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ジュウシンソウの秘密

 待っていた……この時を!!!

オレたちはジュウシンソウ破りを実行するため、各々行動を開始する。

闘う前から決めていたその作戦を実行するのに合図なんていらない。

 悪いと思うが、プラータさんをおとりに使わせてもらった。

オレたち全員から注意が逸れるので、実行しやすいと考えたからだ。



 たとえ殺さずに勝ってもオールさんはその狂気からは解放されない。

ジュウシンソウを破り、その狂信を断たなければならないのだ。

 プラータさんはそれをするためにあえてジュウシンソウを撃たせて回避していた。

彼女の実力なら撃たせずとも、その防御を貫き、勝つことが出来たと思う。

オレたちにはそんな芸当は出来ない。

だから正面から打ち破ることにしたのだ。



 オレは始め、ジュウシンソウの事を獣の神の爪で獣神爪だと思っていた。

だが、違うのだ。

これは獣の振るえる爪で獣振爪なのだ。

 オレの世界で超音波カッターという物がある。振動で切断力を高めるカッターで、獣振爪の原理はおそらくそれと一緒だと思う。

 斬撃が飛ぶ理由はわからなかったが、異世界特有の物理法則があるのだろう。何か目で見えない物質が斬撃の衝撃を伝播しているのかもしれない。

生身でそれが実現できるのはさすがだと思うが、種が分かれば防ぐ方法も見えてくる。



 振動が切断力を産み出すのならそれを止めてやればいい。

その役割を果たすのは黒銀の操弦だ。

オールさんの腕に弦が絡みつき、振動を押さえつける。

 このとき動きを阻害せず、振動だけを止めなければならない。

動きが阻害されたら、オールさんが弦を切ろうとするからだ。

 オレの見立ては正しく、弦から振動が伝播しており、イリスの体が細かく震えている。

一人では押さえ切れないことは予測済みだ。

イリスに覆いかぶさりシルバーも振動を押さえるのに参加する。



 仕上げはオレだ。

動きを阻害しない程度の拘束では、完全に獣振爪を止めることはできない。

それを受け止めるのはオレの役目だ。

 白極を使い、受け止める。

オレの体に獣振爪が迫る。失敗したらオレだけでなく、プラータさんも真っ二つだ。

絶対に失敗できない、失敗してたまるか!!!


銀狼の咢・改!!!


 前のこの技は上半身と下半身で分けて使ったのだが、これは右半身と左半身で分けて使う。

上下では挟むことが出来る物は限られているが、横の方が多くの物を圧殺できるので、改良したのだ。

 そして、獣振爪と銀狼の咢はぶつかり合った。

凄まじい衝撃が体に襲い掛かる。


止まれぇぇぇぇぇ!!!!



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