表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/236

分け与えるもの

 完全に日が沈んだようだ。

しかし、月の光が強く、真っ暗闇というわけではなかった。

その光は昼間とは比べ物にならないが、木々の輪郭がはっきり見えるほどだった。

空を見上げると月は地球のものと比べて、二回りほど大きかった。

おかしなことに、日が沈んだばかりなのに真上にある。 

この星が自転してないのか、それとも月の公転が速いのか、どっちなのだろう。

やはり、ここは異世界だというのを実感した。



 オレは木の中に入った。

すでに幼竜が中に入っている。

足を伸ばして眠れるほど広くはないが、十分だ。

オレは幼竜の横の木の壁に寄り掛かる形で座った。

少しゴツゴツしている、尻が痛い。

我慢我慢。



 お腹がすいてきた。

そういえば、昼以降何も食べてないな。

ポケットから昼の残りの携帯栄養食を取り出す。

貴重な食料だが、我慢できない。

オレは封を切ることにした。

二個入りだ。

どうしようか……

ほんの少しだが迷うが、すぐに結論は出た。



 オレは一個を取り出し、残りをポケットにしまった。

その一個を半分に折り、一つを幼竜に渡した。

「これは?」

「今日の夕食だよ、フルーツ味、おいしいぞ」

携帯栄養食とオレを交互に見比べている。

食べ方がわからないのか?

端っこを少し齧って見せる。

幼竜はオレを真似をして、齧った。

「おいしい……。おいしいよ、これ!」 

 口にあったみたいだ。

犬だったら尻尾をはち切れんばかりに振ってたな。



 幼竜はリスのように食べ進めている。

オレが見せたやり方をしているみたいだ。

 オレも少しずつ食べていく。

実はチョコ味の方が好きだ。

今日に限ってフルーツ味にしてしまった。

いつもチョコ味を食べていたから少し変化を求めてしまったのだ。

少し後悔した。

もしかしたら、最後の晩餐なのかもしれなかったのに……

次、食べれるのは一年後だろうか。



 オレはゆっくり味わうように食べた。

足りてはいないが、少しは腹が膨れた。

すでに食べ終えていた幼竜は目を閉じており、眠っているようだ。



 足の状態を確認すると、少し痛みが和らいでいる。

時間の経過とともに薄れていっているみたいだ。

これなら明日の朝には全快しているだろう。



 オレも眠らなければ。

明日には行動を再開する。

なんとか人里を探さなくてはならない。

それ以前に無事、朝を迎えられるだろうか。


 オレは眠りにつくため目を閉じた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ