三位一体
オレたちのコンビネーションはなかなか様になっていると思う。
三人で一つの敵と戦うのは始めてだが、いい感じでオールさんを翻弄できている。
イリスを隠して戦っていた時は、オレが読み違え、シルバーのフォローも間に合わなかった場合、攻撃を喰らっていたのだが、今はイリスもフォローしてくれるので、その確率も減っている。
もちろん、フォローされているだけではなく、二人のフォローもしているのでおあいこだ。
少し精神的に余裕が出てきたので、やってみたいことが実行しよう。
今のオレたちなら成功出来るかもしれない。
オレはイリスにはアイコンタクト、シルバーにはハンドサインを送り、ある地点で待機する。
そこに向かうまで進路にいい感じの石があったので、拾っておいた。
まずは牽制の一球だ。
動きのイメージはテレビで観た速球型のプロ野球選手だ、当たるかどうか分からないが、拾った石を全力で投げる。
少し描いていたイメージとずれてしまったが、ほぼ狙い通りオールさんに向かって飛んでいく。
石が当たってもオールさんには効果がないと思うが、偶然目に当たる軌道を描いたために、オールさんも思わずスウェーバックして躱したようだ。
そこにシルバーが全速力の体当たりを仕掛ける。
石を回避したため、わずかに反応が遅れていたが、オールさんは腕を振り上げ、カウンターの一撃を加えようとしていた。
本来なら、シルバーも急停止して回避するのだが、構わずに直進する。
シルバーへの攻撃はイリスの弦により、強制的に停止させられることが分かっているからだ。
引きちぎろうとしているが間に合わず、無防備なその体に体当たりが命中し、オールさんの体は吹き飛ばされる。
そのぶっ飛ばした先にはオレがいる。
大きく深呼吸をして、全身から力を最大限まで引き出す。
打ち破ってみせるさ、その肉体を!
烈豪!!
烈豪はまだ未完成だが、オレが今使える最大威力の技である。
白との戦闘の最後で一度成功したっきり一度も成功していないが、失敗してもその威力は折り紙付きだ。
オレの烈豪とシルバーの体当たり、二つの力はオールさんの金剛の肉体を破ることに成功し、拳から骨を砕く感触が伝わる。
オレの体の奥底から歓喜の感情がとめどなく沸き上がり、ガッツポーズをした。
三人がかりとはいえ、ダメージを与えることに成功した。
それもジュウシンソウを放った直後でもなく、傷口を狙ったわけでもない正面から打ち破ったのだ。
喜ぶのは当たり前だろう。
イリスも宙を舞い、シルバーも大きく吠えることで喜びを表現していた。




