罪悪感
罪悪感を感じたが殺すことが出来た。
始めるなら合図ぐらい出してほしい、いきなりだったから当たるところだった。
抗議するためにオールさんの方の姿を探す。
少し離れた場所にオールさんが立っていてその手に縄が握られていた。
その先には縛られている大量のホーンラビットがいた、その全てが威嚇するように周囲を睨み付けていた。
闇の中に光る赤い目はかなり不気味だ。
異世界に来て苦手な動物がまた増えてしまった・・・。
『まだまだ、行くぞ』
そして、兎地獄が始まった。
兎たちは一匹ずつ解放されて、オレに襲い掛かる。
全てがホーンラビットだと思っていたが、不意打ちで突きではなく斬りを仕掛けてくるソードラビットや頭にハンマーを付けたハンマーラビットなど亜種が多く混ざっていた。
そのせいで何度か攻撃が命中してしまい、傷だらけになってしまった。
昨日のプラータさんの石避けがなければオレの体は風穴が空いていただろう。
オレは何匹の兎を殺しただろうか。
もう30匹は超えただろう。
相変わらず生き物を殺す罪悪感は消えず、オレの中に常にある。
それを押し殺し、拳を振るう。
『命を奪う罪悪感はなくなったか?。』
『はい・・・無くなりません。』
生き物を殺すことに対する罪悪感はどうしても完全には消えない。
それをオールさんは見切っていたみたいだ。
『それを忘れるんじゃないぞ、忘れなければお主は人間のままでおれる。』
『罪悪感は必要じゃ、それを忘れたら魔物と同じ、いやそれ以下じゃ。』
オールさんは生き物を殺す罪悪感を否定しなかった、むしろ肯定している。
そう言うオールさんは何を思っているのだろうか。
その姿はどこまでは暗く、どこまでも悲しかった。
日が傾き始めたころにオールさんが捕まえてきた兎たちを全滅させた。
今日一日で命がけの戦いを60戦近く繰り返した。
肉体的疲労は昨日より少ないが、精神的疲労は大きい。
殺すか殺されるかの死闘はそれだけ精神に負荷をオレに与えてきた。
もう眠りたいが、これから授業があるのだ、それは許されない。
授業に向けて気合を入れ直し、オレは家に向かった。
オレが殺した兎はスタッフ(主にオールさんとイリス)がおいしくいただきました。
ちなみに一番おいしかったのはハンマーラビットだった。




