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赤に染まって



「嘘」


口から虚実が出るからそう言うのだろうか。





僕は、大切な人に決まってだが

なんとなくそれが分かってしまう。



それほどによく見てるからなのだろうか。

理由は分からない。




ここ最近奥さんの様子がおかしいような気がする。




そんな事を思っていた。


過去に3回、元彼と連絡を取って好きだなんだとやり取りをしていた事がある。


不安ばかりが積もっていく

正しく処理されることも無いまま。


正直苦しい。


離婚問題にも発展した。



不安をぶつけてみた。


誰かと連絡取ったりしてない?


「取ってないよ。」


正直違和感しかない。

信用出来ないってこんな感じなのかと。


前回この問題が起こったあと。

不安になってしまう事をぶつけた。


「謝ったし連絡先だって消したじゃん、不安になられても」


そりゃ好きで不安になってる訳じゃ

もちろんないけど


正直それが3回続けば今まで通りされてても

不安が拭える訳ではないと思う。


相手が県外の人で良かった

近くだったらもっとひどい事になってただろうな


なんて微塵にも思えない

言い聞かせで自分を慰めた。


悪いとは思ったが、安心材料が欲しくて

奥さんのスマホを見てしまった。


本当に何も無かったら気のせいだったんだと

安心して終われると思った。


けど違った。


1回目はLINE。


2回目はショートメッセージ。


3回目はLINEの名前を変えてやり取りしていた。


もちろんそれぞれに電話がセットで付いていたのだが。



今回はなんとバーコード決済の送受メッセージでやり取りしていた。


鼓動が早くなる。

もちろん悪い意味でだ。


今すぐ投げ出したい衝動を何とか抑えながら

画面を数枚写真を撮った。


奥さんのスマホを置いて。

寝ている奥さんの横から離れた。


吐き気がした。

頭がふらふらしていた。


気付いたらカッターで左の二の腕を何度も切っていた。

別に死にたくて切った訳じゃない。

僕はこれの常習犯だ。

初めてしたのは高校生の時だったが。


床に血溜まりが出来ていく。

流れる赤をただぼんやりと見ていた。


涙は出ない。

代わりにただただ、赤だけが流れていく。


もう無理かもなぁ。


そんな気持ちが湧いてくる。


好きだなんだとやり取りされていたのはもちろんだけど

嘘をつかれ続けられた事も限界がきている。



何を信じたらいいのだろう。


夜明け前に奥さんが起きてきた。

僕を見てため息をついていた。


それはそうだろうと思う。

〇〇の事好き??

「なんで?」

連絡取ってたね


「…。」


その後色々話はしたが

正直ショック過ぎてあんまり覚えてない


お金をくれるからだとか

僕の不満を話す相手が欲しかったとか

言っていた気がする。



床を掃除して

奥さんにガーゼと包帯を巻いてもらった

僕はそのままでいいと言ったが

布団が汚れるからと言われた。


奥さんはその後眠ったが



当然僕の方は眠れるはずもなかった。

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