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お笑いとラブコメは混ざりますか?~ゲラなヒロインとスベる俺が青春を沸かす話~  作者: たーたん
第一章 東高等学校はじまり編

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19話 ワンタップ女子トーク、ツーコールファナトーク

 部屋に戻ってからふと思い出す。

 そう言えば女子さん、なんともなく見えたけど体調は大丈夫だろうか。


 女子さん、友達登録ありがとうございます。その後、体調はどうですか?


 と、スマホに打ち込み送らずに悩み続けた。


 なんか固いし、ノリと勢いで個別チャットなんて送ってもいいのだろうか……。

 削除しようとして間違えて送信してしまう。

 すぐに消そうとしたが、既読がついたので俺は観念した。


『先生かよ』


 それだけ。

 やってしまった感となんて返信しようかで自室にいながらも右往左往しながら挙動不審になる。


『大丈夫だよ。だからいつものことなんだって。弱ってるところ落とそうとしても無駄だぜ。女子はそんな甘かねーの』

『ならよかったです』


 と返したが淡泊すぎたか? 中和する目的で謎の笑顔のスタンプを送る。

 既読がついてしばらく時間が流れる。


『まあ、なんかあったら言ってこいよ。ネタで悩んだりとか、既読無視するけど読むだけは読んでやるからよ!』


 廊下で女子さんがもたれかかってきたときの感触をつい思い出してしまう。

 少し汗ばんで、見た目よりも軽くて……。


『でもマメなとこあんじゃん! そういうところはイイと思うぜ! じゃあオレ、風呂入って寝るから! 明日な!』

『おやすみなさい!』


 既読がついて会話は終わった。そして俺の呼吸は再開する。

 なんでこんなに緊張してるんだ俺は。

 気を取り直そうとパソコンを立ち上げる。まだ寝るには早いし何かゲームでもやって気分を紛らわせよう。

 ファナさんの朝の会話が頭を過り、パソコン版のイクシリオン・アルファ、略してシリアルを起動していた。


「チュートリアル後どうすんだこれ。ストーリーやるのか? もう対戦すればいいのか?」


 プレイしたはいいものの、デッキもお試しデッキしかなく何をどうすればいいのかわからない。

 このゲームのデザインは優秀で女の子も可愛いし、イケメンも多い。お知らせを見ると大会も定期的に開催されて、レビューも概ね好評だ。


 困っていると、画面に『フレンドの FANA がログインしました』の通知が出る。

 あの後すぐにファナさんからIDのメッセージが送られてきてフレンド登録だけは済ませたのだ。俺のログインに気づいたのかスマホが鳴る。


『先輩っ! 始めてくれたんですね! 嬉しいです!』


 ファナさんとのチャットのやりとりは不思議と女子さんほど緊張しない。理由はわからない。同じ趣味を持った会話だからかなとは思う。


『何したらいいか、で困ってます。リセマラは一応済んでるんですけど』

『そうなんですね! 先輩の持ってるカードわからないからアドバイス難しいですね! 使いたいクラスはありますか? 今の環境バランスがいいので、ビジュアルで決めてもいいですよ!』

『クラスは操作が簡単そうな騎士がいいかなあって』

『わあ! いいと思います! アグロもミッドレンジもできて構築の幅もありますし、操作も簡単です!』


 アグロ……ミッドレンジ……? わからない言葉が出てきた。


『先輩。良かったら通話したいです……! 通話しながらだと説明もしやすいと思うんです! 迷惑じゃなければですけど……』

『うん、通話しましょう』

『はいっ! ファナはいつでもいいですよ!』


 と冷静な返答はしたがこれはメッセージのみの送信だからなせる技であって実際の俺は、椅子から立ち上がり部屋を何往復もぐるぐると歩き回り続けている。

 しかしファナさんから掛かってくることはなく、俺から掛ける感じだ。

 といってもこんなの当たり前か普通。俺が先に掛けるんだ。ファナさんから来るの待つだなんて男として違うというか。

 ……俺が男語ってますけどね。


「ええい、ままよ!」


 気合の言葉を入れて通話ボタンを押す。

 2コールのあと、ファナさんの静かで柔らかな「はい」が耳元を熱くさせた。


「ファナ、男の人と通話するの初めて、変なこと言ったらごめんなさい……! でも、頑張ってシリアルのこと教えますので!」

「あ、はい。宜しくお願いします」


 俺の声は部屋から漏れないように声を潜めている。ファナさんの声が漏れることはないし、聞こえたとしても相手が誰かなんてわかりっこないのだが。


「……そ、それじゃ。先輩の持ってる騎士クラスのレアなカード教えてもらえますか? もし、できるのでしたらリセマラし直すのも考えましょう! 先ずはアグロデッキを組むことがいいかもですね。相手の準備が整う前に速攻で攻める! そんな感じのプレイ方法で一つのプレイ時間も短いですし、初心者におすすめなんです!」


 最初は恥ずかしそうに声を落としていたファナさんだが、ゲームの話になると声の調子が上がりすらすらと分かりやすく説明してくれる。

 相変わらず俺は小声で、ファナさんの声が耳元から聞こえてくるという未曽有の体験になかなか慣れず心臓の音を抑えつけるのに必死だった。


 時間も遅かったので30分くらいの通話だったが、ファナさんは終始丁寧に教えてくれたおかげでデッキを組むことができた。俺はただ聞くことに専念して言われた通りしていただけだったのだが、


「今日は楽しかったです。ありがとうございました、また……通話できたらファナ嬉しいな……おやすみなさい先輩」


 と笑顔が想像できるくらいの弾んだ声のファナさんが印象的だった。


 まるで人生が変わったみたい。

 たった数日の間だぞ? 俺じゃないみたいだ。

 出来事を振り返りながら一日が過ぎていく。

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