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5人の班長

 アレックスはこの大きさの物を引いているのに小走り程度のスピードが出せていた。

それに息も切れておらず、余裕そうだ。


「なあ、この馬車?は何なんだ?」

「これか?こいつは輸送車のユーちゃんだ」

「ユーちゃん?」

「アルマ班長がそう呼んでいるんだ」

「アルマ班長ってオレが会った人か?」

「違うぞ。アルマ班長は衛兵の装備の管理を担当している班長だ。昨日のはレンス班長だ」



「班長ってどんな仕事をしてるんだ?他にどんな人が?」

「んーとまずはレンス班長は主に町が魔物に襲撃された時とか緊急時の総指揮もするから実質的なトップだ」

 強権を発動できるので偉いとは思っていたので不思議なことではない。

普通に検問を担当していたので町の住人以外は一衛兵にしか見えないと思う。

オレも始めはそう思ってたし。



「イツキも会ったと思うけどラビ姉さんも班長の一人だ」

「あの人も班長なのか」

「ラビ姉さんは居住区の警備を指揮しているんだ」

「アルマ班長は北区の警備、それと装備の管理を担当しているんだ。まあ北区は詰所があるから衛兵だらけだし、飲み屋とかないから酔っ払いもいねーし、問題起こす奴なんて滅多にいないんだよ。実際、装備の管理が仕事のほとんどらしいぜ」



「他の二人は?」

 たしか班長は5人いるらしいので、後二人いるはずだ。

「名前ぐらいしか知らないな。一人はオレの担当外のギルド区の警備が担当だし、もう一人は貴族が住んでいる貴獣街の警備している隊のトップだから会ったことすらほとんどない」

 班長さん……レンスさんがマークしてる裏切者候補はたぶんこの二人なのだろう。

ギルド区担当ということは3冒険者ギルドと関わる機会が多いだろうし、貴族を相手してる方も町の貴族の腐敗を聞くと信用ならない。



「そういやユーちゃんだっけ?名前付けてるんだがら大事にしてるものなんだろ。使っていいのか?」

「勿論無許可だ」

「おい!」

「大丈夫だ。アルマ班長は夜行性だからそれまでに戻せば、ばれないだろう。万が一のために置手紙もしてきたしな」



『絶対にばれるね』

イリスの言う通りだ、普通動かしたら分かる。

もう使ってるし、指摘してもしょうがないのでやめといた。

 


 そしてオレたちは街道を外れ、草原に入った。

街道と違い、舗装されていないが、無限軌道なのでスムーズに進むことができた。

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