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【本編完結済】満身創痍だったのでちょっと愚痴をこぼしたら、さらに身も心も削られました  作者: 朔島 涼
番外編

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SS⑩後編.嬉しい誤算

「ふふ、さすがソフィアだね。陛下も驚いて椅子からひっくり返りそうになっていたよ。」

「わたくしも次の子の時はお願いしようかしら。閉じこもってばかりだと本当に退屈よね。」


レイモンドとエアリスにも好評だった。次回はぜひ広告塔になってもらおうと思う。そしてソフィアのお腹の中には双子が入っているため、まだ臨月でもないがかなり大きなお腹をしている。国王陛下を含む男性陣はもれなく驚いていた。


「ソフィア様がお元気そうでホッとしましたわ。年が明けてからはなかなか侯爵邸に遊びに来てくださらないと思ったら……新しいドレスを製作中でしたのね。」

「ライラはソフィアのブティックの前まで何度も様子を見に行っていたんだよ。」

「まあ、イルバート様!それは内緒のお約束です!」


頬を赤く染めて抗議するライラ。


「ふふっ。ライラ様、ご心配をおかけして申し訳ございません。でもとても嬉しいです。今度いらした時はぜひ中にお入りになってくださいね。」

「ウィルにも心配ばかりかけてはいけないよ。」


イルバートが優しい瞳でソフィアに忠告した。


「はい、お兄様。」

「私もライラが大きいお腹でテキパキと動き回るからとても心配だったんだ。」

「仕事人間っていう意味ではわたくしたち似たもの同士ですわね。」


ライラは肩をすくめて笑う。優しい兄と姉に囲まれてソフィアは温かい気持ちになる。


「ソフィアそろそろ退席させてもらおう。挨拶回りもほとんど終わったようだ。」


ウィリアムが背後から耳元で声をかけてきた。


「ええ、そうね。」


ソフィアはくるりと身を翻して答える。ウィリアムはギョッとした表情で手を添える。


「ソフィア……最近、エアリスの悪影響を受けているんじゃないか?」

「まあ、失礼ね!どういう意味かしら?」


ウィリアムとソフィアを見送るために近づいてきたエアリスの耳に入ってしまったようだ。


「うん……まあ否定はしないよ。」


レイモンドはふふっと穏やかに笑う。しかし絶対に隣のエアリスとは目を合わさない。


「……まあいいですけど。とにかく体調に気をつけてね。産まれたらすぐに知らせてね。」


エアリスはジト目から国母の表情に切り換えてソフィアに手を振る。


「はい、ありがとうございます。」

「ウィルはちょっとだけ仕事をしてね。」

「うむ……善処しよう。」


しないな……と全員が確信した。このパーティーを最後にシルヴィアは産休に入る予定のため、別れを惜しみながら馬車に乗り込んだ。あとは頑張って産むだけだ。


「ドレスが好評でよかったな。」

「ええ。ウィル様のおかげです。」

「ソフィアが頑張ったからだ。あとは双子が無事に産まれたら完璧だな。」

「頑張って産みますね。」

「ああ頼む。私がずっとそばにいる。」


いつもなら早く仕事に行ってくれと思うが、今はこの言葉がとても嬉しい。


「ふふ。大好きです。ありがとうございます、ウィル様。」


ウィリアムの隣に座り、心強く思うソフィア。


こうしてソフィアはサムスクライン王国にマタニティードレスという新しい形のドレスを生み出した。次のシーズンからは妊婦でもドレスで社交場に出るご婦人がちらほらと現れるようになった。もちろん着用しているのはソフィアブティックのマタニティードレスだ。そして全然別の方面からの注文も入ってシルヴィアは驚いた。ぽっちゃり体型で着れるドレスがあまりなかったというご令嬢やご婦人からの依頼だ。コルセットでお腹を無理矢理ギュウギュウと締め付けるドレスは辛かったらしい。特殊なドレスのため注文数はそんなに期待していなかったのだがこれは嬉しい誤算だ。


「ご婦人方用に落ち着いたデザインのものも作った方が良さそうね……。」

「……頼むからちょっと休んでくれ。」


ソフィアは双子が産まれる直前まで公爵邸で仕事を続け、ウィリアムに心配をかけ続けたそうだ。

お読みいただきありがとうございます!


【第一部完結】ヒロインは早々にシナリオから離脱したい

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こちらもお立ち寄り頂けると嬉しいです!


では。

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