↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
132/236

旅立つ前の数日1

 あの後は大変だった。

全員がボロボロだったので、村に帰るのも一苦労だったのだ。

オールさんをシルバーが乗せていき、リチアさんはオレが背負って帰った。

倉庫に有った薬で全員の治療を済ませた後、オレは死んだように眠りについた。



 次の日からは旅の準備のために森の中で薬の材料探しと兎狩りだ。

魔道具のベッドはオールさんが使っているので、ダメージが抜けきっていないが、やらなければならない。

干し肉を作ったり、オレでもできる薬の材料の下処理で大忙しだ。

あれだけの大怪我をしたリチアさんに無理をさせられないので、可能な限り家事もしている。



 あとリチアさんはあの日からよく笑うようになった。

以前も笑っていないわけじゃなかったのだが、前の笑顔よりも心なしか柔らかくなった気がする。

重しが取れたんだろう。

オレたちは彼女のことを本名で呼ぶようになった。なぜそうなったかというと、自然な流れとしか言えない。



 それと銀の風のエンブレムをもらった。

旅する時は絶対に身に付けるように言われたこれは魔道具でもあり、高度な隠蔽の力を持っている。

これがあれば鑑定のスキルや魔法に対して、偽装することができ、ロストであることと異世界人であることを隠せる。



 動力は魔石というものだ。

魔石とは魔物の体内にある魔力を秘めた石で、オレにとってあらゆる意味で生命線となるものだ。

魔力がないオレに魔道具は動かせないが、魔石があればオレでも一部の魔道具を動かせるようになる。

魔物によって大きさが異なり、大きければ高く売れ、小さくともそれなりの価格で売れるので金策にもなるのだ。



 ほぼ全ての魔物が所持しているこれがいい金策になる理由は、その石の脆さにある。

傷一つないのが理想なのだが、市場に出回る多くは、割れていたり、欠けていたりして、その価値が半額以下になったものだ。

 しかし、オレは素手で闘うので、割らないように手加減することが、武器を使う者よりも上手くできる。

実際、兎だったら確実に割らずに倒せるようになった。

魔石は小さなものほど脆いらしく、兎で出来るならその他の魔物でも可能になるらしい。



ちなみに、エンブレムに設定されているプロフィールはこれだ。


名前:イツキ・T・ヴィエント

年齢:20歳

出身:ミーノック獣王国

レベル:20

ジョブ:旅人

所属:なし



・・・・見事に嘘だらけである。

名前以外は完全な嘘で、名前もほぼ偽名だ。

偽名の由来はTはTACHIBANAのTでヴィエントは銀の風からきており、リチアさんから頂いた。

イツキという名前はいくらでも誤魔化せるそうなので、そのままだ。

この数日、自己紹介の練習をしており、嘘がばれないように一瞬の揺らぎも見せずに喋るのは結構難しい。



 この村にいるのもあと数日だ。

満喫しよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。