彼の観測者生活が始まる。

寝て起きて、寝て起きて……何も変わらない。

不可思議なケミカル照明が印象的な長い長い地下通路を歩き、訓練あるいは試験に使われていると思われる空間で一通りの固有形質を使ってデータを取り、瓶入りの白い錠剤を青い飲み物で流し込む。

それを起きている間に三回繰り返し、元の小部屋に戻って保持装置で目を閉じる。

時々目に入るクリスタルモニタの隅に表示されている時刻と日付により、“見るだけ”のサンカントにも肉体が定時に覚醒し、定時に休息を取っていることが理解できた。

“二日待て”と伝えられてから、今日で四日目。

何も、変わらない。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 薄暗い広間で、ひゅうひゅうと掠れた息遣いと低い機械振動音が不快なハーモニーを奏でている。

振動音の発生源は巨大な供犠台じみたシルエットの機械式生体保持装置、吐息の発生源は装置の中央に全身を固定された奇妙な女、リュミエラだ。

奇妙な、などという形容詞を曲がりなりにも“聖女”じみた顔の造作と透けるように白い肌を持つ女に付けるのは無礼かもしれないが、事実尋常でない姿なのだから仕方がない。

竜爪剣(ドラゴンソード)を骨として変性した左腕は緻密な真紅の鱗で輝いている……これはまあ、普段通り。

しかし、脚の付け根から腰を保持装置に留める金属固定具を含めた、腰から上腿にかけての全体が青色の粘性物質で覆われて不気味に脈動し、さらに左の脚が上腿の中央辺りで切断され、所々チューブが接続された金属部品が大きな鱗かなにかのように痛々しく生えている。

左腕を除いた上半身は古い傷跡を別にすれば真っ白い肌で、髪も見事なシルバーブロンドであるため、ことさら青と赤が目立って歪なトリコロールカラーのオブジェと化してしまっていた。

実際のところ切除された左脚以外に大きな異常はないのだが、少なくとも外見上ヒトとは、いや、まともな存在とは思えないだろう。

渋い表情を浮かべて装置の脇に立つ白衣の男怪人トレジエムが、付属モニタと荒い息を立てながら眠る被験者を交互に眺めた。


「ううむ、結局そのまま覚醒するのか……」


 怪人の溜め息とほぼ同時、モニタに映る各種数値が変動し、動き出したリュミエラが全身各所を押さえつける鈍色の拘束具をガチャガチャ鳴らした。

遅れて目が開き、妙に艶のある押し殺したような声が響く。

単に魔力薬物で意識を失った状態からの覚醒で発生する、脳と魂の違和感がそうさせたというわけではない。

左上腿の切断跡を中心として下半身にへばり付き脈打つビオス細胞塊の蠕動と、下腹部や背筋をはじめとした身体各所の有線粘着パッドを通して送られ続けている、微弱なパルスが原因だ。

肉体機能や傷の保持回復と魂機能の阻害を行う二種の刺激の蓄積により、快不快混ざり合った形容し難い感覚が澱のように溜まり、筋肉組織と消化器系の緊張や収縮、肌の紅潮が発生している。

呼吸の不安定さは、パワーソース切れで本来の彼女ならば必要ない酸素を代謝に回しているせいと、不気味かつ非人道的な負荷を緩和しようと本能が試みているせいだ。

優秀かつ異常な戦士らしく、意思では抑えられなくなりそうな肉体をとりあえず放置し、精神のみを落ち着けたリュミエラがせめてもの抵抗とばかりに不満を漏らす。


「あ……ぐぅ……ぁ、最悪、う゛、あんた、なんか、嫌いよ、ああ゛あ゛、本当に脚が、クソ、返せ」


「冗談じゃない、こちらとしても、最悪な気分なんだがね」


 被験者の危うい息遣いと罵声に対し、トレジエムが露骨に怒りを滲ませた言葉を吐き捨てる。

常人ならば庇護欲か生理的嫌悪感を、サディストならば激しい情欲を抱くであろうリュミエラの様相だが、ヒトの雌の挙動などに全く何の興味も無い怪人研究者にしてみれば、己の実験が残念な結果に終わっただけなのだ。

実に、実に心の底から残念そうな様子が恐ろしい。


「全く、定着せんだけならまだしも侵食すらせんとは、ビオス細胞とは別のアプローチが必要だ。

うむ、博士も万能ではないという事かね」


 神妙な顔をして勝手な事を喚くトレジエムが、滑らかな長手袋をはめた掌に何やらどろどろとした薬液を掬い取り、煩悶するリュミエラが束縛されている台座の横に立つ。

ふと怪人と視線が合った彼女はその瞬間、全身を苛むパルスと蠕動をも忘れて目を見開き凍りついた。

先日左脚が切断された時と、全く同じ表情!

罵声は完全に無視され、薬液まみれの十本の指が肌に触れた。


「や、やめろ、殺、す……う゛……お゛……おな、か、やめぉお゛ぅっ!! お゛っ!  お゛っ! あ゛ぁ、あぐ、げぼっ」


 腹筋が引き攣った白い腹を指が這い回り、薬液がぐりぐりと塗りこまれてゆく。

元々限界近辺で堪えていたところを、圧覚と冷覚で構成された甘美な刺激にかき回されたリュミエラは、余剰分を太い呻き声と体液に変換して上下から吐き出した。

既にあらゆるものを見られているとはいえ、わざわざ敵に醜態を晒したくなどない……だが、少しでも感覚を逃がさないと理性が蕩け落ちてしまう。


「煩いぞ黙れ魃(ひでりがみ)、ビオス細胞を剥がすだけだ」


「ぐ……う゛ぅ、ざっけんな、ああ゛……好きで声出してんじゃあ゛っ! あ゛っ! う゛あ゛っ! あああ゛……ない゛い゛ぃ……」


 上腹部から始まって腸骨の間まで達した手はそこで一旦停止し、粘りつく青いゲル状物質を押し退けるように力を込めた。

ぐちゃりぐちゃりと泥をこねるような音と共に、冷たい掌が肌に沈み込む。

怪人にとっては全く何の他意も無い、単なる実験の後処理の一環。

だが、妨害パルスで痙攣する下腹部を粘液に擽られながら強烈に圧迫されたリュミエラと、専用の忌避剤が大量に塗られた指が挿さったビオス細胞の塊にとっては堪ったものではない。

薬を浴びた青い粘質が痛覚でもあるかのように滅茶苦茶に蠢動し、複数の発生源から耐えられる一線を遥かに越える刺激を受けたリュミエラも僅かなタイムラグの後、意味のある思考を全て投げ捨てて全身を痙攣させながら絶叫する。


「――――!? んぎゅあアああ!! やめ、っう、あ゛が、ががが、お゛ぉぁー……っう゛、あお゛ぉ……っお゛……おげえぇ! あ゛あひ、ひい゛っ! うひ、い゛……ぐぁ……もお、もうや、あ゛、い゛や、あア゛ァアア!!」


 だが、トレジエムは全く関知せず。

二つの実験対象が起こすある種末期的な挙動を適当にいなしながら、生きた青い粘質、ビオス細胞塊を肌から淡々と引き剥がしはじめた。

不随意に跳ねる筋肉に反応して保持装置が妨害パルスを強化し、更に負荷が増す悪循環が繰り返される。

さらに青い粘質も危険なトレジエムの手に抵抗して拘束具や肉の隙間へと移動するため、除去それ自体も遅々として進まない。

しばらくして、声を出す気力も漏らすことが可能な体液も涸れたリュミエラが白目を剥いて喉と腹を弱々しく痙攣させるのみになった頃、ようやく剥離作業が終わった。

……だが、事態は不機嫌なトレジエムが(無論、気息奄々のリュミエラも)予想しえない、妙な方向へと進み始めた。

唐突に広間の扉が開き、通路のケミカルな光が射し込む。

思考を中断されたトレジエムと、本能的に光源に反応したリュミエラが頭を扉に向ける。

奇妙に中性的な、よく通る声が鳴りわたった。


「トレジエム、いくらなんでも本部への定時連絡が遅すぎますよ……おい、何をやっている」


「あん? 誰だ貴様、まあいい、ここは危険だから余計な照明の光を入れるな!

…………ああ、その口調、セジエムか。 なんじゃいその姿」


「……っ……ひゅー……か……ひゅ……ぁーれ?」


 扉が、速やかに閉まった。







最近遅れ気味ですみません。

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