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不出来な

☆プラータ視点


 ジュウシンソウ・・・その一撃で形勢逆転された。

私が持つスキルの中で最も一撃の攻撃力を持つスキルで相殺しようとしたのだけれども、破壊力の格が違い過ぎた。

 即死はしなかったものの、そのダメージは深刻だわ。

体から血が流れ出しており、とてもじゃないが戦える体ではない。

意識が徐々に薄れてきており、死が近づいてきているのが理解できる。



 私はエチアの木にもたれかかり、確認するように撫でる。

よかった・・・木には傷一つ付いていない。


ごめんなさい、姉さん・・・・。

 結局、私は姉さんの意思を継ぐことができず、姉さんと同じ形で死のうとしている。

もし姉さんだったら、こんなことにはならずに、オールを殺せたと思う。

姉さんは失敗を繰り返さない人だったから。

やっぱり私は不出来な妹だったわね。



 私は負けた時のために、シルバーに命令を出しておいた。

この状態のオールと二人を一緒にしてはいけない。

だから、私が負けたら二人を連れて全力で逃げるように指示を出しておいた。

シルバーはまだ大人になったばかりとはいえ、消耗しているオールから逃げることぐらいはできるはず。

二人をよろしくね。



「せめて一撃で楽にしてやろう。」

 そう言って、オールは一歩ずつゆっくりと私に近づいてくるが、そんな心遣いはいらないなぁ。

彼らがここから逃げる時間は少しでも長く欲しいから。抵抗しようと思ってももう出来ない。

 死ぬのはもちろん怖いけれど、それ以上に心残りが大きい。

その心残りの大部分はイツキ君たちだ。

二人の旅立ちを見届けないのはとても残念だわ。

顔を彼らの方に向けるが視界が霞んできており、良く見えない。

もう逃げたのかしら、だとしたらうれしい。


 

 木を背もたれにしても立っていることもつらくなってきた。

足から力が抜けて徐々に目線が落ちてきていた。

あと少しでお尻が地面に付くというところで誰かに体を抱き留められた。

 霞む視界では輪郭と色程度しか分からないけど、その色からすぐにそれが誰か分かった。

その白色はイツキ君に違いない。

声を出そう力を振り絞ったのだけど、音が出なかった。

シルバーは何やってるの。二人を村から連れ出すように言ったのに。


 気のせいだったのかもしれないけど、ぼやけた視界の中でも彼の瞳だけは何故かよく見えた。

その目に宿る意思は国を分けることを決断し、戦いに身を投じることを決意した姉さんの目を思い起こさせた。

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