表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/16

第7話社会人を舐めてはいけない。代わりに飴にしとこ?

だいぶ期間空いてしまってすみません。

トモコレが楽しくてさ。


「続いてのニュースです。最近虚楽制圧部の隊員を語り、金銭を騙しとる詐欺が多発しています。」


そんなテレビの声を聴きながら、あたしたちふたりは、目の前の通帳に頭を抱えていた。早くも、てっぺん組解散の危機。


「え?なにこれ?この小説のPVより少ないよ?主人公交代に留まらず、タイトル変更の可能性も出てきたよこれ?まだ給料日まで一週間あるぜ?」


「こ、ここからが本番よ!こんなこと何度もあったし。マイナスじゃないだけまだマシだわ。」


「こんなこと何度もあってたまるか!」


「ま!ここから一週間生き抜く為の特別任務用意してるから!いまからレッツラゴー!」





第八課支部のある街、志都呂町ーー。

商店街が入り乱れる、活気ある街だ。


「ねえ、聞いた?今朝ここを誠刃隊が通ったんだって!!」


「え!?私も見たかったわ〜!帰りもここ通るかしら……?」


町娘たちの女子トークを他所に、あたしたちは古い民家にたどり着く。


駄菓子屋「瑚白」ーー

特別任務「短期アルバイト」でお世話になるところ。


「お空、これで何回目じゃ。いい加減、兄貴たちにヘルプミーしたらどうじゃ?」


「それは勘弁してよ、こーちゃん。」


「おい、空。この爺さん、ほんとにここの店主か?ヤクザの親父じゃなくて?」


サングラスにパリッとしたスーツ。真っ直ぐ伸びた背中。確かに見た目は、そちらの方だけど。


「おい小僧、見かけん顔だな。いいもんやろう。なに、挨拶がわりだ。」


差し出されたのは、タツノオトシゴの飴細工。店主こーちゃんこと、瑚白草馬(こはくそうま)は、このギャップ萌で生活してると言っても過言では無い。

茨は目を輝かせて受け取ろうとする。


「いいんですか!ありがとうございm……」




「見つけたぁぁぁ!!!!!!」


突然背後から声が聞こえ、少女が斬りかかってきた!

即座に刀を抜き受け止める。

背の低い、耳の先が尖ったエルフ族の娘だった。隊服を着ている。


「一体何事じゃ!?突然過ぎて読者もついて来れんわい!!」


「いや俺達もついていけてないから!それよりこーちゃんは危ないから下がってなっ」


茨は咄嗟にこーちゃんを庇う。


「安心してっご老人!この詐欺グループは私が成敗するからっ!ココ最近、世間を騒がしてる偽隊員による詐欺、あなたたちの事でしょ!?」


娘はそう言うと、至近距離で弓を構える。どうやら、飴を騙し取ろうとしていると勘違いしたらしい。


「はいはい、落ち着いて〜!そんな物騒な物も、こんな路上で晒すもんじゃないわ。あたしたちは第八課。ここに短期アルバイトに来てるのよ」


「飴も、ワシがそこの小僧に挨拶がわりにくれてやったもんじゃ。」


隊員証を見せつける。

この子、格好を見る限り、青年部ってところか。でも、青年部は学生の組織なのに、そんな犯罪者捕まえるような危なっかしい事するのかしら。確かに集金活動は隊則で禁止されてるけども。


「ほ、本物……。なんだ……今度こそ捕まえられると思ったのに。正隊員への道がぁ……」


「誤解が解けたようで何よりだ。飴も無傷だし。」


茨、相当気に入ったのね飴。


「とんだ迷惑掛けちゃってごめんなさい。私は青年部1年生、琴吹(ことぶき) (てる)っていいます。詐欺グループ捕まえたら正隊員になれるって聞いて……」


ん?


「ところで、お爺さん。今、その犯罪者捕まえるための協力金を募ってるんだけど、力貸してくれませんか?」


・。


「「いやアンタが詐欺師!!!!!!!」」


危ない、自然な流れすぎてそのまま流されるとこだった。


「え?私はただ、犯罪集団捕まえる部署に勧誘されて、その入隊条件が色んなお店に行って協力金集めることで……」


「そんな新興宗教みたいなことしてないわ制圧部。」


照と名乗るエルフ娘は顔を怖ばらせる。

お粗末な課金で隊員になれるほど、この世は甘くない。この子はそんな単純な詐欺に引っかかるくらい、正隊員になりたかったのか……それともただの馬鹿なのか……


「そうか……犯人は身近にいたんだ!!教えてくれてありがとう!今から騙したヤツら詰めてくるっ」


どうやらどちらも正解のようだ。

茨が慌てて止めにかかる。


「待ってくれ、お前さんまだ青年部だろう?そんな危険なこと…」


そう言いかけて腕を掴もうとした瞬間、


一瞬で茨のタツノオトシゴに弓の先を突きつける。


「そのタツノオトシゴの首落とされたくなきゃ止めないで。私は犯人とっ捕まえて、早く正隊員にならなきゃいけないの。早く認められないといけないの。私はちゃんと、戦えるっ」


照の淡々とした口調、殺気立った目。幼く見える見た目からは想像できないようないような、底知れない決意。

浅はかで、我儘で、無謀な勇気。


「私だけが奴らのアジトを知ってる。私一人で手柄立ててやるんだから!手助けは無用。」


照はあたしたちにそう叫んだ後、すぐに走り去ってしまった。


「……良いわ。今に見てなさい。社会人の本気の課金ってやつをね。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ