拘束
昨日、投稿を忘れてました。
深夜に投稿してるので前話から読んでください
「準備完了!イツキ、離れて!」
一連の攻防でイリスの準備ができたようだ。
さて、何をするのやら。
オレは大きくバックステップをし、距離を空ける。
それは大きな隙を生み出す行動だが、オレは一瞬の躊躇もなく実行した。
案の定、隙だらけのオレに向かって虎が突撃をしてくる。
しかし、オレは全く焦っていない。オレとイリスの間にはそれだけの信頼関係があるのだ。
イリスが自信満々で出した指示だ、間違いはないだろう。
それに間違っていてもオレがカバーをすればいい、それが相棒ってやつだ。
あと少しでオレに追いつくところで、虎はその動きを止めた。
ほら、大丈夫だっただろう。
なにをしたかはわからないが、これはチャンスだ、聞くのは後に回そう。
動きを止めた虎は何かから逃れようと爪を振り回し、もがいている。
うかつに近づくと虎の爪に当たってしまう。
ならば、当たらない場所から攻撃するまでだ。
オレは安全地帯、虎の背後に回り込む、ここなら爪も届かない。
白極・白昇肘!
簡単に言えば肘打ちだ、だがただの肘打ちではない。
腰を少し落とし、下から上へと突き上げる形で肘を突き出す。
その威力は蒐連打を大きく上回るのだが、当てるのが難しいのが難点だ。
オレはほっと胸をなでおろす。
実は実戦で命中したのは今日が始めてである。
当たりそうだったので我慢できずにこの技を使ってしまった。
プラータさんに知られたら、説教が始まるな。
肝心のダメージは骨を折った程度だ。
理想は肺を守る肋骨を折り、その破片が肺に突き刺さって戦闘不能にすることだったのだが、そううまいことはいかないな。
追撃を加えようとしたが、オレの攻撃で虎が自由になったみたいだ。
虎は反撃ではなく、オレたちから大きく距離を取った。
オレは追う事をせずに、イリスの傍に寄る。
イリスがなにをやったのか聞くためだ。
「なにをやったんだ?」
「これだよ」
そう言って自分の手を見せてくるが、何も見えない。
「よく見て」
目を凝らしてようやく何なのかが分かった。
イリスの手には黒い針があり、裁縫で使うものみたいに先端に穴が空いている。
その穴に黒い糸が通っていた。
これが虎の動きを束縛した正体か。
「黒銀の操弦、僕が身に付けたスキルオーバーだよ」
「まだ簡単な拘束技しか使えないけどね」
あのあやとりはこの修業だったみたいだな。
動きを止めてくれれば、オレの不完全な白極の技を容易く命中させることができる。
オレとの相性がばっちりな技だ。




