【料理長】タラン・チャーネルド
先に向かった筈なのにマスターに追い越されてしまった。マスターに追い抜かれた私は今以上に速度を上げた。そしてマスターの元まで辿り着くと、
「タランよ。妾はシャドウの相手をしてくる。ここは任せたぞ。」といい、エルフを私に預け行ってしまった。
任せた?マスターが私に?嬉しい!まさに誠歓誠喜。
ではマスターのご期待に応えるしよう。と思い私が下に降りようとすると、
「タラン様で宜しいでしょうか?」とエルフが私に話しかけて来た。
私は頷き「貴方は?」と質問した。
私は名前を聞いていないから知らないのだ。
「フーリス・ニィド・バイオレットです。」
「タラン・チャーネルドです。ではマスターの期待に応えるべく頑張りたいと思うのですが、マスターに褒められたいのでしばらく一人で戦ってもいいですか?」
「私は王族です。民を助ける為私も戦います。」
「すいません。では言い方を変えます。フーリス様は国民を守って下さい。私が攻めます。」
「そういう事なら分かりました。ですが国民の安全の確保ができ次第私も戦います。」
「ではそれで行きましょう。」
そして、私は雲に引っ掛けていた糸を切り地面に落ちた。
「な、何だいきなり!」「空から来たぞ!」「敵か!」
「ふふふダークエルフの皆さん初めまして。私は、この世で最も可愛いお方に使えし、タラン・チャーネルド。それではコレより調理を始めます。」
【スキル 蜘蛛の巣】
蜘蛛の巣。タランの持つスキルの一つ。自身にとって優位な空間を作り出す。この空間の中では、タラン以外は全てが食材で調理されるしかないのだ。
「微塵切り!賽の目斬り!千切り!乱切り!半月切り!」
空間の中でダークエルフ達は次々と処理されて行く。
「つまらない調理ですね。もっと歯応えのある食材はいないんですか?」
「調子に乗るなよ蜘蛛女!俺はダークエルフ軍の王直属護衛軍が1人、ダスケル・マーディスだ。ダークエルフ1の剣技受けてみろ。」
そしてダスケルはタラン目掛けて斬撃を飛ばした。だが、
「つまらないですね。スパイスのつもりならもっと刺激の強い物にして下さい。」
ダスケルが繰り出した斬撃がタランに当たる次の瞬間、ダスケルの首は飛んでいた。
「フライ返し。どうですか?自分の斬撃は美味しかったですか?」
「しかし数はまだだいぶ多いですね。少しだけ本気の技を見せて上げましょう。」
するとタランは隠していた包丁を取り出した。
「私の愛刀、タラトネラス。最高の鍛治神が生み出し包丁です。見て下さいよこの輝く刀身を……何で誰も反応しないんですか?」
「……」
「あーそうだった。私がキッチンで唾を飛ばされるが嫌でレベル500以下は口が糸で塞ぐように設定してましたね。失敗失敗。まぁじゃあ刀身の輝きも見せた事だし腐った食材をとっとと処分するとしますか。」
「極微塵切り!」
次の瞬間結界内にいた全てのダークエルフが細々な肉塊へと姿を変えた。
「コレでだいぶ数を減らせましたかね?フーリス様?そちらの様子は如何ですか?」
「極煉獄球!」魔法を放っていた。フーリス様は魔法を放っていた。ダークエルフの王子が来たようで始末したようだ。
しかし今の魔法凄い威力だ。当たれば大ダメージだ。魔法の威力だけならマスター以上の威力。凄まじいな。そう思いながらフーリスの元まで近づき
「国民は無事でしたかフーリス様?」
「タラン様。ご無事でしたのですね。国民は皆保護しました。」と言っていた。
コレで全員か。たったの100人。いや100人も残ったと考える方がいいのかも知れないな。とりあえず、
「料理を作ります。それで体力を回復して貰います。」
タランのスキルの一つに殺した者を食材に変えると言うスキルがあるこれは殺した者の強さで食材のレベルが変わるのだが今殺したダークエルフ程度では最低限の食材しか手に入らなかった。
ふむどうしたものか。この食材でも最高の料理は作れるが、疲労困憊しているエルフが多いのでもっと元気になれる料理を作って上げたい。しかしダークエルフの中には強い戦士は居なそうだな。
少し探してみるか。
【美食探知】食材を探すスキルだ。また殺した相手を食材に変えるタランが使うと敵の探知にも使える。
………………大きな反応が一つ。コレはレベル999か。しかしレベル999にしては小さい。つまりコレはプレイヤーでは無いな。つまり、NPC。なら狩るしか無い。
「フーリス様。良い食材を見つけたので狩ってきます。食材を手に入れ次第料理を始めるので皆さんに手洗いうがいをするよう伝えておいて下さい。」
とフーリス様に伝え、私は美食探知が反応した場所まで向かった。道中にはまだダークエルフが居たので、狩の前の補給として捕食しておいた。
そして、「思ったより美味しそうな食材ですね。コレは料理のしがいがありそうです。」と見つけたNPCに声をかけて、
「ではいたただきます。」




