ダンジョン
あれからあっという間に時間は過ぎていき、お兄様は隣国へ旅立ちました。
隣国までは馬車で約5日ほどの旅となります。
シオンはシリウスを見送った後、別の研究も始めました。
「クククッ、今度こそ戦争にならない商品を作り上げて見せる!」
と、少しズレた事を考えながら二年生になりました!
いやー!なかなか充実した毎日でしたねー!
夏休み以降も一年生の面倒をみる授業は継続してやってます。それと並行して魔法の研究や、生活に役立つ商品の開発研究も行い、忙しくも充実した日々を過ごしています。
「よう!シオン」
新学期になって新鮮な感じで学園が始まりました。
クラスメイトと挨拶を交わして授業開始です。
「そう言えば兄貴が隣国に行ったらしいな?どうして隣国に?」
「うん、嫁探しにね」
ブハッと吹き出すレオ。
「よ、嫁探しかよ!?」
「え~、フレイム公爵家の超優良物件だったのに!」
レアがブウブウと愚痴った。
「まぁ、うちはこの!私の!おかげでイケイケな状態だからね!」
自慢げにいうシオンに──
「シオン、いつの時代な人?」
レアが若干引いた。
「酷くないっ!?コホンッ、まぁ、お兄様がいうには国内ではうちに見合う相手が見つからなかったという事らしいわ」
「確かに、ある意味、資産という意味では王国一だろうしね」
「ってか、冒険者なんてシオンの事を女神様扱いしているしねw」
「それは言わないでorz」
今までは黒パンに干し肉にチーズぐらいしか持って行けなかったのだ。味噌と言う新たな食材が、調味料が、劇的に冒険者の食糧事情を変えたことで、国内のみならず、他国でも大量受注が舞い込んで来たのだ。
冒険者達は、この奇跡の食材を生み出したシオンを女神様扱いしていると言う訳である。
シオンがイケイケ(死語)と言った意味がわかっただろうか?
思わぬ副産物であった。
「はぁ~そろそろストレス発散がしたいわね」
フレイム領ではハクアのおかげもありろくな依頼がない。
「ならダンジョンにでも潜ったらどうだ?」
「どこにダンジョンなんかあるのよ?」
シオンはバカにしたよう聞き返すが──
「えっ?知らないのか?学園にダンジョンがあるだろう?」
!?
ごめん!マジで知らなかったよ!
「シオンってどこか抜けてるよね~」
「うるさいよ。それでどうやったら入れるの?」
レアが思い出す様に言った。
「確か、担任の教師に申請するんじゃなかったっけ?」
「ふむふむ?それでダンジョンの階層は?出てくるモンスターの種類は?」
ズズズッッとレアに顔を近づけて尋ねるシオンにレアは──
「近い!近い!詳しくは図書館に行けば調べられるから!」
なら図書室じゃい!
席を立って図書室に行こうとしたら先生が入ってきた。
「あら?授業が始まるわよ?」
ウグッ!?
仕方がない。放課後に行くか。
そのまま真面目に授業を受けるシオンでした。
ホームルームが終わり、担任の先生に聞きました。
「あの、ダンジョンがあるって聞いたのですが?」
「ええ、授業では3年生になってからですが、個別で申請すれば放課後にダンジョンに入れますよ」
「本当ですか!」
つい嬉しくて大きな声が出た。
「シオンさんなら真っ先にダンジョン探索すると思っていたのですが、ダンジョンのこと知りませんでした?」
「ウグッ!?」
クスクスッと笑いながら言った。
「学園にあるダンジョンは地下10階層まであります。罠はあまりありませんが、魔物は出ます。なので去年行われた【転移の首飾り】を着けてダンジョンに潜ることになります」
「ああ、ダメージを受けたら特定の場所に転移してくれるやつね」
「そうです。それで安全にダンジョン攻略ができます」
なるほど。便利だね。
「でも過信はダメですよ?たまに転移できない部屋があったりしますので、気をつけなければなりません」
「なるほど。それで、ダンジョンに入る申請はどうすればいいですか?」
「職員室へ来て下さい。そこで申請書を書いてもらいます」
「わかりました!」
くぅ~ワクワクが止まりませんなぁ~!
職員室へ行くと、下級生は最低でも3人以上のパーティでないとダンジョンに入れないことを知って落ち込むシオンなのでした。
「なんでだよ~~!!!!!」
友達のいないシオンには酷な条件であった。




