調査!
本題に入るとギルマスは資料をテーブルに出した。
「ここ最近、初心者の森で少し異変が起きていると報告が上がっていた。内容は、普段見かけない魔物の目撃が相次いでいた。そして昨日のフォレストウルフの件だ。丁度、今日辺りにお前達に依頼しようと思っていた矢先だった」
資料に目を通しているとレッドさんの表情が険しくなっていた。
シオンもその後、読ませてもらったが、その内容までは理解できなかった。
『ゴブリンや狼、そしてオークなど、普段は敵対している魔物が一緒にさまよっている?』
ギルマスはレッドさんに尋ねた。
「お前はどう思う?」
「二つ可能性があるな。一つは初心者の森でダンジョンが発生した可能性。まだ誰も見つけていないから、ダンジョン内の魔物が溢れ出してきているパターン」
既存のダンジョンは、資源が取れるために、国が奨励金を出して冒険者や、たまに兵士にダンジョン内の魔物を討伐して回っている。そうしないとダンジョン内で魔物が増えすぎて、スタンピード(魔物の反乱)が起きてしまうからだ。
「もう一つは、強力な魔物がやってきて棲家を追われたかだな」
ギルマスは腕を組んで頷いた。
「流石だな。ギルドもその二つの可能性を考えていた。しかし、初心者の森は魔物が好む『魔素』が少なく、ダンジョンができるとは考えずらい。無論、絶対ではないがな。故に、強力な魔物が移動してきたのでは?と予想している。それでBランク冒険者『紅き炎』のパーティーに依頼をしたい。まずは原因の調査。そして原因の排除だ。手に追えなさそうなら援軍要請するので、戦わず情報を持ち帰ってくれるだけでいい。どうだ?」
ふむふむ、そんなこともあるんだねぇ~
シオンが感心して聞いているとレッドは了承した。
「ああ、了解だ。任せてくれ。みんなもいいだろう?」
「賛成です!」
シオンが真っ先に返事をするのでした。
「しかし、シオンお嬢ちゃんには危険じゃないか?今回は街に居た方がいいと思うが?」
「私なら空を飛べるので、偵察もできますし、逃げることもできます!」
「あ、そうだったな。最近、街の上を飛んでいるから、ちょっとした名物になりつつなっているんだった。ワハハハハッッ!爆炎の魔法少女ってな」
・・・なにそれカッコ悪い。
魔法少女っていらなくない?
爆炎の魔導士の方がカッコいいと思うのは私だけなの?
シオンは自分の魔法少女の格好を見て深くため息をつくのでした。
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そして早速、森の入口に辿り着きました。
「事前に打ち合わせした通り、シオンちゃんが空から偵察して、僕達は真っ直ぐ森を進む。定期的に狼煙を上げるからシオンちゃんはそれを目印に戻ってきて欲しい」
「了解です!では行ってきます!」
シオンはロケット噴射で飛んでいった。
「目の前で飛ぶとこ初めて見たな・・・」
「本当に、便利そうね」
「あの歳でオリジナル魔法を開発など天才はいるんだな」
仲間達はシオンの飛んでいった方向を少し見つめてから出発した。
「やっぱり空は気持ちいいね~、でも森の木々でやっぱり余り見えないなぁ~」
初心者の森はさほど広くない。後方は海に面しており他は平原に囲まれている。とは言っても直径10キロほどはあるのだが。取り合えずシオンは海の方から見て回ることにした。
「流石にすぐには見つからないか・・・」
少し高度を下げようと思った時、森の一角に木々が倒れている所を発見した。
「なにあれ?木が倒れている?」
ゆっくりとその上空を飛んでみると───
そこには大きな『竜』っぽい魔物が寝ていた。
!?
「あれが原因かな?竜というよりモンハ◯のリオレイ◯◯に似ているからワイバーンてやつかも」
シオンは刺激しないように、ソッと立ち去った。そして狼煙を見つけるとすぐにレッドさんたちに元に戻った。
「なんだって!ワイバーンだって!?」
「うん、竜と違って腕が羽になっていたし、間違いないと思う」
パーティー内で作戦会議が行われた。
「ワイバーンなら倒せなくはない。しかし、普通は3~4組のパーティで組んで戦う相手だ。報告に戻るか?」
「刺激せずこのまま飛び去ってくれないかしら?」
「う~ん、見た感じだと空から落ちて、その場で寝ながら傷を癒しているようでした。傷が癒えれば移動するかもしれませんが、まだ時間が掛かるかと思います」
「縄張り争いに負けたのか?厄介だな。手傷を負った魔物は暴れまくるから手におえん」
「でも傷を負っているのなら倒しやすいという事でもあります」
「確かに。それに森なら気付かれずに近づけるし、逃げる時もに木々に紛れて逃げる事もできる。レッド、俺は討伐する方に一票入れるぜ」
「他はどうだ?」
取り合えず、賛成が多かった事からワイバーンの様子を見に行くことで話がついた。
シオンは大体の場所を覚えていたので、時々空に浮かんで方向を確認しながら向かった。
「本当に空が飛べるってすげぇよな」
「便利だよね~」
そう話しながら進むと時々、魔物と遭遇したがなるべく大きな音を出さないように倒して向かった。
「ワイバーンに気づかれないように、魔法は抑えて行くぞ」
そして、ついにワイバーンが寝ている場所の近くまでたどり着いた。
レッド達は木の隙間からワイバーンの様子を伺った。
「死んでいるようにも見えるが、小さく呼吸しているようだ」
「かなり弱っているのかな?」
さて、どうするか・・・
レッドさん達が方針を考えている時、シオンは気づいてしまった。
!?
「みんな隠れて!新しいワイバーンが来たわ!」
「なにっ!?」
空を見ると寝ているワイバーンの上をゆっくりと旋回しているワイバーンが見えた。
「まさか、番の片割れなの?」
「ツガイって?」
「ああ、夫婦ってことだよ」
あっ!
シオンの中で何かが繋がった。
「違う!上にいるのは敵対しているワイバーンだよ!」
「なんだって!?」
そう言っている間に、飛んでいたワイバーンは急降下して寝ているワイバーンを足の爪で攻撃始めた。




