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VSオール5

 オールさんはその怪力でシルバーを引き剥がそうとしているが、シルバーも死にもの狂いが噛みついているので、なかなか剥がせない。

オレも攻撃に参加しよう。

シルバーを引き剥がすのに必死になっているので、オレへの意識が弱くなっている。

そこを狙わせてもらう!



 もう少しだけ耐えてくれよ、シルバー。

拳を作ろうとしたが、途中で思い直し、指を伸ばし貫手の形にした。

狙うのは右足の傷だ。

拳よりも貫手の方が抉りやすいだろう。

不安なのは、あまりやったことがないことだ。

 プラータさんに拳と指先の鍛錬法を教わって、実践してきたが、拳の方に時間を割いてきた。

指の方を疎かにしてきたわけではないが、練度は拳に比べると低い。

だが、多少の賭けに出ないと勝てないのだ。


地砕墜・突!!!


右指に力を入れ、傷口に振り下ろすのと、オールさんがシルバーを引き剥がすのに成功したのはほぼ同時だった。正確にはオレの方が早かったのだが。

 オールさんの野太い悲鳴が耳に入る。

生き物の悲鳴は耳触りが最悪だが、男の悲鳴はさらに不快感があると思うのはオレだけだろうか。



 この技は白との戦いで、彼?が地面にクレーターを作った技の貫手バージョンだ。

地砕墜自体は修業で闘ったアルマジロに似た硬い鱗を持つ魔物相手に使ったことがある。

尻尾を思い切り踏みつけて、地面に固定した状態で打ったのを思い起こした。

この技は白極の技で五本の指に入る威力がある。

その威力は傷口の上からとはいえ、オールさんにダメージを与えることができた。



 だが、やはり鍛錬不足だったみたいだ、中指が痛む。

この一ヶ月で毎日のように骨折していたので、何となく骨折していないと分かるが、この戦闘中に右の貫手は使えないな。

まあ、これぐらい損傷で得られた成果は大きいから、良しとしよう。

引き剥がしたシルバーに追い打ちを掛けることができず、ただでさえ大きかった右足のダメージがさらに酷くなり、もはや左足一本で立っているように見える。

限りなく可能性は低いが演技の可能性は否定できないので、油断はできない。



 もし、演技だとしたら世界で賞が狙えるレベルだと思う。

プラータさんならあり得るが、オールさんにこの演技が出来るとは思えないのだ。

この一ヶ月でオールさんの不器用さは何度か目撃していたから。

一ヶ月前のドアの破壊はいい例だ。



 やはり、どれだけのダメージを与えても、その戦意は衰えない。

気を抜くことが出来ない闘いはまだまだ続く。

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