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【本編完結済】満身創痍だったのでちょっと愚痴をこぼしたら、さらに身も心も削られました  作者: 朔島 涼
番外編

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SS11.ウィリアムジュニアズ誕生

それから1ヶ月半後、ウィリアムとソフィアの元に可愛い双子の赤ちゃんがやってきた。ソフィアによく似た男の子と、ウィリアムによく似た女の子。いつかどこかの社交場でウィリアムが言っていた言葉を思い出す。


『その時が来たら、皆が驚くような美男美女が産まれてくる予定だ。』

その言葉通り、とんでもなく美しい赤さんたちだ。


「自分のお腹から生まれたとは思えないくらいの美しさですわ。」

「そんなわけないだろう。ソフィアに瓜二つの美しさだ。きっと心もソフィアのように美しく育つ。」

ウィリアムは器用に片腕にひとりずつ抱えている。最初はちょっとだけ不安だったが、赤さんたちは安心して眠っているので多分大丈夫なのだろう。


「さあ、これから忙しくなるな。」

「誰がですか?」

「もちろん私だ。ソフィアはしばらく休まねばならんからな。」

「それはそうなんですけど……。」

産褥期はしっかり休まねば身体を壊してしまう。エアリスとライラの出産の話を聞いているため、ソフィアはよく分かっている。


「代わりに双子たちのお世話と、ソフィアブティックの様子も見に行かねばならん。仕事などしている場合ではないな。」

そうは言っているが、ウィリアムはソフィアの妊娠中もほとんど公爵邸を離れる事はなかった。カメリエの森の魔物が溢れ出した際に何度か足を運んでいたが、もう本当にクビになるんじゃないかと思うほど仕事には行っていない。昨年は開かれることがなかったカメリエの森の魔物狩猟大会であるが、今年はおそらく第二回大会開かれるだろう。そして、双子のお世話をすると張り切っているため、来年は第三回大会も開かれるはずだ。


「ふふ、ありがとうございます。頼りにしています。」

現代日本でも男性の育児休暇の取得が推奨されていた。ウィリアムを真似して、この国でもそのような制度ができてもいいかもしれないな……などとソフィアは思っている。




1ヶ月も経った頃にはいろんな人たちがお祝いに駆けつけて、公爵邸の使用人たちはとんでもなく騒がしい日々を過ごしている。


「ウィルお義兄様とソフィア姉さんの赤ちゃんだからきっと可愛いだろうと思っていたけど……何なのこの可愛さ!そして、ふたり並んでるからさらに可愛いんだけど!」

アレックスは一番乗りで公爵邸にお祝いに現れ、そしてそれから1日おきに遊びに来ている。勉強の方は大丈夫だろうか。友だち付き合いとかも……まあアレックスだから心配は要らないと思うのだが。うん、たぶん。




イルバートとライラも息子のアイザックを連れて遊びに来てくれた。


「あーたん、ねんね。」

「かわい。あーたん。」

「あーたん、いる。」

「あーくん、にいに。」

おしゃべりを始めたばかりのアイザックは双子の周りをウロウロとしながらずっとお話ししてくれていた。


「はは、可愛いな。アイザックのお嫁さんにどうだ?」

「絶対にやらん。」

イルバートの冗談にウィリアムは真剣に断りを入れていた。




「ウィルもついにお父さんだね。」

「良かったわね、ウィリアム。大好きなソフィア様とそっくりだわ。」

「ソフィアおねーさんにそっくり。かわいいね。」


王太子一家も公爵邸を訪れた。シャルロッテは随分お話が上手になっている。とても嬉しそうに双子の頬を突いている。


「きっとイケメンに育つよ。シャル、お婿さんにどうかな?」

「王家には絶対にやらん!」

多分ちょっと本気のレイモンドに対しては、かなり強めに断りを入れた。


「ウィルとソフィアの子どもだから絶対に優秀だよ。拒否したところで、王位継承権も持ってるしね。」

さすがレイモンド、赤ちゃんに対しても容赦がない。


「ウィリアムが嫌がるならわたくしもう一人でも二人でも頑張りますわ。」

ちなみにライラは今年の社交界シーズンに入る前に二人目を出産したばかりだ。しかしその子も可愛い可愛い女の子であった。そのためウィリアムの王位継承権も外れてはいない。自動的にウィリアムの子どもは王位継承権第三位となっている。


「まあ、なるようになりますわ。この子が王族に入りたいと言うかも知れませんしね。」

ソフィアはのんびりと微笑んでいる。


「うむ……。」

ウィリアムは難しい顔をして黙り込んでしまった。


「大丈夫よ、ウィリアム。気にしないでね。」

エアリスは眉は下げて笑う。


「じゃあね、あかちゃん。バイバイ。」

最後はシャルロッテの笑顔に癒された。




「心配しなくても大丈夫ですよ。」

レイモンドたちが帰った後もウィリアムは眉間に皺を寄せて黙ったままだ。ソフィアはウィリアムの肩にそっと手を置いて声をかける。


「わたくしたちの子どもですもの。きっと強く立派に育ってくれますわ。それまで温かく見守っていきましょう。」

「ふっ……。ああ、そうだな。」

ウィリアムが笑ったのでソフィアはホッと息を吐く。


「王家から守るために全力を尽くそう。」

……全然話を聞いてくれていなかった。しかしそれもまたウィリアムらしいな、と思うソフィアであった。


おしまい。

お読み頂きありがとうございます!

番外編が本編を超えそうな勢いになってきましたので、一旦ここで切らせて頂きます。


今後の予定としましては、ソフィアたちの日常と子どもたちの成長を続編として再開できればいいなと思っています。


いつかまたその日まで。


では。

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