ソフィアーナは故郷へ帰る!
うちが衣装室をでると、そこには直立不動で敬礼しているショートヘア黒髪の女性ヒューマノイドがいた。
黒っぽい色に白の線が走っている上着とミニのデニムスカート、電脳検索すると軍服というらしい。
「指令長官! これから副官をつとめさせてもらうアヤノです。よろしくおねがいします」
ソフィアーナは 指令長官という役職に一時、思考が止まった。
「指令長官ではなく ソフィとでも呼んでほしい」
「それでは あまりにも失礼なので ・・・では、ソフィアーナ様とお呼びしてよろしいですか?」
「様つきですか・・・・」
うちは苦笑いするのであったが、それで了承することにした。
「うん、それでいいよ。 ほかの人たちにも その呼び名で呼んでほしいと伝えてほしい」
「はっ 伝えときます!!」
「副司令官の塩野君はどうしたの!?」
「塩野副指令は・・・期末試験のため、地球にお帰りになりました。 副指令のアバターはアバター室て保管してます」
「期末試験・・・・・ 本当に学生でバイトだったんだ!!
この艦隊の運用は学生でもできるほど 簡単なの!?」
「複雑な処理は 我らがおこないますので、艦隊のトップは形式的に魂のある生命体が おこなうことが原則となっております」
形式的役柄な私・・・そして無理やり司令長官・・・・なにか複雑な気分である。
そんな気持ちの私を 副官のアヤノに先導されながら、艦内の案内をされつつ艦隊旗艦指令室に入っていった。
そこでは 数多くのヒューマノイド帝国軍人たちが私に対して一斉に敬礼してきた。
あまりの迫力に、たじろぐ私!
相手はヒューマノイド!! 人ではない。恥ずかしがる必要はないのだ。
「え~と うちがこの艦隊司令長官となったソフィアーナです よろしくお願いします!!」
副官のアヤノに導かれるように司令長官席に座るソフィアーナ。
席に座り、周囲を落ち着いて見た時、うちは艦隊指揮室とよばれる部屋の圧倒的科学技術に圧倒された。
その指揮室は300m四方はあると思われる広い空間。
驚きの空間であり うちの住んでいる世界の技術では建造不可能な構造である。
そして、その壁面にはディスプレイがはめ込まれており、艦隊の状況を絶えず表示していた。
うちにとって もっとも驚くべきことは、指揮室中央の空間に、3Dと呼ばれる技術によって、
この艦隊所属の全艦艇の姿が視覚的にみれる仕組みとなっていたのである。
「これが この艦隊の中枢となる艦隊指令室・・・」
文化的、技術的に圧倒されるとともに うちの興味も全開状態となった。
電脳検索により、艦隊の指揮系統の仕組みから、コンソールの操作法まで
次々と脳内に流れ込んでいく。
うちは夢中となり あらゆる知識を 時間を忘れたかのように勉強したのであった。
「すごい! すごい! すごい!」
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長時間にわたり興奮気味にコンソールを操作し続ける私の姿を見て
副官のアヤノは心配したのか、司令官席の隣にあるテーブルに コーヒーやら、ジュース、甘いケーキを並べだした。
「ソフィアーナ様! あまり根をつめると、体調を崩すので すこしお休みしてはいかがですか?
これは、塩野副指令のおすすめデザートです。 ぜひ、ソフィアーナ様に食してほしいと言っておりました」
うちは チラリとテーブルを見ると、なにやら赤い・・・イチゴという果物がのったケーキという食べ物が目に入った。
「これは 電脳検索でイチゴケーキというものだね!!」
「はい! 他にご要望があれば チョコケーキ、チーズケーキ モンブランなども用意できます!!」
「それは・・・・ちょっと・・・食べてみたい!!」
ついつい 口に出してしまったのである!!!
すると、メイド姿のヒューマノイドが 慌ただしく指令室にはいってくると、
またたくまに なにかの作業をして、そして、礼とともに去っていった。
「まるで、疾風! 疾風のメイド」
うちは テーブルの方へ目をむけると そこにはケーキの山! 山! 山!
各種ケーキが 山のように並べられていたのである!!!
「ちょっとこれは!! 多すぎ・・・」
とりあえず、ケーキなるものを 一つ試しに食べてみる。
そして 二つ目 三つ目・・・・
ついつい 食べてしまう誘惑!!
「おいしい こんな甘味が・・・」
そして 欲望に敗北した私は食べまくった! それは、それは食べまくったのである!!
カロリーが増え続けるソフィア―ナの運命はいかに!?
完全に餌付けで太らされ出荷されるブロイラーになってしまうのか!?
さすがに・・・欲望のまま食べまくる私を見て 副官のアヤノは思わず止めに入った。
「ソフィアーナ様 食べ過ぎは太ります! 病気になります!」
この言葉に思わず うちは食事が停止した。
「太る!!」
うちは 口の周りいっぱいにクリームをつけつつ、自分のお腹を見た。
「ある程度 運動やら美容をしないと お美しいソフィアーナ様が・・・大変なことになりますよ」
しまった!! 理性が完全に吹っ飛んでいた!! なんてことなの!!
太る! エンドレ君のように!! いや! エンドレ君化現象はいや。
ソフィアーナは 人生最大のショックを受けた。
「どうしましょ~ 大変!!」
「大丈夫です! この戦列艦ナガトには フィットネスクラブから露天風呂 アスレチック プール 海など
各種そろっており、娯楽を楽しみながら美容と健康がたもてます」
「す・・・すばらしいわね!!」
その後 副官アヤノに案内され、艦内にあるテラフォーミング区域と呼ばれるところに連れていかれた。
そこは・・・200km*200kmの広大なエリア、完全に地球の自然を再現している。
空には、青空と雲、疑似的太陽、河川に海と山、そして、田舎を感じさせる風景の建物群。
「まるで 地上と変わらないわね! 宇宙にいるとは思えない!!」
「ここは 塩野副指令の趣味によって作られた塩野副指令のおもちゃ箱みたいな区域です!」
「おもちゃ箱!?」
「ソフィアーナ様がこられたので あらかた撤去したのですが、
以前、この地域では副指令の大好きな 怪獣決闘大戦とか、ロボット最終大戦の再現とかして遊んでたのですよ
ほら! あそこの巨大な穴は、怪獣の足跡の跡です」
「・・・・・・塩野君って!!」
「あと・・・・いかがわしいこともしてたけど 話せません!!」
「それは 聞きたくない!!」
そんな女子トークな会話をしながら
うちと副官アヤノは、この地上とかわらない自然豊富なエリアを散策しながら歩いた。
いろいろな看板やら 公園、噴水 並木道など見ていて楽しい。
そして、目的地となるフィットネスクラブと書かれた建物に入っていくのである。
ここは フィットネスクラブの更衣室!!
副官アヤノに なにがなんだか分からないうちに、私は運動着に着替えさせられたのであった。
「ちょっと この服・・・ふとももが露出してるじゃないの!!!
たしかに、スカートで運動はできないけど・・・この姿はちょっと!!」
ソフィアーナにとって、人前で素足を見せることは 恥ずかしかったのである。
「ソフィアーナ様! 大丈夫です。 男の人の出入りを止めてますので見られる心配はありません!
それに私も同じ運動着を着ました! 平気です!!」
「そうよね! うちと同じよね!!」
私は半分納得したが・・・
この艦隊で生命体は私一人なので、ヒューマノイドの性別なんて関係あるの!?
よく 考えると塩野君以外に見られて 恥ずかしいはずはないのだが・・・・
あまりにも ヒューマノイドが人間すぎて意識してしまうのかもしれない!!
とりあえず 人前で着るのが恥ずかしい運動着を着て、
フィットネスクラブで汗をかき、
色々なトレーニングマシンをためし・・・
アスレチックで走りまわった。
わりと楽しい!!! これが日本帝国の美容法なんだ。 楽しみながらやせられる!!
次に そのまま副官のアヤノに連れられ、大きな水たまりのある地域に連れてこられた。
海というらしい。
うちは本物の海を見たことないが・・・実際に海を見るとこんな感じなんだろうか!?
地平線を駆け抜ける青空を背景に打ち寄せる白波。 きれいな砂浜。
その広大な浜辺に ソフィア―ナは立ち尽くしていた。
副官のアヤノにつれられ、海の家と呼ばれる木造の建物につれていかれ・・・ 水着というものを着せられた。
運動着より もっと恥ずかしい姿にさせられた。
「ちょっと・・ヘソが見えてるよ!? 下着なの!?」
「水着と呼ばれるものです!! 私も同じ水着を着ましたので、大丈夫です!!」
「たしかに・・・同じ! でも体の体系が違うから 見た感じが・・・ そこは別にいいか!!!」
これは 絶体に男に見せられない!!
・・・・・塩野君はいないのだろうけどね!!
その恥ずかしい水着を着て、副官のアヤノにつれられ 海にはいり水泳というものを試そうとしたら・・・
プクプクㇷ゚クプクプクㇷ゚ク
うちは海の中に沈んでいった。
「うにゃゃぁぁ~ 海の水はしょっぱい!!!」
うちは 見事に溺れました。 たとえ電脳検索で水泳法を取得しても 体が付いていきませんでした。
ということで・・・副官のアヤノから泳ぎ方を習った。
アヤノに手をひかれながら 足をバタバタ!!
2時間後・・・・
人間は、水たまりで泳げるらしいがうちは結局 泳げなかったので、浮き輪でぷかぷかと浮かぶことにしました。
そして、その日は、
夜は花火大会。 なぜか盆踊りまであった。
その後、露天風呂に入り 疲れをとったあと、旅館で名物料理を食べて、ゆっくり過ごしました。
完全に旅行気分になっている!
すでにこの段階で ソフィアーナは艦隊司令官ということを忘れ 娯楽の楽しさに埋もれていた。
もう 娯楽のない故郷にかえれない体になってしまったソフィアーナだった。
艦隊司令長官のソフィア―ナは こんなに遊びまくっているが、
日本帝国宇宙艦隊は機械生命体の居場所を探るため、この宇宙世界の各銀河に小型偵察艇を派遣し、
調査をしてるのである。
100億光年を一か月ほどで踏破てきる究極ワープエンジンを備えているからこそできる荒業である。
現在、機械生命体とおもわれる痕跡を幾つか発見し、敵の根拠地の絞り込みを始めている。
司令長官が娯楽で浮かれていても 艦隊コンピューターのヒューマノイドは忙しく働いているのであった。
ほっそりとやせて健康体となった私は ひさしぶりに艦隊指令室にやってきていた。
うちは司令長官席に腰をかけ リラックスした姿勢で、電脳によるネット検索で楽しんでいたところ・・・
・・・副官のアヤノから声をかけられた。
「ソフィア―ナ様 最寄りの小惑星にて、艦隊の若返り補修・修理を行います」
「うん 修理なの!?」
「この艦隊の艦船は 艦齢を200年超えた艦船ばかりで、本格的に機械生命体と戦うには、心細いのです!!
ちょうどこの付近の小惑星には 希少鉱石が多く含まれていますので、修理、補修をすることにしたのです!!」
「200年って~!!」
「 老朽化して廃棄寸前の船を異世界支援法の元に異世界に廃棄物を押し付けたなどと僕は思ってませんが、
たぶん押し付けたのでしょうと 塩野副指令は言ってましたww」
「塩野君・・・・・」
「大丈夫です この小惑星で 艦齢200年の船を、新品になるまで改装するので心配無用です」
と・・・その時 艦隊指令室の壁に設置されているディスプレイが 赤く光った。
『 第427エンジン爆発! 火災発生 』
『 消火機能作動しません! 消火班が現地に出動します 』
旗艦である戦列艦ナガト内での爆発事故である。
警報が鳴り、指令室が騒然となっていた。
「これ!? もしかして・・・」
「ソフィア―ナ様! 心配することは ありません! よくあることです」
手をフリフリして ごまかす副官アヤノ。
「えっ よくあることなの!?」
「艦齢が200年を超えてますので 老朽化しまくってます」
「ちょっと~ これで機械生命体と戦えるの!?」
「ずばり申しますと!! 死ねます!!」
「え~~~~」
顔が青ざめるソフィア―ナ。
「だ・・・だい・・大丈夫です。 だからこそ 若返り補修修理を・・」
ヒューマノイド(ロボット)なのに どもる副官アヤノだった。
「とりあえず 完璧に 間違いなく 爆発しない 最強の艦船に補修してほしい!!」
「も・・・もちろんです ソフィア―ナ様!!」
お飾りとはいえソフィア―ナ艦隊司令長官の命令は絶対の命令であるゆえに
艦隊は完全に修理と補修をすることになったわけであった。
これは ソフィアーナが艦隊司令長官として初めておこなった命令だった。
そして・・・日本帝国宇宙艦隊ブロニ方面艦隊 改め ソフィア―ナ艦隊と名付けられた瞬間だった。
「えっ ソフィアーナ艦隊!?」
「はい! ただいまより ソフィアーナ様が直に艦隊への命令を下しました。
直の命令を下すことにより 日本帝国の法令に従い あなた様の名前が艦隊名に付け加わる決まりとなっております
この艦隊の名前は 正式にソフィアーナ艦隊となったのです!!」
「うぬぬぬぬ そんな法令が・・・・」
「ソフィア―ナ艦隊司令長官ソフィア―ナ様」
副官アヤノは敬礼するのであった。
ちょっと照れくさいソフィア―ナ。
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ソフィア―ナ艦隊は 広範囲に広がった小惑星に 各艦艇が散らばり、
小惑星の採掘と同時に修理、補修にとりかかったのであった。
「修理・補修期間は三か月ほどの予定です」
「時間がかかるのね・・・・ 完璧な状態になるのなら かまわないけど!」
ソフィア―ナは この修理期間を・・・どう過ごそうと考えてた時、やっと思い出したのであった。
村のことである!
すっかり 楽しいこと、未知の体験に浸っていたため、
一番大事な人、ノアねーさんのことを忘れていた。
「ノアねーさん!!」
うちは 副官のアヤノに聞いてみた。
「うちは 一度村に戻ろうと思う。盗賊のこともあるし、盗賊を壊滅させないと、
村の平和が守れないわぁ」
「それなら・・・盗賊退治もかねて、陸戦隊を1000名ほど連れていけばいいとおもいます
戦列艦の格納庫に陸戦降下艇がありますので、 ここから、1日ほどで村につけますよ!」
「じゃぁぁ~ すぐに 村に戻るので準備をお願い!」
「はい! すぐに準備にはいります」
すっかり ノアねーさんのこと忘れてたけど、決して忘れてはなかったのよ!
でも、すっかり、忘れてたけど!!
でも、娯楽にうずもれて ノアねーさんのこと忘れてたなんて・・・
絶対に言えないよね!!!
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戦列艦ナガトの格納庫内では 陸戦降下艇の発進準備が急ピッチにおこなわれていた。
それと同時に 降下要員としての陸戦隊員たちも集まり始めていた。
この陸戦降下艇の名はスオウ。
全長2kmの細長い円盤の形をしている。 降下艇でさえ、これだけの大きさであった。
陸戦隊員は 全身を重装甲鎧を装着、火薬式機関砲、レーザーライフルなどを装備している。
もちろん、生身の人間ではなく、アヤノ同様にヒューマノイドである。
その陸戦隊員1000名が陸戦降下艇スオウの前で整列していた。
そして・・・・ 私は 完全武装の陸戦隊1000名とともに陸戦降下艇スオウに乗り込む。
もちろん、副官のアヤノも私についてくるのであった。
「ソフィアーナ様が 如何なるところへ出向こうと 副官たるものはついてまいります」
「う・・・うん!」
なんとなく納得するのであった。
戦列艦ナガトから放出した陸戦降下艇スオウは 一路、故郷の星へとむかう。
スオウの窓から虚空の宇宙を眺め、ソフィアーナの心は故郷へと思いを募らせるのであった。
-------------------- To Be Continued 1000名の武力集団を率いて、ソフィアーナは故郷へ




