相棒
2話目
オレが浴びせた全力の蹴りは白の肉体をぶっ飛ばした。
白は地面を回転しながら転がっていく。
今日、初めてダメージを与えることができた。
時間がなかったので【破壊】の力を足に籠めることができなかったのは残念だったが。
『イツキ、追撃を!』
「腕のケアが先だ!」
オレも追撃を加えたかったが、腕のダメージの確認が先だ。
少し腫れ上がって、赤くなっていた。
腕を揉み、軽くマッサージをする。
猶予は少ない、間に合ってくれよ。
腕の痺れが取れ、再び力を入れることができるようになった。
それを確認するように、手を開けたり閉じたりする。
『来るよ』
オレは顔を上げ、白の姿を確認する。
その純白の肉体はところどころ土埃で汚れていた。
オレが全力で蹴った場所を見ると特に変化はなかった。
まさか効いていないのか?
そんなわけがない!
オレは自分にそう言い聞かせた。
「イリス、いくぞ、作戦その二だ」
『いけるの?』
「正直自信はない、だがやるしかないだろ」
「だから、オレの背中を押してくれ」
先ほどあんなことがあったのだ、自分では最後の一歩が踏み込めなかった。
『イツキなら絶対できるよ』
『それに失敗したら、僕がどうにかするよ、だって僕は君の相棒だもん』
相棒か。
◇三日前、作戦会議
「防御はこれでいいか」
「うん、僕に任せてよ」
防御はイリスの直感と反射神経に任すことにした。
次に決めなければならないのは攻撃手段だ。
「大丈夫だよ、僕らの【破壊】に耐えられる奴なんてそうそういないよ」
「外したらどうする、それに回数制限があるだろ」
熊の時は避けられない状態で当てたのだ。
「だったら、どうするの?」
「どうしようか?」
オレは答えを出せなかった。
そもそもオレには格闘技の経験は薄い、授業でやったぐらいだ。
しかも、あれはあくまで護身術の範疇の技だ。
致命傷を与えるのは難しい。
喧嘩も弟と妹ぐらいしかしたことがない。
もっとしておけばよかったかな?
勝つには無茶をするしかないだろう。
実はすぐに思い浮かんだ作戦があるのだが、あまりにも無謀すぎて、自分で却下したのだ。
オレが持つ特技を使う作戦だ、最高にイカれていると思う。
「正気?」
「イカれているだろう?」
「失敗したらどうするの?」
「そうしたら、フォローしてくれ、それが相棒というやつだろ」
実は言ってみたかったのだ、《相棒》とてもいい響きだ。
◇
「そうだったな、自分で言っておいて忘れていたよ」
『しっかりしてよね』
「それじゃあ、頼むぞ相棒!」




