提案!
お父さんの許可を得て発言することになりました。
「今、販売している調味料は娘のシオンが開発した物です。娘の許可があれば問題ありません」
!?
「なんだと!?」
貴族や大臣が目を見開いてシオンを見た。
「発言よろしいでしょうか?いくつか条件を付けさせて頂ければ王都に工場を建てて生産するのは賛成です」
「条件とは?」
「販路は任せますが、工場の責任者はフレイム公爵家の者にすること。そして生産する人手には貧民や孤児を優先的に雇うと言うことです」
「ふむ。宰相はどう思う?」
「貧民の者であれば安い賃金で働かせられますし、治安の改善にもなりますので問題はないかと」
言ったな?
宰相め。いや、他の貴族もだ。『貧民』は安い賃金で働かせる。
ふざけるなよ!
うちは普通の平民以上の高い賃金を払っているんだよ?
もし、作り方がわかっても、すでに貧民はうちの工場で『高い賃金』で働いているんだよ。後から安い賃金で『誰を』働かせるのやら。
クククッッ。
「よし、ではそのように頼む」
「はっ!」
よし!
これで今回のお話は終わりかな?
「しかし、シオン令嬢は魔法だけではなく、商才もあるのだな?」
「過分なお言葉ありがとうございます。しかし私は将来、宮廷魔術師になるつもりですので」
綺麗にカーテシーをしてお父さんの後ろに続いて謁見の間を後にしました。
「それでシオン、本当に良かったのかい?」
「ええ、もうそろそろ秘密を守るのに限界でしたし、問題ありません。それより工場を建てると同時に、従業員が住める社員寮も同時に建設お願い致します」
「あのシオンが考えた長方形の大きな建物に一部屋ずつ人が住める様にしたヤツかい?」
「ええ、貧民の方は住む家もない方が多いです。お金を貰っても帰る途中で襲われてお金を巻き上げられる事件も起こっています。公爵家が警備員を置いた住まいなら安心ですし、もし引き抜きで辞める時は、出ていかなければなりません」
!?
「なるほど。うちより高い給金で引き抜いても、安全で清潔な新居を出ていくリスクを考えれば、多少の事ではなびかないと言うわけだな?」
「流石はお父さんです。それに先に貧民を確保しておけば模造品を作ろうと人手を集める時、高い賃金で集めなければならないので価格競争でも勝てるでしょう」
頭の回転の早い人と話すのは楽でいいです。
「ふふふっ、貧民は安い賃金で働かせるですか。あの宰相は無能ですね。『富』は国全体で分配するべきもの。これで貧民と見下していた者達が収入を得て普通の平民となり、購買意欲が高まれば商品が売れて経済が廻ると言うのに。安い賃金で働かせるから最低限の物しか買えず、商品の売り上げが頭打ちになるのにね~」
「シオンちゃんは凄いわね~シオンちゃんがこの国王様になればもっと国が豊かになりそうねぇ~」
ちょっと!
お母さんよ?
城内で不穏な会話は慎んで下さいなっ!
「それに、昨年から試験運用していた『アレ』の効果も確認できました。新しいフレイム公爵家の収入源になるでしょう」
「おおっ、アレか!」
「それは楽しみねぇ~」
家族のにこやかな会話をしつつお城を出ました。
「あ、そうだ。宮廷魔術師の住む研究塔があるんだ。少し寄ってみるかい?」
!?
「ぜひ行ってみたいです!」
クククッ、このフレイムマスターと渡り合える猛者がいるのか見極めてやろう!
テクテクテク…………
じゃ~ん!
城の裏手にある宮廷魔術師達がいる研究塔にやって来ました!
「急に来てすまない。娘に見学させたいのだがいいかな?」
「ええ、火竜を倒したシオン令嬢なら大歓迎ですよ!倒した火竜の寄付もありがとうございました!」
まぁ、アレは黒焦げだったし、火の魔法で倒したと広める為に寄付したんだけどね。
少しすると多くの宮廷魔術師が集まってきた。
おっ?おおっ???
「いやー、僅か10歳で火竜を倒したシオン令嬢を見ようとみんな集まってきてしまって」
受付の案内役の人も困った風に言った。
「あの爆炎の魔法少女なんだろ!本当に空が飛べるのか見せて欲しい!」
「私もみたいわ!空が飛べたら色々と便利になるもの!」
ワイノ
ワイノ
シオンは少し困った顔をしたが、謁見の間にて実演しているので、少し見せることにした。
「おおっ!マジで飛んでる!?」
「足の裏に炎を爆発させて飛んでいるの?それで浮力が賄えるのかな?」
色々な魔術師が意見を言いながらシオンの飛行魔術を見ていた。
降りてきたシオンに一人の魔術師が尋ねた。
「ありがとう。素晴らしい魔術師だったよ。それでもう一つ見せて欲しいのだが………」
何を言いたいのかわかったシオンは承諾した。
「ええ、『蒼炎』がみたいのですね?」
シオンは訓練用の案山子のような的があったので、火竜を倒した球体の魔術を放ち、炎を蒼く染めた。
魔法が消えると中の案山子は跡形もなく燃え尽きていた。
「こ、これが蒼炎………」
幻の魔法を目にして宮廷魔術師達は息を呑んだ。
「さて、そろそろ帰るか」
「はい!皆さん、皆さんと一緒に宮廷魔術師になるのを楽しみにしています!またお会いしましょう!」
クククッ、あの程度の魔法で驚いているようでは私のフレイムマスターの敵ではないわね。
礼儀正しい令嬢の顔とは別に内心では大変失礼な事を考えていたシオンなのでした。
宮廷魔術師の間でもシオンは人気が急上昇するのに時間は掛かりませんでした。
「シオンちゃん、早く来てくれないかなぁ~」
「あの実績があれば試験は免除でしょう?後は学校の卒業を待つだけね」
「今のうちにシオンちゃんの部屋を確保しておこう!無論、俺の隣で!」
「ふざけるな。もっと良い部屋を用意するべきだ」
「「なんだと!?」」
魔術師達は自分の研究も忘れてしばらくはシオンの話題で持ちきりになりました。
???「………シオン・フレイムか。確かに面白い令嬢のようだ」
様々な人物から狙われる事になる出来事にシオンの波乱の人生が幕を開ける!
次回から【学園編】が始まります!




