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根競べ

 その問いにオレは緊張を余儀なくさせられる。

倒したらまずかったのか?。

あれほどの力を持っているのだ、もしかしたら神格化されていてもおかしくない。


 誤魔化すべきか正直に話すべきか。

どう対応しようか思案する。

イリスもオレが緊張しているのを感じて、黙っていてくれている。

空気を読むということを覚えてくれたみたいだ。


 オレがいつまでも答えを返さないので、オールさんの眼力が強くなったのを感じた。

それに伴い、部屋に流れる空気がさらに重くなる。

 これは威圧だ、白との戦いで嫌になるほど味わったものと似ていた。

ただ白とは違い、恐怖を感じさせない。

たぶんあの恐怖は威圧とは別物だったのだろう。

そのかわり、別のモノがにじり出ている気がした。

どっちにしろ元の世界にいたころのオレではとっくの昔に気絶していただろうな。


 その圧力は徐々に強くなってくる。

だが、どう答えるかをまだ決断できていない。

幸い、オレは熊と白との戦闘を経て威圧に対する耐性ができていた。

イリスと一つになっていなくてもこれぐらいなら耐えれる。


 さらに黙っているとその威圧は物質にまで影響をもたらしだした。

木がミシミシと悲鳴を上げ始めている。

そろそろオレの限界が近づいてきた。

実はこの時にはもうどうするべきか決めていたのだが、ふと魔が差してしまった。

この威圧にどこまで耐え続けることが出来るかを試してみたくなった。


 オレとオールさんの静かな戦いは突然終わりを告げた。

終わりを告げる鐘は鳴ったのだ。

その音はゴーンと鳴り響き、大晦日で鳴らされる除夜の鐘をオレに想起させた。

 音の正体はオールさんの頭だった。

オールさんの頭が鐘、本体だとしたらそれを鳴らさせたものはプラータさんの拳だ。

打ち下ろされるように叩き付けられたプラータさんの拳はオールさんの頭を床にめり込まさせた。

死んだんじゃないのだろうか?

それだけの威力はあったに違いない。


『ごめんなさい、オールと奴とは因縁があってね。』

 時折、ピクッと動いているから生きているが、プラータさんはオールさんを放置するようだ。

『オレがすぐに喋らなかったから悪いんです、気にしないでください。』

プラータさんの行動は火の玉の件もそうだし、少し過激だ。

やはり鬼だな。


『で、どうなの?』

『たしかにオレ達が白を倒しました。』

『にわかに信じがたいわね。』

『ですが、事実です。』

『でしょうね、奴らが発する独特の、そして圧倒的な存在感は感じられないわ。』

『奴ら?。』


 白のような存在が複数いるのか?

その疑問はすぐに解決した。

『似たような存在がこの世界にいるの、オールは昔、そいつに敗北したのよ。』

なるほど、白はオールさんの雪辱を果たす相手だったみたいだ。

それをオレ達が横から掻っ攫った形だ。

オールさんが怒るわけだな。

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