やはり胃袋を掴むのが1番!
サンドイッチを配ると、水魔法が使えるマリアさんが手を洗ってくれました。
「はい、綺麗になったわ。サンドイッチありがとうね」
「いただきます!」
紅き炎の皆さんはパクリッと食べると固まってしまいました。
もぐもぐ。たまごサンドうま~
もぐもぐ・・・
もぐもぐ・・・
「「「美味い!!!!!!!」」」
数秒経ってから皆さん叫びました。
「なんだこれ!美味すぎる!?」
「この赤いソースはなんだ!?」
「いえ、この卵に混ざっている調味料は?」
「幸せ~」
マヨネーズとケチャップは異世界転生では定番ですよね!
「卵に混ざっている白いソースはマヨネーズっていうの。赤いのはケチャップね。『私』が提案して作ってもらったの。モグモグ」
!?
「この新しい調味料をシオンちゃんが?」
「魔法だけじゃなくて料理も天才かっ!?」
「天はシオンに二物の才を与えたのか」
皆さん夢中になって食べました。
「このサンドイッチだけでも、この依頼を受けた甲斐があったな」
「意義なし!」
「シオンちゃん、この調味料って売り出さないの?」
!?
「そ、そうだよ!これが売り出されば大ヒット間違いなしだよ!」
「私も絶対に買うわ!」
ズズイッと迫ってきたのでお伝えしました。
「今ね大規模な工場を建ててるの。そこに孤児や貧民の人達を雇って作らせる予定なの」
「・・・なるほど。流石は名君と名高いフレイム公爵様だな。大規模工場か。これでフレイム公爵領地の貧民が大幅に改善されるな」
「大規模ってことは平民でも手が出る価格になるのかな?嬉しいわね」
食事が終わって帰ろうとした時、森から悲鳴が聞こえてきた。
!?
「何かあったみたいだな。冒険者として助けに行くぞ!」
「「了解!!!」」
シオンはまたムラサメさんに抱っこされながら移動しました。森だと空を飛んでも見えないですからね。
レッドさんも大きな声を出して呼びかけながら走りました。
「どこだ!大丈夫かー!」
レッドさんの呼び掛けに反応がありません。
「た、助けてくれ!」
少し遅れて聞こえてきました!
数分で森の少し開けた場所に出ました。
そこには魔物に囲まれている冒険者が数人いました。
「フォレストウルフの群れだと!?」
灰色の狼が10匹ほどいました。中心に冒険者達が囲まれており、5人中2人が怪我をしているようで庇いあって戦っていました。
「わ、私が──」
「ダメだ!森で火事になったら大変だ。エリー!頼む!」
「了解よ!」
エリーさんは囲まれている冒険者の前に土壁を出して守った。
「よし!僕達は狼の討伐だ。シオンちゃんをマリアに預けて、ムラサメと突入する!」
「シオンちゃんはここにいて、私たちの戦いを見学してね」
邪魔にならないように、先輩冒険者の戦いを目に焼き付けます!
レッドとムラサメさんは流石はB級冒険者。飛びかかってくる狼を簡単に一刀両断にして倒しています。
狼は残り4体になると森の奥へ逃げて行きました。
「あの狼はよく出るんですか?」
「いえ、この森では滅多に見かけません。しかも群れでなんて」
エリーさんが石壁を解いて、マリアさんが怪我人の治療に入りました。
「大丈夫か?」
「ありがとうございました。突然襲われて助かりました」
5人パーティーでバランスの取れた構成だったけど、奇襲でタンク役の人がやられて対応が難しかったようだ。
「タンク役がやられたのは偶然か?」
「あのフォレストウルフは統制が取れてましたよね」
「どこからかやってきたかわからないが、子供を産んで群れを成したか。これはギルドに言って調査しないとな」
怪我をした冒険者を護衛しながら街へと戻りました。
『森の中じゃ火事を気にして炎の魔法が使えないとは盲点だった。何か対策を考えないと』
試行錯誤するのには慣れているシオンの新しい目的が追加されたのだった。
「あれ?紅き炎の人達もうちで暮らすの?」
「ああ、しばらくはシオンちゃんの護衛として雇われているからな。僕達も宿代が浮くし丁度いいんだよ」
「嬉しいけど、Bランクの冒険者なら拠点となる家を買うかレンタルできるんじゃないの?」
「私たちは最近、Bランクになったばかりなのよね~」
「シオンちゃんの護衛依頼のお金が入れば手が届きそうなんだよ」
なるほど。
なら、これからお世話になるし、お金のなる仕事を探してあげようっと。
次の日になりました。
冒険者ギルドへ行くと受付のお姉さんに呼び止められました。
「紅き炎の皆さん、昨日の報告でギルマスがお呼びです」
「流石に早いな」
シオン達は2階にあるギルドマスターの部屋に行きました。
「待っていた。それとフレイム公爵家のお嬢さん。俺がこのフレイム公爵領の冒険者ギルドのマスター、ウオッカっていうものだ。よろしくな」
「こちらこそよろしくお願いします!」
頬に傷のある強面のギルドマスターは笑った。
「ははははっ!俺を怖がらずに挨拶できるとは、流石はフレイム公爵家のお嬢さんだな」
「マスター、そろそろ本題に入ろうぜ。昨日の件についてだと聞いたが?」
そこからギルマスの顔も真面目になり本題へと話が変わった。




