二つの夜会話 side:イツキ&イリス
プラータさんたちが部屋から出ていってからオレとイリスはオールさんとプラータさんの印象を語り合うことにした。
その前に腕に嵌めていたパーティーブレスを外す。
イリスのものも外してやる。
万が一、プラータさんたちにこれから話すことが漏れたら困るからだ。
心をつなげる魔道具か、これのおかげで意思の伝達ができた。
ただネーミングからそれだけではない気がする。
意思を伝えるだけなら、オレなら違う名前を付けている。
明日、聞いてみるか。
「二人のこと、どう思った?。」
「オールさんは尻に敷かれてるね、プラータさんはちょっと怖いかな。」
オレも同感だ、プラータさんは容赦がない。
レベルによって肉体の強度が強いからだろうか。
DVをはるかに超えてると思う。
「ひとりひとりではどうだ?」
「プラータさんはとても優しい人だと思うよ。」
「優しいかどうかはわからないが、親切な人だな。」
しつこいぐらいに質問したのに嫌な顔一つしなかった。
ただ優しいかと聞かれると、判断に困る。
「オールさんは怖いかな。」
「たしかにそうだな。」
オレがオールさんから感じ取れたのは狂気だった。
放っていた威圧に混ざっていたものの正体はこれだろう。
それはどこまでも暗く、激しい。
器の大きさを感じたが、その器の中には狂気が詰まっていたのだ。
プラータさんが止めてくれなければどうなっていたかわからない。
「あと、二人ともものすごく強いよ。」
「ああ、わかるよ。」
レベルによる補正抜きにして、二人とも相当強いのだろう。
おそらく、今のオレ達よりも。
あの戦いで白の動きを散々観察したから分かるようになったのだ。
彼らの所作は武人の動きだった。
ただ立つという行為だけでも、一般人とは大きく違っていた。
まったく隙が無かった、オレがなにしても対応できるように。
これからどうするべきなのだろうか。
逃げるという選択もあるが、やめといた方が良さそうだ。
異世界人の匂い、これがある間はおとなしくしておきたい。
奴隷にするために狙われ続けたら、まともに動けやしない。
最低一ヶ月か、長いな。
タイムリミットを考えるときついが必要な時間だ。
この間にオレは何ができるだろうか。
オレはイリスを抱き寄せた。
もう癖になってるな。
「とりあえず、今日は寝ようか。」
「うん、そうだね。」
体のダルさが抜けていないのだ、回復に努めよう。
プラータさんの話が本当ならこのベッドの力で明日には全快になっているだろう。
何をするにしても動けるようになってからだ。




