Dパート
「なるほど、夜間再配は待機時間も問題なんですね。確かにお客様にもご都合があって、解決が難しいですね」
だからこそ、宅配BOXの設置や置き配が騒がれたりするんですけれども。
それで確かに負担は減ったのは事実です。
「夜間再配をやる人間は、基本的に、1人で済むようになりましたからね」
でも、0にするってのは不可能だと思います。
1でもあれば、時間は守る必要も出てきます。
再配達の大変さも、その数よりも拘束時間の方が長いと言えます。人件費云々でやっぱり、夜勤の専属者って置きづらいんですよね。また、夜勤者というのは難しいです。
「時に尾沢さんって子持ちです?」
「はい。もう10歳なんでスマホやゲームに夢中ですけど」
世の中。労働者の気持ちを考えて欲しいってのと、現場の事情も考えろってのもありまして……。
「ん?なになに?」
「我まで憐れむ目を向けるな」
根羽 + 堀山を見て
「「はぁ~~~…………」」
「「2人の部長がクソみたいなため息をつくな!!」」
これは、ここに限った話ではないんですけど。
夜勤業務ができない家庭の事情とかあったりするんですよね。子供の送り迎えとか、介護とか色々と……。で、ものすげー、酷い言い方をしますけれど。
「家庭で必要とされない人間が必要なんですよ、この時間帯のお仕事には」
「毒があり過ぎるだろ、蓮山部長!!」
「テメェ、殺すぞ!!全世界の社会人を敵に回してんぞ!!」
夜勤業務の終わりって、班でアンバランスがありますが。確実に言えるのは、早くても19時30分なんですよね。小さい子供の送り迎えとか、家庭を持ってる方々は、こーいう夜勤業務をパスできる権限があるんです。
もちろん、子持ちで夜勤業務をされている方もいます。
「幼稚園に子供を連れて行くのは、夜勤者の方が良いからな」
でも、それくらいなんですよね。別に、朝の出勤ついでに子供の見送りとかやってますし。……逆に子供を迎えたりする場合、夜勤業務なんかできないんです。
他にも仕事の関係ではなく、遠い地域にお住まいの方もまた、夜勤業務をパスできます(会社の都合とかにもよるけど、ウチの班は可)。
「だから、会社の近くに住んでて!!家庭を持ってなくて!!そんで持って一日中、暇な野郎が夜勤をやってくれるのが、この会社としては都合がいい!!」
「クソ過ぎることを言いますね!!郵便局で頑張って働いてる方が、怒りますよ!!」
事実ですもん。
夜勤をやらされる OR 会社内に残ってる方達って。残業代が欲しいのはもちろんですが、
「家に帰りたくない連中が多い」
プライベートが薄いというか、融通が利く方が夜勤業務を任されます。
「今は日勤から夜勤まで配達をしていると仰っていましたね。その人達ってもしや」
「尾沢さん、勘がいいね」
9割以上は、
独身で、家に帰っても何もすることがなくて、配達業務にも問題がない連中ばっかりなんだよ~~。
だからこそ、日中から夜勤の業務までの仕事内容が可能なんですよ~~。
「嘘をつくなーーー!!我には子供が3人もおるわーーー!!この魔王だって、既婚者をちゃんとやっとるわーー!!子供の教育費と家のローンを舐めるんじゃなーーい!!」
と、怒鳴る既婚者の代表として、堀山班長がキレてくれる。
もちろん、子持ちの方も日中から夜勤までやる仕事をしますが、……やってくれる曜日ってのは決まってるし、ほとんど合ってないようなもんです。
「な、なかなかにギスギスした職場になるんですね」
「だから、結婚はしとけという事だ。ついでに子供も作っておけ(子供がいない家庭の場合、これをよくされますよ)」
……で、班によって、配達地域の格差があるように。
班内の班員の構成によって、格差があります。これがどんな会社にもある、職場の人間関係に繋がります。班内の人間 = 自分と一緒に働く方達って言えますからね。
先ほども言うように、
「会社の近くに住んでて、なおかつ融通が利く家庭環境を持っていて、日勤から夜勤までこなしてくれる人間ってどんだけいる?尾沢さんは働く方かい?」
「自分は働いている方ですけど、……自分以上に働く方もいますね」
夜勤の専属者が難しい理由の一つ、そーいう希望で働いてくれる人材が少なく、会社にも利益が少ないこともあります。
班内の雰囲気が良い場合というのは、
曜日を決めて、
月曜日はAさん、 火曜日はBさん、 水曜日はCさん、 木曜日はDさん、 金曜日はEさん
みたいな感じになりますし、急な休みが入ったりしたら、すぐに交換ができたりするんですが。
そこまでの人数が足りないのも現状で、酷いところは
月曜日はAさん、 火曜日はBさん、 水曜日はBさん、 木曜日はBさん、 金曜日はBさん
というような、4連続以上も、1人が請け負っている職場もあります。もちろん、そーいう場合は勤務時間を少し後ろにするんですれけども……。できない職場環境もあるので、Bさんがず~~っと、日勤から夜勤までやってたりします。
そんな通しができるのも50代前半ぐらいまでで、後半になるともう、
「息切れがやばい」
身体にガタが来ちゃうんですよね。(個人差があるけど)
現場の平均年齢はもう50代を超えていて、すっごいお爺ちゃんが配達してたりもします。
人が倒れれば、余計に現場が疲弊するんで、大事に扱うものですけれどね。
「待機時間が長いってのも現場の実情でもあるし、その業務をやってくれる人材の少なさもあるんだよ」
社内政治にはなりますが、日頃から融通がきいて、仕事ができる方って、貴重です。
なので、それさえできるのなら、多くの仕事に困る事はないですよ。
お前なんかクビだーって言われる人なんて、10年以上も働いていますけど、2人しか見かけません。その2人も頻繁に交通事故を起こすわ、誤配はするわ、仕事は遅いわ、お客様と揉め事を起こすわで、……日頃から問題がある方達でしたのでね。




