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52話「パメちゃん先生流、訓練2」

 みんなを地面に座らせて前に立つ。


「まず、この世界の基本として火・水・風・土・光・無の6つの属性があります。でも——これは正直嘘」

「……」

「だって雷を使う魔物もいるし、私だって使える」


 みんなの目の前で、手の上に小さな雷を作る。


 自分で作ったものは、ビリビリしないみたいだ。これも不思議。


「なんで作れるのよ……」

「お前……次から次に厄介なものばっか出すな……」

「すごい……パムそんなこともできるようになったんだ」


 口を引き攣ってドン引きする者、頭を抱えて呆れる者、微笑んで感心する者。

 三者三様の反応を見せてくれた。


「何をそんなに驚いてんの?魔物が使えるんだから人間だって使えるって」

「それがおかしいのよ!!!

 あんたがさっき言ってたように6属性しかないし、教会でも雷なんて項目はなかったわ!!」


 確かにない。でもその考えはおかしい。


「それをいうなら氷魔法を使えるのもおかしいじゃん。

 水魔法の進化系みたいな感じで言われてるけど、属性にはない。

雷だってそうかもよ?」

「それは……」

「ないと思い込んでるのは、教会をみんなが信用してるからだよ。

 今更、憎き教会のことを信用しないでよ」


 あんなクソみたいな教会のこと今さら信じないでほしい。

 適正検査も、何かやましいことを隠して、あえて加えていないのかもしれない。


 あの検査の時に使う水晶は魔道具だろうし、追加しようと思えば追加できるはずだ。


 まぁ、ただ単に無能な可能性もあるけど。


「それに私が思うに、魔法は詠唱と魔力じゃない」

「なんでよ……」

「そうじゃないと通らない。詠唱と魔力が必要なら、無詠唱の人はなんで魔法を使うことができるの?」


 私は一度も魔法を詠唱したことがない。

 さっき言ったとおり、あの詠唱が嫌いだったから。


 なのに、魔法は得意。これは矛盾している。


「じゃあ、なんで詠唱するのよ……」


 これは私の憶測だ。

 ていうか全部憶測だけど。


「たぶんイメージが大事だからだよ」


 私は魔法が苦手な人は、魔法をイメージするのが苦手だと思ってる。

 前世でいうと、絵を描く前に完成図のイメージを頭に浮かべるといいみたいなやつ。


 そう考えたら、あの詠唱をする理由もわかる。


 苦手な人はイメージするのにきっと時間がかかる。


 だから詠唱には口から自然に出る言葉を持ってきて、魔法名以外は統一されているんだろう。


 これだと魔法を訓練すればするほど、上達していくって言われている理由もわかる。


 繰り返しているうちに、イメージが具体化されていき、簡単に出せるようになっていく。

 魔力のコントロールなんかは繰り返していくうちに慣れていく。


 魔力量がないとか色々問題はあると思うけど……結構あってる気がしてる。


「まぁ、これは全部私の意見で憶測だからあんまり鵜呑みにしないで」


 最後にこう付け加えておこう。

 神様でもなんでもないから、真相はわかんないし。


「あんた……意外と頭脳派なのね……」

「ちょっとどういう意味!?ばかだと思ってたの!?」


 第一声がそれなの?

 すごい!!とか天才とか褒めてくれないの!?


 すごく心外だよ!!

 私だってたまには頭を使う。


「パム、それ俺たちに話してよかったの?」


 今更、何を言ってるんだか。


「あれ?危険なの承知で私についてくるんじゃなかったの?」

「そうだけど……」

「私一人が強かったら目立つでしょ。

 だから死ぬほど苦労して訓練して貰わないと困るよ」


 ペチンとウインクをする。


 (今のは決まった…!)


「うん!頑張るよ」

「わかったわよ……腹立つけど、強化魔法を無詠唱で出来るようになったのもあんたのおかげだしね……」


 冒険者になったら危険が待ってる。

 身を守るすべになるし、教えるべきだろう。


 特にディランは、しばらく一人で行動するつもりだろうし、すぐに助けることなんてできない。


 両方とも、ひけらかす様な性格じゃないし、それに……私の憶測を知ってる人はすでに一人いる。


「お前……もしかしてこれ親父に話したか?」

「うん、バッチリ」


 そう、領主様だ。


「どおりで親父がお前のこと気にいってるはずだ……」

「あはは!『パメラちゃん、お茶しましょう』って言われて行ったら、いつも領主様私に意見聞いてくるからね」


 たまにお茶にお呼ばれして、お邪魔すると魔法の話が始まる。


 私としては、領主様とこういう話をするのは、嬉しい。

 こう見えて私も魔法を使えるのに、テンションが上がってる。


「あんた……交友関係謎すぎるわよ……」

「そうかな?」


 狸親父に、主婦のお姉様たち、それに領主様夫婦……あ、本当だ。

 11歳の少女とは思えない交友関係だ。


「話戻すぞ。それで……お前のことだから訓練方法も思いついてんだろ?」

「もちろん。気になる?でも、どうしよっかな〜」


 ニヤニヤとみんなの顔を眺める。


「気になる!!!」

「もったいぶるんじゃないわよ!!!」 

「早く教えろ」


 みんな浮き足立ってるみたいだ。

 若干偉そうなやつはいるけど、まぁいい。


「じゃあ、これだけは約束して。

 これは殺しの道具にもなるんだから、理性を持って使うこと。

 じゃないと教えたくない」


 空手とかと同じだ。

 むやみに力を振るうのは絶対だめだ。


 身を守るために教えるのであって、見せびらかしたり、人を傷つけるためじゃない。


 いつ自分たちが加害者になるかわからない。力の扱い方には十分気をつけてほしい。


「わかった」

「もちろんよ」

「ああ」


 即答したみんなに満足して頷く。


「じゃあ早速、実践訓練やってみよ〜!!」


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