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二つの夜会話 side:プラータ&オール

☆プラータ視点

 私はオールを引きずりながら部屋から出た。

「オール、もう目を覚ましているのでしょう」

「引きずるのはやめてくれないかのう、そこそこ痛いわ」

「嘘おっしゃい、あなたがこの程度でダメージがあるわけないじゃない」

床に引きずられる程度ではオールにダメージは与えられない。

ティーゲル族は獣人の中でもトップクラスの肉体を持っている。

その中でも特にオールはレベルによる補正でその耐久力はかなり高い。

それにこれには懲罰的意味も含まれている。



「あなたのせいで、彼らを警戒させちゃったじゃないの」

「つい……」

「つい、では済みませんよ、まったく」

 思わず、ため息が出てしまう。

彼らは恩人なのに。

この村は私たちにとってなくてはならないものだ。



 残された最後の一人としてこの村を守り続けないといけない。

だけど、奴の来襲で逃げざるを得なかった。

オールを鎖やら痺れ薬などで無理やり連れて。

奴が去ってから村の再生に尽力するつもりだったのだけど、その手間が大幅に省けた。

私はその恩に報いたいと思っている。

それなのにオールときたら……



「あやつらの事をどう思った?」

「いい子たちよ」

 いろいろあるけど、いい子だ。

エチアの実を剥いてあげたとき、イツキ君の方に大きい方を渡したら、まったく悩まずイリスちゃんのものと交換していた。

他にもパーティーリングもイリスちゃんを制し、自分から嵌めていた。

他人に対する思いやりを持っている子だ。



「そして、強いわ」

 レベルには表れない強さを持っている子たちだわ。

オールの威圧を真正面から受けて、気絶せずに耐えることができていた。

スキルで威圧耐性を持っているならまだしも、自力で耐えていた。

さすが、奴を倒したことがあるわ。



「これから彼らをどうする気じゃ」

「もちろん、匿うわ」

 異世界人はこの世界で大きな意味を持つ。

そんな存在がいると知れたら、欲深な冒険者ギルドがどうするかわからない。

それに彼らはロスト、いくら白を倒すことができたとしても今のままじゃ、高レベルの敵に対して、碌な抵抗もできずに、なすがままになってしまう。

せめて、匂いが消える一ヶ月は隠し通さなくてわ。

その説得もオールのせいで難しくなった。

 そろそろ罰をやめてあげようかと思ったけどもう少し続けましょう。

イツキ君は理性的な子だと思うからメリットをちゃんと説明したら説得に応じてくれると思う。



 彼らがオールを救ってくれないかと少しだけ思った。

私にとって彼らは最後の希望になるかもしれない。

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