作戦発動
ジュウシンソウは躱せているが、それ以外は時々命中する。
全力で予測しているのだが、読み間違えることもあるのだ。
シルバーがフォローしてくれているので、行動不能になる程の一撃は受けてないが、蓄積されているものも馬鹿には出来ない。
現在、ある作戦を実行するために、いろいろと準備を進めているが、今のところうまくいっている。
一番のネックだったポイントもクリア出来ているが、そろそろ限界だな。
一旦、オレとシルバーはオールさんから距離を取った。
距離が空いたら、そこにジュウシンソウが飛んでくるが、分かっていたので躱せる。
もし、両腕が自由に動けば、連発されて追い詰められるが、単発ならオレでもどうにかなる。
それじゃあ、作戦発動と行きますか。
「こっちだ!!」
まずは大声を出して、注意を少しでも引きつける。
さらに、わざと足で地面を強く叩き、足音を大きく響かせ、オールさんに近づく。
足を止めずに右腕をコートから抜く。
これはコートを着ているキャラが使う手だ。
オレが知っているだけで二作品はある。
そして、オレは待ち構えているオールさんの視界を塞ぐようにコートを投げた。
名付けて、秘技・コート包みだ。
コートはオールさんの顔を覆う。
実はコートを脱ぐのは少し怖かった。
このコートは白が遺しただけあって、オレにとっては超高性能だ。
強度は高く、あらゆる物理耐性を持ち、魔法にも耐性がある。
さらに再生能力もあるのだ。
これだけならすごい装備だが、実は最悪のデメリットがある。
それはロスト化だ。
コートを身に付けている者を一時的ではあるが、強制的にレベル以外をロストさせる。
だから、オレとイリス以外では価値がない産物なのだ。
コートを脱ぐということは、攻撃に対して無防備になることと一緒になる。
それでも、必要なことなので躊躇わなかった。
これでオールさんの視界は遮られ、オレの姿を見失ったはずだ。
その間に、負傷している足の方へと回り込む。
ここからなら蹴りは飛んでこない。
だが、オールさんにそれは読まれていたみたいだ。
コートから逃れた彼と完全に目が合う。
ジュウシンソウの体勢に入っており、このままじゃ避けられない。
それを阻止するためにシルバーが飛び掛かるが、それもバックステップを踏み、躱される。
わずかに発動を遅らせることしか出来ていない。
オールさんの表情は勝利を確信するように笑っていた。
まさに絶体絶命……だと思ったか。
あなたは忘れている、オレの最高の相棒を。
躱されたシルバーの背に隠れていたイリスがオールさんに飛び掛かる。
その爪は黒い光を帯びていた。
ジュウシンソウを放つよりも早く、【破壊】の爪がオールさんに襲い掛かった。
どんな優れた防御力もこれの前では無力だ。
その爪は左肩から右脇腹まで斜め一閃した。




