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 それからオレの修業に獣転拳の体得が加わった。

プラータさん曰く白の技もスキルオーバーらしい。

同じスキルオーバーでも獣転拳の方が難しく、なかなかうまくいかない。

ただ白の技の方が簡単というわけではないみたいだ。



 おそらくオレの白の技への適正は異常に高いのだろう。

事実、白の技はオレのために作られたと言っていいくらい馴染んでいる。

オレの骨格や筋肉の発達の仕方などが高い適正を実現させているのだと思う。

もし白の適正が10だとすれば獣転拳の適正は1以下だ。

1以下といっても、低いわけではなく白の適正が異常なだけだ。



 さらに白の技はある要素が必要不可欠だ。

それは身体認識力、オレが幼いころから磨き上げた技術、全身の力を拳に集めるうえでこの技術が欠かせない。

10年以上コツコツと練習してきてよかったと思った。

なおプラータさんもこの考えに賛成してくれているので、ほぼ正解だろう。



 獣転拳の修業はいつもエチアの木の前で行われる。

歩きだとそこそこ時間がかかるらしいので毎回シルバーに乗っていくのだが酔わずに乗るのにはコツがあり、その訓練も平行して行っている。

まだまだ未熟だが、へたり込まなくなった。



「まさに奇跡ね、あなたと白の出会いは」

「奇跡……ですか?」

 修業の合間のオレの演武を見て、プラータさんはそう言った。

「私が見る限りその技は私たちには一朝一夕ではできそうないわ」

「それを見てコピーできるほど適正が高いなんて奇跡以外の何物でもないわよ」

陳腐な言葉だがそうかもしれない。



「もしあなたが遭遇したのは紅だったら、あなたはこの世いなかったでしょう」

 紅、響きから推測すると白と同種の存在だろう。

「白と同種の存在に会ったことがあるんですか?」

プラータさんはその問いになかなか反応せず、少しの間、場に沈黙が支配した、聞いちゃいけないことだったのか?

「ええ、かつてオールが敗れたのは紅よ」

プラータさんは忌々しげな顔をしている。

そういえば初めて会った時にもオールさんが負けたことを聞いたな。



 聞いてはいけないと思ったが、好奇心を抑えきれなかった。

「どんな技を使うんですか?」

「斬撃」

プラータさんはそう一言呟いた、剣などの刃物を使うんだろうか?

武器を使うならあまり興味が湧かない。



「素手であらゆるものを切り裂くの」

 それは見てみたい、時間があれば探してみようかな。

「絶対に探しちゃだめよ」

プラータさんは表情からオレの考えてることが読み取れたのだろう、くぎを刺してきた。

オレの両手を強く握られる、プラータさんの手はとても暖かかった。

「お願い、絶対に探さないで」

その真剣な声色にオレは頷くことしかできなかった。

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