VSオール
オールさんを三人で三角形を描くように取り囲んだ。
彼の正面にいるのはオレで左右後方にイリスとシルバーがいる。
殺すならイリスと一体化して【破壊】を使うのだが、不殺をするのなら威力が高すぎる。
あれはあらゆる防御力や耐性を無意味にするからだ。
シルバーがオレ達の中で最も攻撃力があるが、オールさんの防御を貫けるほどではないと、ジェスチャーで伝えてくれた。
シルバーではジュウシンソウにカウンターを合わせるのはできないようだ。
オールさんにダメージを与えることができる可能性があるのはオレのカウンターとイリスの単独での【破壊】だけ。
だが、イリスにはオールさんと接近戦をすることができない。
それを悟られたら、攻撃がオレに集中し、あっという間に負けてしまうだろう。
悟られずに、オールさんの攻撃を散らしていくのがオレたちの作戦だ。
オールさんがジュウシンソウの体勢に入った。
心なしか動きがぎこちない。
それほどプラータさんの与えたダメージが大きいのだろうな。一瞬ためらっているのかと思ったが、それはあり得ない。オレよりも長い付き合いであるプラータさんをためらいもなく殺そうとしたのだから。
振り下ろされたジュウシンソウがオレに向かって飛んでくる。
この距離なら見てからでも躱すことが出来る。
横にステップを踏み、躱した。
地面に着地すると同時に、渾身の力で地面を蹴り、オールさんに肉薄しようとするが、それを阻止しようとオールさんが前蹴りを繰り出してくる。
とっさに回避しようとしたが間に合わず、命中してしまった。
オレを近づけないようにするための蹴りだったのと、ジュウシンソウを放った直後だったため、ろくに力がこもっていなかったが、高レベルであるオールさんの蹴りだ。
威力は十分あり、体勢が崩れる。
追撃を加えようとオールさんが近づいて来ようとしたが、イリスの弦がそれを阻止してくれた。
「小癪な真似を!」
弦を引きちぎろうと力を入れるが、その隙にシルバーの爪撃がオールさんに襲い掛かる。
だが、シルバーの力ではオールさんの防御を破れない。わずかに後退させただけだ。
しかし、オレの体勢を立て直す時間を稼いでくれた。
「ありがとう。二人とも」
「しっかりしてよね」
叱られてしまった。少し焦り過ぎていたみたいだ。
格上なんだ、慎重になおかつ大胆にいこう。




