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それから

 一週間と三日が経った。

常に着けていたパーティーブレスは一昨日取り上げられ獣人語での会話に切り替わっている。

まだまだたどたどしいがなんとか意思疎通に成功している。



石避けもレベルアップしてプラータさんがオレの回避先を予測して投げてくるようになった。

予測と予測の戦いはオレの惨敗だ、被弾率は8割を超えている。

オールさんの実戦も兎からレベルアップし、山猫が混ざるようになり、複数体相手取ることになった。

兎の直線的動きだけでなく、山猫の立体的な動きに対応しなくてはならない。

それは難しく、案の定初日はズタボロにされた。



 ちなみに兎を殺しまくったが問題ないらしい。

プラータさんいわく白のせいで森の中の食物連鎖が狂っているらしく、間引かないと兎だらけになり、薬草などの高価な材料を食い荒らすそうだ。



 今日はプラータさんがオレの修業相手だ。

プラータさんはオレが分かるように喋ってくれる。

使う単語がオレが教わったものだけなので、滞りなく会話することが出来る。

 オールさんはそれが出来ないので意思疎通に少し手間がかかるのだ。

彼の修業はほぼ実戦なのでそんなに不便ではないが、やはり言葉で教えを乞いたい。

オレの言語力の向上をさせるしかないな。



 あとオールさんは思いつきで修業を決めている節があり、時折恐ろしい修業を提案してくる。

拒否権はもちろん与えられていない。

前回は川の中に入り、上流から丸太を落としてきたのを避けるという修業だった。

水の抵抗で動きにくいので何回かぶつかり下流まで流されてしまった。

あの時は本当に死んだと思った・・・。



 暗闇の中、オレとシルバーはプラータさんが来るのを待つ。

この一週間でオレが先に起きてプラータさんを待つ形になっていた。

待っている間、シルバーと一緒だったのでかなり仲良くなることができた。

大きいが、慣れればただの大きな犬だ。

 犬と同じくお腹を撫でれば嬉しそうに尻尾を振る。

ただ油断すると命に係わる、シルバーがじゃれついているだけでも立派な修業になっていた。

これもある意味実戦だ。

今日もじゃれあいながらプラータさんを待っていた。



「おはよう、イツキ君。」

「おはようございます。」

 プラータさんの声は凛としており、耳触りがとてもいい。

これだけでも言葉を覚えてよかったと思う。

「よそ見はダメよ。」

じゃれついてきたシルバーの前足がオレに直撃し、吹っ飛ばされた。

肺の空気が一気吐き出してしまう。



「痛たたたた・・・・。」

「油断大敵ね。」

 プラータさんの声に聴き惚れて気を抜いてしまった。

まだまだ未熟だ。

「ちょっ!舐めるなよ、くすぐったいだろ。」

シルバーがオレを心配して舐めてくる。

「すっかり仲良しね。」

プラータさんはクスクスとオレとシルバーを見て笑っている。



 オレの体は涎でべとべとになったが、洗い流す時間はオレにはない。

どうせ汗でべとべとになるので放置する。

今日もシルバーとの追いかけっこから始まる。

走る時間は一週間前と同じだが、周回数は増えた。

シルバーの速度が上がり、一周にかかる時間が減ったからだ。

体力も増えたが、それよりも体力の回復速度が上がっているように感じる。

一周ごとのインターバルで呼吸の荒れがすぐに戻るようになった。



 準備運動が終わり、回避訓練が始まる。

今日こそ3割は避けてみせる。

その決意は空しく、今日も当たりまくった。

最後の日までに全部躱せるようになりたいな。

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