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お笑いとラブコメは混ざりますか?~ゲラなヒロインとスベる俺が青春を沸かす話~  作者: たーたん
第一章 東高等学校はじまり編

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18/61

18話 みんなで言おう万能の言葉「知らんけど」

 今日はお笑いの特番がテレビで放送されるとのことで、みんなでチャットしながら見ることになった。

 普段はすぐ自分の部屋に引きこもって出てこない俺がテレビを陣取って、お笑い番組を見ているという状況は両親にとって衝撃的だったのだろう。

 お茶とお菓子まで用意してくれて興奮気味に一緒に見ている。

 コンビ名も決まり、エントリーはファナさんが代行してくれた。自分は出場しないからこういったサポートならやらせてほしいと本人たっての希望だった。


『今、DMの返信きました! エントリー完了です!』

『おつおつ! ファナち!』


 女子さんと俺もお疲れ様スタンプでファナさんを労う。


『返信内容コピペしますね~』


 この度は、第一回東高等学校お笑い王座決定戦に申し込みいただきありがとうございます。以下の通り、エントリーを完了しましたのでお知らせいたします。なお、ご不明点ありましたらこちらのDMかお笑い同好会、担当の大寺までご一報ください。

 ①1年C組 伊ケ崎女子いがさきここ

  エントリー名:ココナッツ

 ②2年B組 梶悠翔かじはると

  1年C組 白井ほのか(しらいほのか)

  エントリー名:アーヴァンチュール

 今後のスケジュールは、12月の上旬、生徒会による抽選会が行われます。そこでネタの披露順が決定されます。詳細はSNS、またはお笑い同好会が配布している冊子を参照ください。

 それでは、抽選会をお楽しみに!

 最高の年末を、一緒に盛り上げていきましょう!


『なんか普通やなー』

『お笑い同好会らしくギャグとか入れてほしいぜ』


 俺から見たらかしこまった内容が緊張感を伴っていて縮こまる思いだが、わらおー会の女子たちはそれすらも笑いに変えようとする。

 こういうの見習っていかないといけないな。


 ……はあ、それもそうだけど、俺、舞台に出るのかあ。思いつめないようにしているが不安しかない。ネタは白井さんが考えてきてくれるらしい。

 けどそれに甘えていいのか? そうなら誰でもいいんじゃないか。

 あと、客が少ないといいな。教頭に見られるとか内申点に影響しないよな?

 とかいろんなことが頭を駆け巡る。


『お、ならこーちゃんならどする?』

『そうだな、語尾にぜんぶ苦笑つけるとか』

『あははは』

『ほのかだったら?』

『せやな……、知らんけどってつける』

『笑! やる気あるのか運営!』


 女子さんと白井さんの言葉にぶっと噴き出す。

 ちょうどテレビでベテランのトリオがネタを披露しているところだった。

 俺がそれに笑っていると思った親は、俺に合わせて「おもしろいわねえ」「ベテランの味が活きてるな!」と同調した。

 今更思うけど、なんて気の利いた両親なんだ。


 DMの内容やテレビでの漫才、コントに対してのリアクションで盛り上がるわらおー会。俺は今までただ見てるだけだったから気づかなかったけど、漫才もコントも物語になっていると感じた。

 それも芸人それぞれ違う色だ。こんな短い時間の中で始まりから終わりまで計算されて組み立てられている。


「……すげえ」


 見終わって自然と言葉が漏れた。


「あっという間だったわねえ」

「うんうん、悠翔がこの番組見たかった理由がわかったよ」


 優しすぎる両親のコメントに心の中で感謝しつつ、おやすみと伝えて自室に戻る。

 白井さんはコントもやりたいけど、漫才をやりたいと言っていた。だから漫才の時は構成や流れ、ボケとツッコミを注視してみた。

 でもその前に、コンビのスタイルがあるからどういった形の漫才が白井さん好みなのか、先ずそこを知らないことには定まらないと感じる。

 終始淡々と進む漫才もあれば、リアクションが大きく笑い合いながら掛け合う漫才もあったり、単純にボケて「なんでやねん」とか突っ込んだりして終わるものだと思っていたが勘違いだった。


『白井さん、漫才、深いっす……』


 興奮の余韻をそのままチャットで放流する。


『梶くんんん! ですよ! 深すぎて底が見えないです!』


 即、白井さんから返事がくる。


『先輩は冷静な感じでツッコむ役が似合いそうですね……!』

『そうだなー。クール装ってんのか知らんけど、感情出さないからなあナイトメア。むっつり目線だけはするけどな』

『ファナたちの前ではそのままの先輩でいていいんですよ……? なんて』


 感情出すのが苦手なんです……。

 テンション上げて叫んだりしたとして、周りが無反応だったらどうしようとか思うと縮こまってしまうんです。


『でもでも、その中に潜む言葉のセンスが梶くんにはあると思うんよ!』

『まあな。数少ない一言に命懸けてる感はある。生まれ育った環境なんだろうな』

『どんなときも冷静でいられるのって、凄いことだと思います……! 大人の風格、みたいな感じなんでしょうね……』


 次々と俺を褒めているような上げるようなメッセージが流れる。

 なんとなく次にみんなが言いそうなセリフがわかった気がする。


『『『知らんけど』』』


 三人が同時に発言し、そして同時に笑った。

 このいじりもきっと、わらおー会の愛なんだろうなあ。


 知らんけど。

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