らでん会議2
「仮定の話をします。二十年前に木全と鈴木、そしておそらくあと一人か二人が草森さんと今井さんの事件に関与しました。今井さんに罪を着せて殺害して遺棄した場所は果たしてどこか——」
千早は三人を見回して問い掛けた。
「やはりゴミ処理場ではないでしょうか」
音尾が手を挙げて発言した。
捜査会議の癖だろうか。
千早の口角が少しだけ上がった。
「ゴミ処理場のどこでしょうか」
ゴミ処理場の敷地は広い。
鈴木遺体が発見された森林公園の一角にある植物園はゴミ処理時の熱を利用している
「そうですね......」
地図アプリを開いて音尾はピンチアウトをして考え込んだ。
「ゴミ処理場はネガティブなイメージがあるので、運動場や排熱を使った施設が併設されるんですよね」
千早の言葉に「植物園の土の中?」と高木が首を傾げながら言った。
「熱帯植物の下には死体が埋まっている?」
隣の島田が高木を見た。
「梶井基次郎じゃないですか、それじゃぁ」
千早はそう言って笑った。
「千早さん。例えばですが、焼却炉がある本丸は埋める為に侵入するのは難しいと思うんですよ」
音尾はやはり手を挙げて発言をした。
千早は音尾の発言に目を輝かせて「根拠はなんですか?」と質問をした。
「当時の話なのですが、やはり建設反対派が居てデモや妨害をしていたのですよ。特に焼却施設はその標的だったので、民間警備会社や防犯カメラを使用していたと記憶しています」
「ありがとうございます、音尾さん」
千早は敬意を込めて頭を下げた。
「なんだよ、へっぽこかと思ったけど意外とシゴデキだな」
高木は音尾に憎まれ口と賞賛を贈った。
ここは見ていて面白いと千早は思った。
「と言うことは、焼却施設以外。——ううん、主要設備以外が遺棄対象ですか」
島田の言葉に「そうなりますね」と千早は言った。
そして一度、手をポンと叩いた。
「では、遺棄現場は主要設備以外としましょう。まだ見ぬ共犯者はどんな人物でしょうか?」
「車は運転出来そうだな」
高木がそう呟いた。
「そうですね、確かに遺棄には必要なスキルですね」
音尾が高木の推理を支持した。
「現場の関係者ではないでしょうか」
続けて音尾はそう発言した。
「土地勘的なものですか?」
千早がそう言うと「そうです。そして遺棄は深夜でしょう。深夜に素人が動き回れるほ安全では無いです。現場関係者が犯人グループに居ると思います」と音尾は言った。
「流石ですね」
千早は拍手を贈った。
「では共犯者Aは運転が出来る現場関係者。もしくは共犯者は運転ができる人。共犯者Bは現場関係者ということになりますね」
千早は二十年前の事件をそう整理すると
再び三人を見回した。




