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『君と出逢ってから始まる物語』  作者: ガネット
第二章:新たな旅と旅の続き
8/10

第三節:Sランク冒険者

朝、目を覚ますと、心地よい風とやわらかな光が窓から差し込み、ミリアの顔を優しく照らしていた。


「んん……眩しい〜……っ」


眩しさに目を細めたままベッドから起き上がり、さっそく今日の冒険の準備を始める。

まずは髪をていねいに整えるが、頭のてっぺんのアホ毛はいつも通り元気いっぱいに立ち上がったままだ。そこへ、お気に入りの赤色のリボンを結びつける。柔らかい栗色の髪によく似合っている。

そして、ペルセウスに買ってもらったばかりの新品の装備を身に纏い、自分の頬を両手でポンッと叩いて気合いを入れた。


「よしっ! 今日も一日、がんばるぞー!」


部屋のドアを開けて一階のホールへと降りていくと、そこにはいつも通りの黒い旅装に身を包んだペルセウスが待っていた。


「おっはよー、ペル! よく眠れた?」


「ああ。さて……さっそくギルドでダンジョン探索の依頼を受けて、目的地へ向かうぞ」


(冒険! お宝! なになに、これっ!? すっごいわくわくするんだけどっ!!?)


胸の中で期待を弾ませながら、ミリアはペルセウスの手をひっぱるようにして宿屋を飛び出し、そのまま冒険者ギルドへと駆け出した。

道中、いつもなら困っている町人に気づいて手助けに向かうミリアだが、今の彼女は冒険への好奇心と胸の高鳴りで頭がいっぱいになり、ギルドへ続く道しか目に入っていないようだった。


(今日のこいつ、妙にテンションが高いな……。いつもなら遠回りしてでも人助けをするはずなんだが……)


そんなことを思いつつも、腕を引かれるままに走っていくと、あっという間に大きなギルドの建物へと辿り着いた。


「おっはよーございまーすっ! ダンジョン探索の依頼ってありますかっ!!?」


受付のお姉さんへと一直線に突撃し、食い気味に尋ねるミリア。緑の瞳をキラキラと輝かせ、思わず受付のカウンターへと身を乗り出している。


「あ、ミリアさん、おはようございます。本日はダンジョン探索ですか? ……あ、申し訳ありません。Fランクの冒険者さんには、ダンジョン探索の依頼はお出しできない決まりになっているんです……」


(うっ……受け付けて、ない……!?)


ガーンッ!!


——ギルド内にいた全員に、そんな衝撃音が聴こえた気がした。

当然、ミリアは一瞬で絶望に満ちた顔へと変わる。


「えっ……Fランクのボクには、ダンジョン探索の依頼がないってこ、こと……!?」


「ええ……本当に申し訳ありません」


申し訳なさそうに眉をひそめる受付のお姉さん。

すると、周囲にいた先輩冒険者たちからクスクスという失笑やヤジが飛んできた。


「ハハッ、いつも通り薬草採取でもしてきたらどうだ〜?」


「失くし物探しもおすすめだぞ、お嬢ちゃん!」


冷やかすような声が広場に響いた——その瞬間。

ペルセウスが静かにミリアの隣へと踏み込み、受付のカウンターを片手で叩いた。

バンッ!!

一瞬で場が静まり返り、静寂がギルド全体を包み込む。ペルセウスは低い声で淡々と口を開いた。


「……なら、俺がパーティを組めば依頼を受けられるか?」


周囲の冒険者たちは一瞬あっけにとられたものの、すぐに「なんだあいつ?」と言わんばかりに再び大笑いし始めた。

受付のお姉さんは少し困惑しながらも、丁寧な調子でペルセウスに尋ねる。


「あ、あの……恐れ入りますが、ギルドカードを拝見してもよろしいでしょうか?」


ペルセウスは無言のまま、懐から一枚のカードを取り出して静かに差し出した。

受け取った受付のお姉さんは、カードに刻まれた刻印と文字を目にした瞬間、思わず素頓郭な声を上げた。


「えっ……ええぇぇっ!!? S、Sランクぅぅぅ〜〜!? たっ、大変失礼いたしましたっ! 確認取れましたのでカードをお返ししますっ!」


「「「…………え!?」」」


周囲で笑っていた冒険者たちが一斉に言葉を失い、目を見開いて固まる。

あまりの豹変ぶりにミリアもパッと顔を上げ、驚愕の表情でペルセウスを見上げた。


「ぺ、ペル……っ!? Sランクだったのー!?」


「言っていなかったか? ……フン、ランクなどただの飾りだ。それよりも、依頼書を貰おうか」


受付のお姉さんは焦りながらも手際よく森の奥にあるダンジョンの依頼を受理し、無事に手続きを済ませたミリアとペルセウスはギルドを後にした。

「ペルって、ほんとーーーに凄い人だったんだねっ!」

「失礼なやつだな。まあ……これで依頼に困ることはなくなっただろ」


そんな会話を交わしながら、二人は街の外を目指して歩を進める。

今日はどうやら風が強いらしく、ミストラインの象徴でもある風車が、いつも通りのカラカラという穏やかな音ではなく、ガタガタと大きく揺れながら勢いよく回っていた。

二人はそれを気にする様子もなく、ミリアとペルセウスが出逢った思い出の地——『深緑の森』へと足を運んでいくのだった。

やっほー! ミリアだよ!

今回の第三節、どうだったかな〜?

まさかペルが『Sランク冒険者』だったなんて、ボクぜんぜん知らなかったよ〜っ! ペルって凄かったんだね……!

あっ、ごめんね!? ペルに「早く来い」って呼ばれちゃった! もう、怒られちゃうから行かなきゃ!

いよいよダンジョン! お宝とか眠ってないかな〜? すっごく楽しみっ!

あ、もし「面白いな」「ペルかっこよかった!」って思ってくれたら、下にある【ブックマーク登録】や【評価(★★★★★)】を押してくれるとボクすっごく励みになります! 感想もたくさん待ってるね!

それじゃあ、また次回ね〜!

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