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狂獣2

☆プラータ視点


 あの子たちが洞窟の中へと入っていくの見送る。

不安がどうしてもぬぐえない、私がこの試練を受けたのは訓練を開始して2カ月半を越えたころだったはずよ。

だけど、あの子たちには時間がない、でもやらないわけにはいかなかった。

この試練を乗り越えないとこの世界を旅することなんて到底不可能だから。



 最悪の事態に備えて私も準備しないと。

「シルバー!」

私の声に答えてシルバーは私を背に乗せ、あの場所に移動する。


 二人とも、死なないでね。



★視点終了


 洞窟の中はちゃんとランプが壁に設置されており、夜の暗闇に比べれば十分明るい。

これなら問題なく戦闘をこなせそうだ。

「狂った獣人か」

「どんな奴だろうね」

「まともじゃないのは確定だろ」

「僕もそう思うよ」



 オレたちはほぼ同時に深いため息を吐いた。

約一ヶ月の経験からまともな相手ではないことは推測できる。

オレはすでに諦めており、イリスも諦めているようだ。



 少し歩いたところで広間に出た、ここで行き止まりみたいだ。

中を見回すが獣人が見当たらない、しかし、肌を刺すような殺気を感じる。

姿を隠すためなのか、入口で聞こえていた唸り声はもうしない。

間違いなく近くにいる、警戒レベルを最大まで引き上げ、襲撃に備えると同時に殺気の発生源を探す。



オレの認識範囲を区画で分割し、消去法で場所を絞っていく。

ランプが作る影や空気の振動、範囲を絞るために必要な情報はありふれている。

それを元に絞っていくのだが、高速思考は本来なら時間が掛かるこの作業をあっという間に終わらせることができる。

オレが場所を特定したと同時に感じる殺気が最大限まで高まった。


来る!


 オレとイリスはその場から左右に分かれて飛び退いた。

頭上から降ってきたそれは床を粉々に破壊し、粉砕された破片が土埃を作る。

奴は天井でオレ達の隙を見計らっていたのだろうが、オレたちが隙を見せなかったので、業を煮やして攻撃をしてきたみたいだ。



 煙の中から現れたのは二足歩行をする虎だった。

虎の獣人といえばティーゲル族のオールさんだが、オールさんは虎よりも人間に近かったが、こいつは虎の方に近く、二足歩行をする以外人間の要素がない。

その血走った眼には理性を感じられず、オレたちを睨み付けてきた。

全身の筋肉は盛り上がり、まさにワータイガーといった感じだ。



「イリス、行くぞ!」

「うん!」

 オレ達の修業の成果を見せてやろう。

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