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第4話 隊長?こんな激務に付き合えんの俺だけだから!!

いつもなら簡単に倒せるレベルの零徒も、今はそうはいかない。


『血が足りてないんです。』


看護師がそう言ってたっけ。

視界はやけにボヤけるし、

ただでさえ1本しかない腕にも

力が上手く入らない。



だがーーー



そんな事言ってられない。

今の俺は一般通過零徒にも手こずっているんだ。

これじゃあ零徒となった隊長を迎えに行くことはできない。



あの人は……とても強かったから。


いつも先頭に立って、

ひとりで突っ込んで行って…

いつの間にか居なくなってて……

「おう、探したじゃねえか!!いっつもみんな迷子になるなー」って

いや、アンタが迷子になってんだよ……



……そう思うと、やっぱりいつもと変わらないかもな。


「ふっ。」


思わず思い出し笑いをしてしまった。

おかげで再び心に暖かいものが流れ込んでくる。


「ここにいるのが零徒だけでよかったぜ。悪いが今の思い出し笑い、見なかったことにしてくれっ!!」


周りを取り囲んでいた零徒の一体に一発弾を打ちこむ。


その銃声を仕切りに、周りのヤツらは一斉に襲いかかってくる。


振り抜いた刀身の根元、

引き金に指をかける。


斬撃は届かない。

その代わりに引き金を引く。

そして即座に斬り込んでいく。



「うぐぅっ……ハアハア……」


敵は全て片付けたが、今ので傷口が開いてしまった。

包帯に赤い染みが広がっていく。



その時ーー



「グォォォォォォ!!!!!!!ガルルルルルッ!!!!!」



凄まじい咆哮が耳をつん裂く。



一瞬で空気が変わる。



目の前の空間が裂け、

中から零徒が出てくる。




明らかにさっきまでの零徒とは質が違う。

図体も馬鹿でかい。


ガシャン!!


腕一振で瓦礫を吹き飛ばしてしまった。




この零徒は……間違いない。



「隊長、おいたはそこまでにして、そろそろ帰りましょうぜ」


その零徒は……隊長の刀を持っていたから。


が、鞘から刀を抜く前に、目にも止まらぬ勢いで瓦礫に突き飛ばされた。


「がはっ、たい……ちょう……っ!」


骨が何本かやられっちまった。

呼吸すら痛む。


己の血で世界が赤く染っていく。


すっかり変わり果てた隊長と目が合った気がする。

その化け物をぼんやりと見つめながら今更ながら実感する。


(ああ……もう……そうか……)


足が、勝手に動いて立ち上がる。

自分のどこにそんな力があったのか分からない。


だけどーーー

そんなのはもう、どうだっていいんだ。



「うぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」


銃に詰めた弾を全て捨てて斬りかかる。

いつもと変わらない、訓練の時みたいに。


今からあなたを苦しみから救う。

これは侍の介錯なのだから。




反撃する隙を与えないよう、連続で打ち込んでいく。


「もう、終わりにしよう……隊長」


今出せるありったけの力を込めて、その首に斬りつける。


「なっ?!」


手応えが、ない


まるで斬れていない。


一瞬の隙に地面に叩きつけられる。

もう、起き上がれない。


零徒は隊長の刀を振り被る。


全く似ても似つかないのに、隊長の顔が重なる。




ーー静かに目を閉じる。




すまない……みんなーー




結局、




約束ーー


果たせそうにねえや……









「今度こそ本気でミイラにでもなるつもり?」




キーーーン




甲高い音が響く。




重たい瞼をこじ開けると……




そこには隊長の刃を受け止めた少女がいた。


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