パーティーブレス
しばらくして、女性は男性と共に部屋に戻ってきた。
姿勢を正そうとしたら、女性がまたあの笑みを浮かべたので諦めた。
男性の手には4つの腕輪が握られていた。
その腕輪にはそれぞれ色の違う小さな宝石がついている。
赤、白、黒、青の4つだ。
選べということなのだろうか、オレ達の目の前に差し出してきた。
躊躇してしまう。
今までの対応から考えて、罠ではないと思うんだが、決心がつかない。
口には出さないが、男性の目は急かしているようにみえた。
意を決してオレは白い宝石がついた腕輪を手に取った。
白色を選んだ理由は自分が着ていたロングコートが目に入ったからだ。
白に敬意を込めてそれを選んだ。
それに比べてイリスは決断が早い。
目の前に出された瞬間、黒い宝石の腕輪を抜き取った。
自分の体の色から選んだのだろうか。
男性は青い宝石の腕輪を女性に投げ渡した。
彼は赤い宝石の腕輪を選んだようだ。
これをどうすればいいのだろうか。
やはり嵌めるのだろうか。
迷っていると男性が腕に腕輪を嵌めた。
それに続き、女性も腕に嵌める。
イリスもそれに続き、嵌めようとするが、オレはそれを止めた。
「オレから嵌める」
危険かもしれないのだ、嵌めるのはオレからだ。
オレは腕輪を嵌めた。
……何も起こらないみたいだ。
それを見たイリスも自分の腕に嵌めこんだ。
これはいったいなんなんだろうか。
それを考えていると頭の中に声が響いた。
『これはパーティーブレスというものじゃ』
考えるまでもない、この声は目の前の男性だろう。
いや、これは声ではないな、男性の考えが直に伝わるみたいだ。
「パーティーブレスってなんですか?」
なんとなく検討がついているが尋ねてみる。
しかし、答えがかえってこなかった。
オレの推測は間違っていたのか?
『これは腕輪を嵌めた者の精神を繋ぐ魔道具なのよ』
『言葉じゃなくて精神で会話してくれないと何言っているのかわからないわ』
今度は女性の考えが伝わり、頭に浮かぶ。
やはり推測通りだったが、使い方がわからない。
どうやるんだろう?。
使い方の説明を受けるが、なかなか成功しない。
試行錯誤をしていると、どうにかできるようになった。
頭の中で伝えたいことを思い浮かべ、それを言葉に出さずに伝えたい人のことを考える。
こうすることによって、ようやく伝えることが出来る。
ネックなのは言葉に出してはいけないことだ。




