魔法
『最後に魔法ね』
プラータさんはとても親切だ。
聞きたいことにすべて答えてくれるし、実演もしてくれた。
オールさんはまだボーっとしている。
そんなにレベルがないのがショックなことなのか?。
『魔法っていうのは魔力を使って様々な現象を起こす技術よ』
予想通りだ、まんまRPGと一緒だな。
『魔力ってなんですか?』
『知らないわ、そういう力があるの』
『獣人族の中の爪牙族と呼ばれる分類に分けられる獣人は私も含め魔法が苦手なのよ』
『爪牙族?』
『そのままよ、爪や牙が発達している一族ね』
プラータさんは自分の爪を見せながらそう説明してくれた。
だったら、門外漢でも仕方ないか。
『でも、少しならできるわ』
そう言い、オールさんに近づいていった。
なにをするんだろう?
何かを喋りかけているが、オールさんは反応を示さない。
プラータさんは小さくため息を吐いた。
そして、何かを呟き始める。
その呟きと共にプラータさんの足元に何かのマークが現れた。
そのマークは赤い光によって描かれており、形は円に四角形が内接しているものだ。
……なんかテストに出てきそうな図形だ、この部分の角度を求めよという感じか。
赤い光がより一層強くなる。
そして、プラータさんの手のひらに小さな火の玉が出現した。
……すごい
『私じゃこの程度が限界よ』
ライター要らずだな、魔法がない世界の住人だからこれでも十分すごいと思うけどな。
ゲームや漫画の世界が目の前にある、その感動は大きい。
火の玉はプラータさんの手のひらの離れる。
火の玉はゆっくりと前進していく。
操作できるみたいだ、火の玉は部屋を自在に舞っている。
火の玉は急に方向を変えた。
このまま進めばオールさんに当たってしまう。
多分ぶつかる寸前に消すか方向転換するのだろう、オレはただ眺めているだけだった。
火の玉は急に加速した。
そして、オールさんの髪の毛に火の玉が命中した。
チリチリと髪の毛が焼ける音がする。
焦げ臭い……
というか、冷静に眺めている場合じゃない!、消さないと。
オレが消そうと動き始めたのと同時にオールさんも自分の頭に火がついているのに気が付いたみたいだ。
なにかを叫びながら部屋を出ていった。
言葉の意味が分からなくても今のはわかった、「熱いわぁ!!」だろう。
『気にしなくていいわよ、あの程度でどうにかなるほど彼は弱くないわ』
そう笑顔で伝えてくるが、あんなのを目にして気にしないのは無理だろう……




