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至高の武

今日も5話

 二人と一匹は白の生み出した結界の前から離れていなかった。

オールと呼ばれたものは地面に座り込んでいる。

まだ立ち上がることができないみたいだ、それほどダメージは大きかったのだろう。

「無茶はやめてください、死んだら元も子もないでしょう?」

少し涙声になっている、よほど心配したみたいだ。

「すまぬ、居ても立っても居られなかったのじゃ」

「もう一度、奴らと戦ってみたい、そう思ったらついのう」

オールは過去を思い返しているのだろうか、遠い目をしている。



「そこまで奴のことを忘れられないのですか?」

「違う……と言ったら嘘になるか、忘れられるわけがなかろう。それに儂はあやつを尊敬しておる」

「尊敬……ですか?」

 もう一人はオールの発言にいぶかしげな表情している。



「わしらのような人間は奴に会うと憧れてしまうのじゃよ、奴の技はそれほどものじゃった」

 オールは目を閉じて言う、過去を回顧しているのだろうか、拳を強く握りしめている。

あまりにも強く握りしめているのか、手から血が流れ出している。

そんな彼を見る女性の眼は複雑そうだった。

「それにしても、誰が戦っているのでしょうか?」

「少なくとも、今戦っているものは互角に戦えておるな、30分は結界を展開し続けているからのう」

「調べてきましたが高名な実力者が近くにいるという情報はありませんでしたが?」

「無名のものじゃろう、奴らはレベル1でもやり合える」

「ですが、あなたを含め今まで打倒したものは現れませんでしたよ」

「今日、現れるかもしれんぞ?」

 その発言は現実的ではないのだろうと思われたのか、流されていた。

オールも本気ではないようだ。


「プラータ、お主は街に戻れ、わしはここで結末を確認する」

「私もいます、あなたを一人にはできませんよ」

 プラータと呼ばれたものはオールの横に座った。

二人は村の結界を見つめていた。


 

 腰、肩、腕、右足、左足、全身の力を腕に乗せる。

口で言うのは簡単だが、かなり難しい。

力を入れていく順番やタイミングが狂えば威力は落ちてしまう。

一つ一つ意味を考えながら、動きを確認していく。

普通なら、こんなことを考えながら戦うのは自転車に乗りながら、長文のメールを携帯で打つようなものだ、危険極まりない。

だが、オレにはイリスがいる。

オレの代わりに白の攻撃を対応してくれるからこそできる芸当だ。



 脳内で動作を何度も確認した。

この技は時折、白が仕掛けてくる技だ。

使ってきたときは全身全霊で回避している。

直撃してしまったら即ノックアウト間違いなしだ。

今のところ掠るだけで済んでいる。

「仕掛ける!」

『サポートは任せて!』

 オレは一歩踏みだした。

精神的にもそうだし、肉体的にもだ。

迎撃するために出された白の攻撃を上体を前に屈めるようにして躱す。

上体を起こしながらオレは実行に移した。

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