村
森の中に拓かれた村は静けさに包まれていた。
家は木でできており、その数は十軒程度だ。
そのほかに、干し草が置いてある屋根だけがある小屋が数軒があるだけだ。
村の中はまだ昼間だというのに人の影は見当たらない。
「人がいないよ、捨てられた村なのかな?」
「決めるのはまだ早いだろ、探索してみよう」
「また手分けして探すの?」
オレは首を横に振り否定する。
「いや、今日は一緒に行こう」
時間を節約するには、手分けするのが一番いいのだが、この村は様子がおかしい。
いつでも逃げれるように一緒に行動するのがいいだろう。
手始めに一番近くにある家を調べよう。
一番近くの家の前に立つ。
村の中では中ぐらいの大きさの家だ。
家の周りをぐるりと一周した。
窓もあり、ガラスではなく、木の突き上げ式の窓だ。
見た感じ木は劣化はしていない。
家のドアは開き戸になっており、木の押し棒が付いている。
鍵は付いてないようだ。
オレはドアを二回ノックした。
……返事がない
もう一度、今度は先ほどより強めにノックする。
やはり返事がないな。
意を決してオレは押し棒に手をかけ、ドアを開けた。
家の中には誰もいなかった。
この家は二部屋で構成されているみたいだ。
玄関から続く部屋にはテーブルが一つあり椅子が二脚があったからだ。
たぶん、二人暮らしなのだろう。
台所のような場所があり、そこには洗っていないお皿が数枚ある。
埃もなく、さっきまで誰かがいたみたいだ。
そういえば、イリスが見当たらない。
部屋を見回すがどこにもいない、どこに行ったんだ?
ドアで仕切られていないもう一部屋から物音がした。
そちらに向かうとベッドがあり、イリスはそこで寝転がっていた。
「あっ、イツキ、ここは気持ちいいよ!」
たしかに気持ちよさそうだ、昨日の寝床とは大違いだ。
オレも寝転がりたいが自制する。
「休むのは調べ終えてからにしよう」
オレはイリスをベッドから抱き上げた。
イリスは少し不満げな顔をしていたが、文句も言わず同意してくれた。
それから、残りの家を見て回った。
しかし、どこの家も人はいなかった。
全ての家に共通するのは、生活感がまだあることだ。
中途半端に掃除されていたり、服が脱ぎっぱなしになっていたりした。
住民がいなくなったのは、遅くても数日前だと思う。
何故住民がいなくなったのはわからなかった。
まだ調べていないのはこの村で一番大きい家だけだ。
なにか分かればいいが……




