道着
白い破片は白い光になった。
その光はオレの体にまとわりつく。
オレはなすがままにされていた。
抵抗しない、なぜなら白が今更オレに危害を加えようとはしないはずだから。
光はオレの全身を包み込んだ。
そして、閃光が走った。
そのあまりの眩しさにオレは目を瞑った。
光が収まり、オレは目を開けた。
光は白いロングコートになっていた。
ところどころに色の濃淡が異なる白い刺繍のラインが入っている。
生地を触ってみるときめ細かく、いつまでも撫でていたくなるほど触り心地はいい。
体を一回転させ、コートを翻した。
「似合うか?」
「…………微妙」
不評みたいだ、オレはカッコいいと思うんだがな。
周囲を見回すと白が生み出した壁が崩れ去ろうとしている。
タイルが剥がれるように崩れ、地面に落ちる前に消滅していた。
力が抜け、倒れこんだ。
「ごめん、少し休む」
「うん、僕も限界だよ」
オレはイリスを胸の中に抱き寄せた。
寝るには枕がいる。
すぐにイリスは寝息を立て始めた。
瞼が鉛のように重く感じる。
抵抗する気もないので、すぐに瞼を下した。
おやすみ。
☆オール視点
「終わったみたいじゃな」
結界が崩れ去るのを見届ける。
じゃが、奴らが発する圧倒的存在感は微塵も感じん。
まさか!?
儂は村の中に入ろうとするがまだ侵入できるほどの穴はない。
もどかしい、早く入りたい。
儂は近くの木を足場にして、大きく跳びあがり中に入ることができた。
外から儂を呼び止めるプラータの声が聞こえるが無視じゃ無視。
先ほど自分で言ったことじゃが、信じられん。
奴らを負かすものが現れるなどとは。
村の中に一人の青年と竜が身を寄せ合って眠っておった。
奴の姿は見えない。
感動で体が震える。
奴らを打倒することが出来る存在が現れるとは。
「オール、奴はどこに!?」
プラータも村に入ってきたようじゃ。
「こやつが倒したのじゃろう」
「そんな、まさか!?」
「儂も信じられん、じゃがおそらく事実じゃろう」
儂らは青年たちに近づき、その状態を確認した。
ボロボロじゃ……
相当な死闘じゃったのじゃろう。
プラータは容体を確認して、薬瓶を取り出しそれを飲ませた。
特製の薬じゃ、儂のようなものたち以外には抜群の効果を表してくれる。
「オール、この子、ロストよ!」
「なんじゃと!?」
まずい、ロストには回復薬の効果が薄い。
儂もそうじゃが、通常の半分以下の効果しか発揮せん。
「薬をもっと飲ますのじゃ!」
「あなたに使ったからもうないわよ」
儂の短慮のせいか。
ほかに使えるものはなかったじゃろうか?
「そうじゃ、あれがあった!」
儂は自宅の地下に急ぐ。
頼むから死なんでくれよ、聞きたいことが山ほどあるのじゃから。
★視点終了
この時オールは気付かなかったが、イツキとイリスは重症ではあったが寝ているだけであり、薬の効果もありほっといても命に別条はなかった。
もちろんプラータは気付いていたが、伝える前にオールは走っていたため伝えられなかった。




