シオン式授業です!
シオンは再度説明しました。
「いいですか?結界魔法は全ての魔法の原点と思って下さい。結界魔法の強度を上げるには魔力を練り上げる必要があります。そして魔力を練り上げることができれば、下級魔法だって上級魔法並みの威力を出すことも可能です。その体験を皆さんは『体験』しましたよね?」
先日の決闘のことを思い出して、生徒達は身震いした。
「もし、私の授業を本気で受ければ、学園を卒業するまでに、皆さんがあのくらいの事ができるようになります。どうです?やる気が起きませんか?」
!?
「わ、私達があの魔法を使えるようになるの?」
「ええ、まだ12歳という若さですから伸び代がありますので」
ザワザワ
ザワザワ
「俺は受けるぞ!」
「僕だってやってやる!」
「私だってやるわよ!」
多くの生徒がやる気を出してくれました。
まずシオンは生徒全員に結界魔法を使わせました。
そして一人一人指導していきます。
「まず、いつも自分が強い魔法を使う時のイメージで結界魔法を使ってみて」
「はい!」
結界魔法が展開されました。
「ここから強度を上げていくの。イメージして。自分が鉄の鎧を着ているようなイメージを」
素直な生徒はシオンの言葉通りやっていきます。
「うん、あなたはいいね。この状態を魔力が空になるまで維持していくの。授業の終わりまで頑張って」
「わ、わかりました」
ずっと集中していると疲れます。これは訓練していくしかありません。
こうしてシオンは一人一人にあった指導法を伝えていくのでした。
チャイムがなりました。
「皆さんお疲れ様です。この訓練をすると集中力の持続性も向上致します。騙されたと思って取り敢えず一週間続けて下さい。できれば自主トレも推奨しますので自宅に戻ってお風呂上がりにやると効果的です」
疲れて地面に座り込んでいる生徒達に言いました。
「・・・もし、私に反感を持っていて授業を受けたくない人がいたら、私の授業は受けなくていいですよ。その時間は自習扱いにします」
えっ?と生徒達がシオンを見た。
「でも、一週間で私の授業を受けたみんなとレベルの差がついてもいいのなら・・・ね?」
この人は自分の指導にどれだけの自信を持っているんだよ!?
生徒達の気持ちが一つになった瞬間だった。
それから素直な生徒や負けず嫌いな生徒は一週間ほど自宅でも結界魔法を集中して使いまくった。
一週間後──
「さて、ちょうど一週間経ちました。結果を見てみましょうか」
シオンは一週間前に指名してぶん殴った男子を指名しました。
「リベンジの機会を与えましょう」
「・・・望むところだ」
その男子は一週間ほど前とは違い、精神を集中して結界魔法を張りました。
「ふぅ~~、いいぜ!」
ギランッとシオンを睨みます。
「いきますよ!」
シオンのストレートが結界にぶつかりました!
鈍い音と共に結界は壊され、男子生徒は頬にパンチを喰らいましたが吹き飛んではいません。破壊した結界が威力を殺したのです。
少し口から血を流しましたが軽微です。
「・・・素晴らしいです。この一週間でレベルが上がりましたね。凄いです」
「ちっ、完全に防げてねぇーから凄くねぇよ」
クソッと悪態を付きましたが伸びしろはこの50人の中でも指折りでしょう。
「レオ・グランド、これからも私の指導を受けませんか?貴方はかなりの才能を秘めています。私と一緒にその才能を伸ばしていきませんか?」
シオンは握手の手を出しました。
「俺の名前知っていたのか。いずれお前を倒すつもりだがいいのか?」
「私は名前を覚えるに値する者しか覚えない主義なの。私の指導を受けるならそれくらいの気概は欲しいわね。これからよろしく」
「ああ、よろしく頼む」
二人はガシッと握手を交わした。シオンはハンカチで口の血を拭ってあげた後、ヒールウィンドの回復魔法で怪我を治してあげた。
「あれ?怪我が治っている?」
どういう事だ?火属性の魔法に回復魔法なんてなかったはずだぞ?
レオはシオンを見たがシオンは人差し指を口に当てて「黙っていてね」のポーズを取り、そのまま別の生徒の方へ歩いていった。
「アイツ、どれだけ魔法の実力を隠していやがるんだ………俺だっていつかきっと」
レオは1週間前とは違い、明らかな目標ができた事でその実力を開花させていくのはもう少し後のお話である。




