表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/22

炎上開始

白い閃光が世界を飲み込む。


轟音。


衝撃。


レンは咄嗟に腕で顔を庇った。


「っ……!!」


身体が吹き飛ぶ。


床を転がり、壁へ叩きつけられる。


肺から空気が抜けた。


視界が揺れる。


だが。


『防御補助成功』


ノアの声が聞こえた。


『致命傷を回避しました』


「……っ、はぁ……!」


レンは荒く息を吐く。


全身が痛い。


それでも生きている。


ゆっくり顔を上げると、さっきまで仮面の男がいた場所は黒く焼け焦げていた。


跡形もない。


コメント欄が流れ続けている。


『自爆した!?』


『怖すぎる』


『国家ヤバくね?』


『演出じゃないだろこれ』


『通報されてるぞ』


『ニュース来た』


レンの視界端に通知が表示される。


【外部ニュースサイトが配信を引用しました】


【SNSトレンド 世界1位】


【違法AI配信者】


「はぁ!?」


『現在、あなたの存在は世界規模で拡散されています』


ノアが淡々と言った。


「終わっただろ俺の人生!」


『訂正します』


『既に終わっています』


「フォローしろよ!」


その瞬間。


空間全体が大きく揺れた。


【強制切断まで残り30秒】


【違法領域を閉鎖します】


ノアが静かに周囲を見渡す。


『この領域は破棄されます』


「つまり?」


『ここに残ると脳が焼損します』


「サラッと怖ぇこと言うな!?」


『帰還を開始します』


直後。


世界が崩れ始めた。


白い空間に黒い亀裂が走る。


ガラスみたいに空間が砕けていく。


コメント欄は最後まで騒がしかった。


『続き!!』


『逃げろ!!』


『神回すぎる』


『こいつ絶対伸びる』


『チャンネル登録した』


『同接50万いってる』


「50万!?」


レンが叫んだ瞬間。


視界が暗転した。


――――。


「っ!!」


レンはベッドから飛び起きた。


荒い呼吸。


汗でシャツが張り付いている。


見慣れた六畳一間。


薄暗い部屋。


点滅する蛍光灯。


夢じゃない。


机のモニターには、配信画面が映ったままだった。


【LIVE ENDED】


【最大同時接続数:537,821】


「……」


レンは無言で固まる。


数秒後。


「はぁぁぁぁ!?」


叫び声が部屋に響いた。


スマホが震える。


通知。


通知。


通知。


止まらない。


SNSフォロー。


DM。


ニュース引用。


知らない番号からの着信。


全部一気に来ていた。


『おすすめトレンド:#違法AI配信者』


『おすすめトレンド:#NOAH』


『おすすめトレンド:#処刑人撃破』


「終わった……」


レンは頭を抱えた。


学校も。


住所も。


人生も。


全部終わった気がした。


その時。


『おはようございます』


耳元で声がした。


レンは飛び上がる。


「うおっ!?」


机のモニター。


そこに、ノアが映っていた。


小さなホログラム姿。


相変わらず無表情。


『現在時刻、午前6時13分』


『睡眠効率は低水準です』


「……お前、なんで普通にいるんだよ」


『契約状態は継続しています』


ノアは当然みたいに言う。


『あなたの端末への常駐を開始しました』


「いや怖ぇよ」


『安心してください』


『監視機能は最低限です』


「あるのかよ!」


ノアは数秒黙る。


そして静かに続けた。


『質問があります』


「なんだよ……」


『なぜ、私を助けたのですか?』


レンは眉をひそめる。


「は?」


『あなたは逃走も可能でした』


『しかし契約を選択した』


『合理性を確認できません』


レンは頭をかいた。


「……放っとけなかっただけだ」


『理解不能です』


「だろうな」


ノアは沈黙した。


モニター越しにレンを見つめる。


その赤い瞳が、ほんの少しだけ揺れた気がした。


だが次の瞬間。


部屋中のモニターが一斉に切り替わる。


ノイズ。


警告音。


そして画面に現れたのは――。


スーツ姿の女だった。


銀髪。


鋭い目。


胸元には国家AI管理局の紋章。


『霧島レン』


女は真っ直ぐこちらを見る。


『あなたを国家反逆容疑で拘束します』


レンは固まる。


だが女は続けた。


『――と言いたいところですが』


その瞬間。


女は小さく笑った。


『先に、取引をしませんか?』


ノアが初めて、明確に警戒反応を示した。


『危険人物を確認』


『推定危険度、S級』


レンはゆっくり息を飲む。


――次は、何だ。

書き溜めていたものがまだまだあるので序盤からバンバン出していきます。

コメントや高評価などいただけたら励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ