お城へ行くよ〜
シオンは10歳で火竜を倒した有名人となった。
紅き炎のパーティーもAランクに昇格して、ついに護衛の任務の契約が終了した。
「お金はいらないからシオンちゃんと離れたくないよ~」
出会った時は20歳のマリアさんも今は25歳。
レッドとマリアさん
ムラサメとエリーさんがカップルになり、現在二人は妊娠中。
「すでに、一戸建ての家も買って、うちからの長期報酬や魔物討伐の報奨金で貯蓄もあるでしょ?護衛任務が無くなっても紅き炎の皆さんに教えてもらった冒険者の心得は忘れません。ってか、すぐ近くに家を買ったのだから遊びに来てくださいよ。すでに門番とかも顔馴染みなんですから」
「うう、シオンちゃんも大人になったなぁ~」
「いえ、まだ10歳なので子供ですよ?」
「まぁ、シオンちゃんの方が早くに『子持ち』になったもんね♪」
「そのネタはやめて下さい。それに───」
庭を見るとハクアが気持ちよさそうに眠っていた。
この五年間でハクアはほぼ成体として成長しており、10メートル以上の体格に人を二人は乗せて飛べるまでに成長していた。身体の色は白色のままである。
「うちの白雪様は優雅だねぇ~」
綺麗な白色から『白雪』(シラユキ)と言うあだ名まで付いていた。
そしてシオンは未だに『爆炎の魔法少女』と呼ばれていた。
が、シオンは余裕があった。
成長と共に冒険の勝負服はマイナーチェンジをしており、デザインが変わっていた。そして、ついにシオンの好きな黒色の魔法少女のコスプレ・・・こほん、黒色のプ◯キュア系のドレスに変わっていた。今の2026・4月のアニメクールなら名探偵プ◯キュアのアルカナ・シャドウの服装と思って欲しい。
(by作者の推しキャラ)
「こほん、とにかく今は体を大切にして下さい」
「ありがとうシオンちゃん」
紅き炎のメンバーを見送ってから、午後からの準備に取り掛かった。
シオンもすでに冒険者ランクBランクである。
「シオン、準備はできたかい?」
「この格好でいいの?」
「その冒険者の服装は王宮でも通用するドレスコードだから大丈夫だよ」
火竜を討伐した火の魔法使いをお城へ招待すると連絡が来たので家族でお出かけです。
「シオンは初めてだったね。お城には有象無象のバカが多いから無視するように」
「何かあったら空を飛べばみんな黙るからね♪大丈夫よ」
お母さん、それは大丈夫とは言わないのでは?(汗)
シオンは久しぶりにドナドナの気分で王都へ向かうのでした。馬車に揺られながらようやく王都が見えてきました!馬車で一時間ほどでしょうか?意外と近いのです。
お城に着くと多くの兵士が出迎えてくれました。
「フレイム公爵家の御家族がご到着いたしました!」
大きな声で到着を知らせます。
シオンはお上りさんのように周囲をキョロキョロと見渡しながら歩きました。
「シオンちゃん、珍しいからって転ぶわよ?」
お母さんに手を握ってもらいながら謁見の間に到着です。
玉座に座っているおじさんが国王様なのでしょう。
アレ?
どこかで見たような・・・?
思い出せないからまあいっか。
「よくきてくれた。シオン令嬢はここへは初めてだったな。実は昔、公爵の家に遊びに行った時に会っているのだよ」
!?
うん?
あ、お父さんのお客さんだ!
「あ、あの時の!」
「はははっ!まさか空を飛びながら挨拶されるとは思わなかったがな」
国王様まで私が飛べることを知っている!?
「さらには火属性に絶対の耐性のある火竜を倒したそうだな。その歳で素晴らしい才能だ。もし良ければこの場で飛んでくれないか?実際に見るまで空を飛べると信じない者もいるのでな」
シオンがお父さんに視線を送るとお父さんは頷いた。
「それでは失礼致します」
足元から炎を出して高い謁見の間の天井を少し飛び回った。
そしてゆっくりと降りて着地した。
「どうだ宰相。稀有な才能だと思わぬか」
「はい。大変失礼致しました。もしこの魔法が他の者も使えるようになれば、情報伝達の時間が短縮され、様々な用途に革命が起きるでしょう」
私のなんちゃって火魔法は他の人には無理かな~?
「恐れ入ります。私の魔法は真似するのは無理かと存じます」
「何故だ?」
「最初は飛んでいくファイヤーボールに乗れないのかな?と言う好奇心から始めた魔法です。誰かに教えられて使える訳ではありません。感覚でできるかどうかなのです」
「う~む。確かにオリジナル魔法は他者には使うことが出来ない場合が多いからな本人の資質によるところが大きいか」
取り合えずこの話は保留となった。
「次に火竜を倒した魔法は再現できるかな?」
「はい。後から知りましたが『蒼炎』と呼ばれる炎ならすぐに出せます」
シオンは手のひらにまず赤い炎を生み出すと、周囲の酸素濃度を上げていった。
!?
「おおっ!炎が蒼くなったぞ!それが通常の炎より何倍も熱い炎なのだな?」
「はい、その通りです」
「うむ・・・まだ10歳なのに信じられん」
周囲の貴族や大臣も認めざるを得なかった。
「ありがとうシオン令嬢。魔法を解除して良いぞ」
シオンは礼を執るとまた片膝を付いて頭を下げた。
「フレイム公爵、話は変わるがそちらで作っている調味料の工場を王都でも作る予定はないか?」
ああ、マヨネーズとケチャップね。最近はオイスターソースもどきも作っているけどね。
「流石のフレイム公爵領だけでは人手が足りず出稼ぎ人も増えているとか。王都で工場を作れば人手も確保できるし、輸送費も抑えられる。どうだろうか?」
お父さんは舌打ちをしました。
今回はそちらが狙いだったのですね。
シオンは少し考えてからお父さんに声を掛けました。
製造方法はしっかりと口止めしてあり、引き抜きなどすればフレイム公爵領で住めなくなるので、生活の糧をくれた貧民の人々は恩を感じて口を割ろうとはしませんでした。でも、王都に工場を建てれば今まで秘匿していた製造方法が筒抜けになります。他領でも模造品が作られるでしょう。いえ、すでに模造品も出回っているのです。
味は比べるまでもありません。
大量に製造しているので価格も庶民に手の届く安さであり、模造品も正式品と比べてもそんなに安くありません。それなら皆さん正式品を買うので、模造品を生産していた業者もほとんどが割りに合わず撤退していっているのです。
フレイム公爵家の一人勝ち状態です!
フハハハハ!
さて、新しい商品の開発も進んでいるし、そろそろ利権を少し回しても大丈夫かな?
シオンは一つの提案を進言しました。




