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柔よく

 オレとイリスは夢中でスープを食べた。

気付かなかったが、女性はナイフも持ってきており、瓢箪を剥き始めた。

くびれの部分から二つに切り分け、リンゴのように回しながら皮を剥いていくをする。

皮って食べたらまずかったのか?

体に異常はないから毒ではないと思うのだが。



 剥いた後にくし状にカットするのではなく、そのまま渡された。

オレの方が大きい方を渡されたので、イリスと交換する。

「ありがとう」

「どういたしまして」

フフフっと笑い声が聞こえた。

笑い声の主は女性だが、なにがおかしかったのだろうか?



 一度食べているものなので、警戒せずに口に運んだ。

食べた瞬間、皮を剥いた理由が分かった。

皮ごと食べた時と味わいが違う。

渋味がなくなっているのだ。

おそらく、あの渋味は皮に含まれるものだったのだろう。



 食べ終わり、《ごちそうさま》を言おうと思ったとき気付いた。

どう感謝の気持ちを伝えればいいのだろうか?

お辞儀や手を合わせると伝わるかな。

日本だったら、それで通じるがここは異国、それも異世界だ。

もしかしたら、失礼な意味を持つのかもしれない。



 言葉が通じないとはここまで不便なことだったとは。

頭ではわかっていたが、実際に経験すると言葉の偉大さが実感できる。

オレが苦悩しているとイリスが女性に近づき、手を合わせてお辞儀をする。

「ごちそうさま、美味しかったー」

それで伝わったみたいだ、女性は笑顔で対応している。

オレもそれに見習い同じように手を合わせお辞儀をした。



 女性がテーブルを下げようとする。

それぐらいはオレがしないとな。

オレはベッドから起き上がった。

少しふらついたがすぐに持ち直した。

オレがテーブルを持とうとしたら、女性にそれを制された。

それでも無理やり持ち上げようとしたら、急に足を払われた。

その見事な足払いはオレの体勢を簡単に崩させる。

体勢を立て直そうとするが、さらに上半身を軽く押され、ベッドに倒れこんでしまった。



 ふらついていたとはいえ、容易く押し倒されしまった。

再び起き上がろうとするが、寒気を感じて、動きを止めた。

女性の方を見る。

先ほどと変わらずに笑顔だったが、目はまったく笑っていなかった。

ここはおとなしくしておこう。



 女性がテーブルを持って、部屋から出ていった。

「怖かったね」

「ああ」

イリスは少し身震いをしていた。

それもしょうがないと思う、白とはまた別物の恐怖だった。

逆らうのは得策じゃない、戻ってくるまで寝ておこう。

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